どうにもならない日

こんなはずじゃなかった2020年からの生きる記録

2020年12月28日〜12月31日

12/28

9時まではいつも通りEテレをみて、そのあと日テレに回すとスッキリがやっていなくて、そうか年末!となる。ソワソワしてしまうからモーニングショーに。朝のウォーキングから帰ってきた夫が、高円寺で火事があったって、薔薇亭のとこの角の店らしい、と報告してくる。あの場所前も火事があったんだよなぁと言っていた。造りが悪いのだろうか。

冬休み中のお預かりは10時から登園。その一時間の間に家で遊びに集中し出しちゃう雰囲気もありながら、今日はクラスの子いっぱいいるみたいよ、というと張り切って立ち上がる。こちらはこちらで、例の問題物件の契約が今日になったから、また夫がバタバタ準備をして出て行った。私は子を送ってから行くことになるけど今日はもう行かなくていいかと思っていた。が、夫が不安そうだし、また何か突っ込みどころがあったら後悔する。部屋を出ると廊下にアートから食器なんかを片付ける箱が届いていて、さすがに邪魔すぎるから退かそうと持ち上げると異常に重たい。引っ越し箱詰め作業はしたいけど、そうすると本当に居場所がなくなる。家の梱包はまだ3割といったところ。衣類は早々に片付けていて、いま時期必要な服を段ボール二箱に分けてやり繰りしている。種類関係なく洗濯済みを入れる箱と、一度では洗濯せずに着るボトムやセーターの箱。これで全く不便はない。むしろ楽。引越してもこの物量でいい気がする。越したらまた着ないことが判明した服を荷ほどきしながら処分するかもしれない。

一番近所のクラスの女の子がママと向こうから歩いてきて、うちも午後からお預かり行くからね〜と声をかけられて、また子の楽しみができた。預かりの予約さえしておけば時間は変更できるしと思って今日は朝から最後の4時までにしておいてる。本当は一日中はちょっと気が引ける。かといって2時だと預かりのおやつが食べられない不満が出てくる。先生には早く済めば3時に来ますと伝えて園を出ようとするとちょうどよく夫から電話、書類を忘れたから持ってきてほしいとのこと。一度家に帰り書類をとって向かう。横断歩道でまた園のママに会う。2人兄弟のどちらとも学年は合わないけど小さい頃からよく家周りで遭遇するから彼女もうちを知っている。知ってる人には引っ越すことを話しておきたい。話してみると今度こそ近所になるようだった。これからもよろしくと公園前で別れて駅へ。彼女らは公園に来るにも自転車。確かに、もう5分離れただけでもこの往復もしんどいかもしれないと、早くも嘆いてしまう。忘れ物できない。

不動産屋につくと前回の謝罪コンビとか内見で関わった人の姿はどこにもなく、物件担当者の彼女だけが餌食になったように、シュンとしながら手続きしていた。私の方を全く見ないで蚊の鳴くような声で夫とだけ話して締める。私は少し上半身をかがめる姿勢をとりながらも目は真っ直ぐ彼女を仕留めてニコリともせず、「自転車のご協力ありがとうございました」とあえて礼をすると、あっ、いえ、と慌ててこちらに向き直しながらも伏し目がちなままの彼女。こんな時どうも私は武士の目をしてしまう。夫は終始柔らかく一件落着といった感じで対応していた。100円ショップで掃除用品を買って、サンマルクでコーヒーを飲む。チョコクロ5個とドリンクチケットのセット、たまにやっている印象だけど、実際はこの季節だけなのだとしたら、あまりに自分の一年が短い。ドリンク半額チケット、数年前はフリードリンクチケットだった気もするなぁ、と思い出す感覚も何年も続けているような。このところやたら荻窪に来てるのに、クリスマスや年末の食品売り場の盛り上がりにひとつも乗れなくて、なんだかな。

私は家に帰らずそのまま先日の耳鼻科。今度は喉か痛い。また矯正器具で傷つけたり噛んでしまったりで口内炎もできているし、口のなかのコンディションが悪い。近いからこれまでずっと来ていたけど、このおばさん先生の診察がいまいち頼りない気もしている。咽頭炎ね、と軽く言う。薬の処方が5日分、というのが適切なのか後から心配になった。これから年末年始。薬局に処方箋をだして帰って、電気などのライフラインの切り替えの連絡。冷蔵庫の引き取り、退去やガスの立合いなど、諸々のスケジュールを調整。そして夫と新居へ向かう。引渡し時の現況チェック表。例えばレンタル車のキズ確認みたいに、まずここがそもそもキズですよ、という情報が一切ない。自分らがチェックミスして退去の時にそっちが指摘してきたら自分らのせいになるのでは?普通はそう考えるはずなんだけど、それを言っても意味が通じてない。あまりにあちこちがボロボロで、通常の原状回復のルールはどうなってんの?と思うけど、逆にいえばそんなことを気にしない、ということなのかもしれない。それにしても本当にそんな認識でいいのか。なんなら契約書の敷金償却のクリーニングや修繕についての項目が、他では見たことないくらい、やたら細かく記載しているというのにこの現状はなんなのか。信用ならない不動産屋にまた電話で詰め寄るも、結局は使えなくなるまで手をくださず放っておくスタイルみたい。クリーニングもされてないことを指摘しても、そういうハウスクリーニングは特別していないと、もう開き直られたような感じ。とにかく管理は緩いってことで自分達にとってもいいのかもなと諦めたところでタイムアップ。結局掃除どころじゃなかった。思いやられるのはこれかららしい。自転車を停めていた裏口から出ると、向こうから頭がオレンジ色のおばあさんがやってくる。私はハッとして、隣りの部屋になるおばさんだよと夫に囁くと、夫も前に内見に来た時に隣りのベランダに見えたあのヴィヴィアンウエストウッド(と同じ髪色)のばあさんか、と分かってくれた。話しかけてみようかと、なんとなくモタついてるふりして近づいてくるのを待ってみると、相手から「どうしたの?入れないの?」と聞いてきた。いえ、私達はここに越してくることになりまして。今日鍵を貰って見にきました、というと、あら、どこの部屋?、301です、隣よ、私302だから!と言った瞬間に私と夫は初めて知ったように、わあ!と驚いてみせて、あらためてご挨拶に伺いますと頭を下げて、子どもがいるし、ご迷惑お掛けするかもしれません、というと瞬時に「そんなこと気にしてたら東京に住めないわよ、子どもが可哀想よ」と理解がある。相当なおしゃべりばあさん、訳ありで息子と2人暮らし。御年80歳。そんなことまで聞いたところで私はお迎えギリギリ。お先に失礼します、と去ってもまだ夫とばあさんは話していた。悪い人じゃなくてよかった。気分よく自転車を走らす。

お迎え。子は今朝会ったクラスの子とそれはそれはハイテンションで、自転車に乗らずお友達と2人遊びながら帰る。ママも、引越し寂しくなるねと、生まれた時からこの距離にいたんだもんねぇと、しみじみしていた。その家はうちと200メートルも離れていない。家の前で遊ぶ2人。同じく並びにあるマンションに住む知り合いママに久しぶりに遭遇。ついに越すことになったよと挨拶。でも小学校は一緒になるかもだから引き続きよろしくと話。こうしていつも誰かと遭遇できて小さな会話を繰り返していられたのも、ここに家があったからかもしれない。そしてこれからもここにあるのに、ここが帰る場所じゃなくなるなんて、目に触れるだけに寂しさが増してしまうかもしれない。

夫から連絡、今までばあさんと話してたから今から出かけると。話長くない?!いや〜、情報通ばあさんだったねと。少し嫌な予感。今のマンションの階下のおばさんも、夫がはじめて会った時はそうして気前よくお喋りしてきていた人だったらしい。喋りたいが故、逆に小さなことでも問題にして絡んでくるかもしれない恐れ。あの人は大丈夫でしょう、と夫は言うが常に気は抜かないほうがいいかもしれない。

その後、高円寺火事あとの写真が送られてくる。火災が出た店の隣りにある私が以前取材した店。煤だらけになった惨い姿。思い入れがあるわけでなくても知ってる店のそんな姿にはショック。

そういえば今日は目一杯遊び続ける子のハイテンションを沈めるのに必死で、処方薬をとらずに帰ってきてしまった。夫はまだ帰らないらしい。子を誘ってももう疲れているのかハイで無敵になっているのか行かないと断られる。一人で待てると言う。エレベーター降りてすぐに薬局に行けるのも今だけ。この環境にこれ以上頼ってはいけないのだけど最後の甘え。駆け足で行ってくる。こういう時の薬剤師さんの話は長く感じる。また駆け足で部屋に駆け込むと、玄関を見にきていたらしい子がパッと部屋に駆け込んでいった。みると目に涙。泣いたの?と聞いたらもう明るく笑いながら、泣いちゃったよ〜と言う。5分あったかないか。行く前についてた忍たま乱太郎がまだやっていた。

夕飯を食べながらハッとした。管理人さんに の書類を渡し忘れた。前に貰っておいたけど日にちが変わるかもとなったり夫の口座だったり確認しきれてなくて未提出。今朝、管理人さんに今日渡しに行くとの宣言と、通いで管理人をしていた吉田さんの出勤日を聞きに行ったのだった。吉田さん。階下のおじさんとのはじめの騒動の時、夫が相談で話し込みに行った時に判明した元漫画家。それも私の好きな藤子不二雄に従事し、私の大好きな藤子A先生作漫画のパロディ漫画を描いて、その後の時代はマニアの間でちょっとしたカリスマだった。その吉田さんだと知った時は飛び上がった。昔こんなの描いててね、と夫が渡されて借りてきたハムサラダくん。その人が、今はこんな古臭いマンションで管理人をしていた衝撃。何かの知らせでうちに来た時に慌てて子の落書き帳を渡してその場で絵を描いてくれというと、今は描いてないからなぁといいながらドラえもんを描いてくれたことがあった。こんな運命的な出会いはもうないだろう。たまに昔話をしてくれた。少し前に、藤子プロでアシスタントしていた人の漫画を買ったから見せてあげたら、僕よりずっと後の世代だけど会ったことあるよ、少年漫画描くやつとは違うタイプだったんだよ、と少し嫌そうな顔してた。引越し片付けしていたら色紙、多分夫が前に吉田さんに描いてもらおうと用意していたもの。吉田さんは事故に遭って腰を痛めてからあまり来なくなった。引っ越す今こそ記念に色紙を渡そうと、朝住んでいる管理人さんに話したら今日が最後の出勤日で年明けはいつ来るか決まってないと話していた。いまは夜7時。通いの吉田さんは5時くらいには帰る。失敗したなと思いながらも、とりあえず書類は出しに行かなくては。今度は子も付いてくるという。この建物のなかだからサンダルでもいいよというとそれだけで嬉しそうにパタパタ階段を歩く。このマンション、楽しかったなぁ。管理人さんに遅くなってすみませんと書類と、これ吉田さんにと色紙を渡そうとすると、あぁ話したんだけど今は本当に描けなくてみんな断ってるって、自分の体のこともだけど奥さんが末期癌で大変だから、変な話それが落ち着くまではとてもそんな気にはなれない、だからごめんなさいって言ってました、と管理人さんは話して、貸してた漫画が用意されていた。そうだったんだ。年明け越す前に会えることはないだろう。でもその後も前は通るから、またこれからも顔出しますね、と話して部屋に帰る。寂しい。

夜、このマンションに住む子が同い年のママにLINEで引っ越し日程など報告。彼女も学区のことを気にして頭を悩ませている。そして犬。確かに犬は鳴いたら猫よりも声が大きそう。歩き回る音はうちのガタイのよい猫よりは静かそうだけど。彼女は30日まで八百屋の仕事があるけど、それでも子が良ければ一緒に遊ぶよと言ってくれる。いざとなった今、そう声をかけてくれる皆んなに本当に感謝。次誰かに何かあったら私も力になりたいと強く思う。

岸辺露伴は動かないを観たあと夫がバタバタと家を出る支度をしていて、やまちゃんと会ってくると、2時過ぎだかもっと遅くまで。

 

12/29

最後のお預かり。スカートの履き方や髪型のことで揉めて朝から大泣き。少し遅れて園へ行く。泣き腫らした目をしていたけど、園についたらクラスの女の子がのんびり遊んでいて安心したようで笑って別れた。園から道に出たところでマンションの引越しが近いママ親子に会ったから、引越しの現状報告し合う。一番下の我が子と同じ学年の保育園の子を連れているのが珍しい。保育園ももう冬休みとのこと。うちこそ、あれ?ひとり?という感じだったから、片付けしたいから出来るだけ預かりで今日までと話す。私も本当は一緒に出かけたり買い物したい。引越し屋の話、うちはアートであちらはサカイ。うちは三人家族で約9万、あちらは五人家族で13万。サカイはどうやっても段ボールが一定数以上有料なのが、物が多い我が家的には合わなかった。アートの段ボールは全てリサイクルで無限に貰える。やっぱりアート高いかなと後悔してたけど妥当なのかも。ただアートの見積もりなんか腹立つよねという認識は一緒。いつも年末年始は実家に行ってるようだったけど、この正月はずっといるというからまた会うかもといって軽く挨拶。

引っ越し業者とそれに関わるエアコン移設のことやら連絡とりあったり、片付けを進めて3時にお迎え。今日こそ帰りに私の兄に送るお菓子を買いに行こうと子と約束している。セブンに寄ってセブンブランドの菓子をまずは買う。次はまいばす。トップバリューの物を買い。八百屋を挟んでオオゼキ。やっぱりオオゼキは広告の品でなきゃ菓子が高い。今は年末商品ばかりで菓子まで気が回っていないし、そこで買うのは諦める。帰って夫がいるうちにもう一人で買い出しに行くことにした。無印のバームクーヘンを頼まれているから中野へ。お菓子とチキンラーメンはドンキ。ドンキの中でどこからか美味しい食べ物の匂い。店頭にある焼き芋の香りを打ち消すほどの匂い。もしかして、と思いながら店を出るとやはり、ミスドの向かいにできた台湾唐揚げの店が今日オープン。その匂い。数人が並び、周りには沢山の人が所在なさげに待っているみたい。初日の何かあるのかなというのだけ確認するけど何も無さそうだし混んでるならあとでいいかと先を急ぐ。無印では決まった物だけ購入。無印でMUJIカードを出すたびに気持ち良い。実はたいして買ってないけど、お得意様気分になる。地下のピーコックで今日の夕飯をいくつか買う。帰り道の安い青果店でみかんの袋が安いけれど、食べきれないかもと思うと躊躇する。クリスマス以降ずっとこれを繰り返していて毎日食べるものに困っている。週末にたまに開くドライフラワーが可愛い花屋が、正月飾りの花を一本から売っている。可愛い。でもうちは飾るどころじゃない。子が見て可愛い、欲しいと言ったら私も思い切れるのに。と考えながら今日は退散。帰ると入れ替わりに夫が出かける。一応中野に行くなら台湾唐揚が今日オープンでちょっと良さそうと報告。

出て行った夫から早速LINE、台湾唐揚完売とのこと。これは、ドープの時みたいに思ったより売れてしまった感じなのか。

仕事の取材先から1エピソードカットの要請がでてしまった。ラジオなんかではよく出てくる話だから問題ないだろうと思っていたから、記事のバランスだけを考えた進行をしてしまい、配慮が足りなかったなとすぐに反省、後悔した。その他回答すべきことや対応について、事務局に相談メールもしたけど今日で仕事納め。返信がないからもうメールも無理かと思い、先方には今年を締めるメールをしてしまう。

買い出しに出ていた夫から貼り紙写真。何かと見たら一番近所のまいばすの閉店後に入る取引業者でコロナ陽性が出たため臨時休業とのこと。すぐに自分の行動を振り返る。ここのまいばすには行っていなかった。夫に聞くとそちらも行ってないとのこと。ひとまず胸を撫で下ろす。こういう時にある店内の清掃、除菌とはどんなことなのだろう。誰がやるのだろう。どこでどんな人が感染したと分かっても、そこに残された人の不安といったらないだろう。ツイッターなんかで感染のことを検索すると、気をつけていた自分がなぜ!という感染した人のツイートを見て苦しくなる。辛い。気力も落ちてなんだか体調が優れないような、まぁここのところずっとそうなんだけど早寝をしてしまう。

目覚めたのが先か寝ながらも天気予報が気掛かりだったのか、ハッとして飛び起きて出したままの洗濯物を室内に入れて、また眠る。

 

12/30

朝から雨。いよいよ9時までのEテレ以外どこもレギュラーではなくなった。もう曜日の感覚も失う。義母と娘のブルース、逃げ恥状態に毎年目にしてる気がする。昨日から朝はホットケーキにすると子は言っていて、ちょうど最後の一袋を使いこめて消費が気持ち良い。松屋銀座ではじまった、ねないこだれだの「せなけいこ展」行けるのは今日しかない!と思って散々銀座の人出についても調べていると、多く感じるも少なく感じるも人によるわけだった。時間帯やスポットによっても違うのは確かだけど、普段からどんな銀座を見ている人なのかによっても感じ方は違うみたいだから、自分で行かなきゃわからないことだなと思った。夫がまだ外に出ているけど、子も電車でお出かけに納得してくれたので気持ちが変わらないうちに外に出る。雨も上がって今日は割と暖かい。行きの電車は乗った時は空いていたけど途中から人も増えてきてドキドキしながら周りを気にする。電車乗るたびに二人くらいはマスクしてない人を見る。こんな世の中でもそんな人いるんだな。銀座駅は人が少なくて歩きやすい。でもこれはいつもの正月休みって感じでもある。百貨店に入るとそれらしい賑わい。せなけいこ展、子どももちらほらいるけど大人が多い。こどもと出掛けられるものだし、くらいの軽い気持ちで来たけれど、せなけいこは37歳でデビューしたとか、絵本は自分の子どものために作ってあげていたとか、旦那さんは噺家だった(から落語っぽい話があったりする)とか、色んな発見があり気持ちが充実した。そしてやっぱり切り絵は原画が可愛いくてじっくり見たくなる。お気に入りだった書店のチェック柄のブックカバーを服に使っていたりして楽しい。グッズはメモ帳を購入。液体の中をおばけが行ったり来たりするボールペン、あれは楽しいし、子が欲しがるのも分かる。なだけに私も迷って迷ってやめた、ところがコラボしたメニューがあるカフェを見てそこに行きたいと言い出して、結局ボールペン以上の出費。いくら銀座の百貨店とはいえ飲食店ではピリピリしてしまう。子は帰りたがっているし私も帰りたいのだけど、夫が自分も行く行く言いながら、なかなか来ないけど向かってると言うしどうしよう。仕方ないがテラスで遊んで待つ。やって来たところで子が早く帰りたいと言うから、まぁそうなると思った。夫は自分がどこか行きたいことを理由にしか子の相手をしようとしなくて、子のやりたいことや遊びに付き合う考えじゃないんだよなぁ。でもわざわざ来たところ帰ると言えるほど私も冷たくなれない。ただ、何したかったの?とは聞いてみる。上野行かない?と言い出して、はじめからそれが目的なのだとしたらハッキリ言ってくれてたら来る前に断って帰れていたようにも思う。仕方ないから上野に付き合う。子はクレープ買ってあげると言われて納得はしていた。子がクレープを食べてる間に夫にはやりたいことをやってもらう。感染者数は900人以上。クレープを食べながら道を見てると警察官が数台の車から出入りをしていて、交通整備が必要なほど上野は人が多いのかとうんざり、来てしまった自分に後悔もする。クレープを食べて夫のいるところへ向かうと、子どものスニーカーを見ている。買ったばかりだというのに、上野の行きたいだとか、自分のなかの年末の恒例行事にとらわれているんだなと思った。結局やることはそれだけ。帰ろうとしたらお菓子いっぱい売ってる店だよと言って今日に限って多慶屋まで。それなら二木の菓子でよかったのに。多慶屋は混んでいてまた私はうんざり。どこともたいして値段は変わらないような菓子を買う。地下鉄の駅まで向かう途中の薬局で店先に色んな味のミレービスケットがあって、唯一私が買ったのはこれ。何か買おうとする度に引っ越しが頭にチラついて本当は何も要らないけど半ば無理やり買う。帰りの電車は空いてるというほどではないけど子も少し寝れるくらいゆっくり帰れた。夫と子には先に帰ってもらい、ファミマで兄に送る最後の菓子。新商品はコンビニでしか買えない。エレベーターで上階に住むフラメンコ教室の先生と一緒になる。以前からよく交流をしてくれていて、コロナの自粛最中も食べ物の送りあった。引っ越しが決まりました、お世話になりましたと挨拶すると、話が止まらなくなってしまった。彼女は30年くらいこのマンションにいる人だった。息子さんも娘さんも、家族皆でフラメンコをやっていて近くに暮らしてもいるから、これからもそう遠くは離れないつもりではあるらしい。でも一足先に出た家の郵便受けが、次々と塞がれていくのを見て寂しくなると話していた。私は結局5年くらいしか居られなかったけど、ここの人皆んな良い人で、ここの皆んなそっくりそのままで別のところでも住みたいくらいだと話すと、私もそう思ってましたと言ってくれた。こんな有り難い環境、出会い、もう二度とないように思う。新居の隣りのおばあさん、今のところ悪くないけど、他の人はまだ一人も見たことないしどうなることやら。帰って兄の荷物を梱包。なんだか窓を揺らすほど風が強い。でも郵便局は今のうちに行かないと、明日はどうなるか分からない。スペインとの繋がりがあるさっきのフラメンコの先生も、海外へはこれから大変になるかもしれないから早く出したほうがいいと心配してくれた。イギリスがEUから離脱するから大混乱だと兄も言っていて確かに心配。箱に子が絵を描く。それを抱えて部屋を出ると、ドアノブに袋がさげてある。すぐにさっきの先生だとわかった。家のなかに置いて急いで外に出る。落ち葉が竜巻きのように舞い上がっていてすごい風。ファミマのお兄さんが一番入り口側のレジに居たから覗き込んで少し話す。私がいて開いたままになってる自動ドアから、また強風が舞い込む。今日の夜すごい台風みたいになるって天気予報でいってました、とお兄さん。年末にこんな天気それも急に、珍しい。駐輪場、たくさんの自転車がなぎ倒されていて、もともとビル風がすごいだけに吹き飛ばされそうな風圧。自転車は無理かと2、3歩歩いたけど、窓口営業7時にギリギリになってしまうのも嫌だからどうにか自転車で風邪に立ち向かって、通りの角を曲がるともうスッと走れる。ただ風は強い。EMSの発送が久しぶりで、ネットで検索した書き方を片手に書いていく。中身が問題。何がどうダメなのか分からない。いや正直に書けという話なんだけど、たかがコンビニ菓子のために関税かけられちゃかなわないだろうし、兄に聞いたらTシャツとかbookとかいう話もあったけど、事実としてギフトと書いて出すとダメだしをくらい、慌てて郵便局員の前で書き足す。言われたことを思い出しTシャツと本。金額が関係あるのかも分からないけど適当に当てる。どうにか出し終わって郵便局を出ようとしたタイミングで、Tシャツは良くないかもという話でちょうど兄からメッセージ。スナックでいいとのこと。ドキドキしながら送り状のやり直しをさせてもらう。正直なところでスナックとTシャツ。価格は適当。本来この荷物の主役であるリトルトゥースTシャツの値段は知らない。年内にやり終えてひと安心。帰り道に近くのまいばすに灯りがついているが見えて、もう営業再開しているようだった。帰ってフラメンコの先生のくれた物をみると、スペイン風ポテサラのお裾分けとリンツのリンドール。これはめちゃくちゃ美味しいチョコレート。ジップロックに入ったポテサラ、食べ物に困ってる時におかずは有り難い。そして手紙。本当に寂しいと。私も毎日毎日そう思ってる。

 

12/31

今日こそは朝から色々やりたいと思っていたけど、その色々が年越しで落ち着くわけではなく、引越すまで済まないからもう嫌になる。午前中、子に新しいキックボードを乗らせながら手紙を出して可愛い花屋が開いてるか見にいく。花屋は閉めて配達の準備をしていた。来年こそそこで買いたい。頭から服まで全身ピンクの人を近所で久しぶりに見る。緊急事態宣言の自粛期間以来。正月の非日常を実感。

夫は新居の準備を自分の足で買い出しに行きたくて仕方ないようでニトリへ行くとかなんとか出ていった。私も食品の買い出しはしなければと思ってる。何なら買っていいか探り探りで、結局あまり調理するものは増やさずにどうにかやり繰りしてる。でも今日は蕎麦と天ぷらくらいは買いたい。あとは何だろう。おせちは何ひとつ作るも買いもしない。そんなまったりするべき日持ち料理は不要。餅は子が食べる分くらいはあるし、あとは米を炊かなくていいようにパスタと外食品を中心にしよう。子がその気になってくれるまで片付けなんかもしながら3時頃ようやく再び出掛ける。夫もちょうど地元に戻ってきたところで、どこも蕎麦が売ってないと、天ぷらどころか蕎麦に困っていた。余らせたくないのに冷凍でもいいかという。仕方ない、年越しと言わず明けても蕎麦だ。近所のスーパーはもう入店制限をするほど大行列。そこを通り過ぎて新中野のスーパー。こちらはいつも通り。夜も10時まで営業との放送が流れていて安心。袋蕎麦も売っていたけど夫が冷凍を買ってしまったとのこと。天ぷらも山盛りに売られているけど、いつもひとつせいぜい120円で売られているかき揚げが、なんと2つで600円!高すぎ。途端に冷める。シラけて周りを見渡すとパンの売り場がゴソリと削られている。知り合いのパン屋も7日まで休みだとかで、パン屋は正月に需要もないのか。私はいつでも食べたいけど。夫はもう観念してブロードウェイまで行くという。私達も行こうとするけど子が本当に嫌がる。風も寒い。買えなかったお花を見に行こうかというとどうにかサンプラザの花屋まで。引越し控えたいま「飾る」という最も無駄な行為をしたくないんだけど、全く正月のアイテムが無いのも寂しい。道すがら青果店みかん。お飾り用の小さな葉付きのみかんもあって子が欲しがる。一個20円で買う。鏡餅パッケージの餅は買ってあるし、そのプラスチックのみかんと置き換えてもいい。花とこれくらいは正月にしよう。サンプラザの花屋、やっぱりここは良い。葉の感じとか南天の実の方が好みだけど高くて千両にする。安いし調子に乗って松もつけたかったけど子にダメといわれて実だけにとどまる。寒いしブロードウェイかヨーカドーか、どこか入ろうと言っても首を縦に振らない。元々夫には私の体調がいまいちだから人混みすごかったら行かないとは伝えている。東京の感染者数1300人超え。怖すぎる。それとこれは違うかもしれないけど、やっぱり上野まで出歩いてしまったりした昨日までの行動を後悔してしまう。夫はブロードウェイ地下で天ぷらも食材も買えたし、混んでるから来ない方がいいよと言ってくれた。でも大晦日の街からこのまま帰るのもなんか名残惜しい。帰り道にある公園で寒いなか遊ぶ家族のうら寂しい感じもまた惹かれる。今日までそんなことする?といった世間の流れを無視したような光景の哀愁に酔ってしまうことがある。つねにそんな空気を漂わせる子どもの世界。少し遊んでいく?でも寒いよね?と聞くと、遊びたいとモジモジ。ただいても寒いから自分も一緒に駆け回って体を動かす。子も楽しくなってきていっぱい走ってくれた。そろそろ帰ろうかと自転車の方にむかっていくと、赤いニット帽にモッズコートの人が、ママチャリを結構なスピードで走らせて通り過ぎて、あれはやまちゃんだと思う。夫に、やまちゃん呼び出した?と連絡すると、買い物あるって言ってた、と夫。こんな風貌の人がいたと言うと、最近の格好だな、と夫。いまそっちに向かって走っていったから会うかもよと返信しておく。遊んでテンションのあがった子が、一連の空気をよんでお父さんとやまちゃんのところへ行く!と言って走り出す。セントラルパークの前を通過してヨーカドーまで。夫にどうしても行きたがると伝えると、もう一階のガチャガチャのとこいるというので向かう。向こうの角に夫の姿、子が駆けていくと陰からやまちゃんが出てきて驚かす。やっぱりさっきの後ろ姿はやまちゃんだった。4人てガチャガチャをしたり少し戯れて、私と子は帰る。街がほんのり麺つゆの匂いがする気がする。この静けさは嫌いじゃないけど今は自分も一緒になって静まれないからもどかしい。ファミマに寄ってお兄さんに良いお年をと言って家に帰る。夫はしばらくしてから帰ってきた。

晩ごはんに蕎麦。ブロードウェイ地下の惣菜はそんなに価格変動はさせていなかったらしい、ただエビ天は高い。たしかに普段から売ってる気もしない。特別夜更かしもさせずにいつも通り絵本を読んで寝かせる。紅白もおもしろ荘も観るにはみたけど全く気が休まらない。引越しのことがとにかく気が重い。やっぱり正月から引越しなんてするもんじゃない。