どうにもならない日

こんなはずじゃなかった2020年からの生きる記録

2020年12月14日〜12月20日

12/14

委員会の日。作業する部屋に靴を持ち込む。出入りしている礼拝堂では子ども達が毎日式の練習をしている。ひとりで歌うパートがある子なのか、何度も歌わされている声が聞こえてきたり、自由遊びを尊重する方針の園だけど、これだけはきっちり仕込まれる。作業を終えてホールに出ると、一見ぽぽちゃん人形みたいなイエス様である赤ちゃんが椅子の上にぽつんと置かれていてギョッとする。イエス様、ちょっと肌の色が黒いのがまた良い。昨日教えられた家を見に行く。商店街を進み少し脇に入ったところ、小さな住宅がぎゅっと詰まっていて、そこだけ下町みたいな、墨田区みたいになってる。一発逆転は無い。あと半年あるけど早くから探していないと良いところが見つからないかもしれないと思って探し出してしまったからこんなことに。もっとギリギリまで構えていればよかったのだろうか。まだ決心がつかない。

午前保育。12時までの小児科に行くつもりで急いでお迎えに。マスクのなかをみるとやっぱり黄色い鼻水が少し付着してる。公園行ってもいいからその前に病院寄ろうねといってすぐそばのいつもの小児科へ駆け込む。「なんだ目の下にクマがあるじゃないか」と先生が言う。やはり睡眠が足りてないのかとドキリとすると、クマがある子はアレルギーもちだとのこと。お母さんもそうだったろう、だからこの子もそのはずだ、でも今日のはまぁ風邪だな、と続ける。自分が気温の変化やちょっとしたことでも不調になりやすいとは思っていたけど、それが子どもにもしっかりと継承されてしまうことはあまり考えていなかった。まだ本人は無自覚だけど、もっと成長したら違和感に小さな苛立ちを感じたりするのかもしれないと思うと申し訳なくなる。会計のところに、「ねないこだれだ」の絵が大きく描かれたせなけいこ展のチラシと招待券が。頂いていいんですか?と聞くとどうぞと言われたけど、少し気が引けて招待券2枚と期間限定招待券を1枚貰う。年末から年始にかけての展示。そもそも引越しでそんな余裕があるのか、銀座まで電車に乗る気力がもてるか、自信がないところだけどせっかくの機会。この一年子ども向けの展示に何ひとつ行けなかった。コロナのはじまりは、中止になったり延期になったりだったけど、世の中がこうして決断しているということは、動いても良いとされているのかなと思ってしまう。すでに公園に集まっている人の中にシートを広げて荷物を置いてから近くのコンビニに買い物。みーちゃんが食べてたのを真似てカニぱん。今日も寒くなってきた。2時前に解散。

この二週間は毎日チョコレートのアドベントカレンダーと自分手作りのアドベントカレンダーを開くのを忘れず楽しみにしている。手作りのアドベントカレンダーは本当に素晴らしい。年間通して眺めていたい。最後の24日の窓にはイエス様が生まれた絵。「イエス様って男の子だって知ってた?」「ローストチキンって知ってる?」「今日最後のローソクに火がついたんだよ」と、クリスマスにまつわる色々を着実に学んでいる。

夕方4時頃、今日の処方された薬を取りに出なきゃならない。商店街の福引を見に行こうと言って子を連れ出す。配布が明日までとは分かっていたけど、商店街の入り口に福引所の垂れ幕が掛かっている。いつも通り八百屋で買い物しながらもう抽選もやってたんですねーとおばちゃんに言うと、あと何枚?と言って買った金額関係なく引けるだけ券をくれる。思えば子が生まれて毎年参加してきた。あの頃はあまり認知されていなかったのか、とにかく客寄せのためにやらせてもらえているような時もあって、そんな時はハズレてもリンゴをサンタクロースに見立てた参加賞を貰えた。それを子が喜んだから次の年も楽しみにしていたら当たってしまって、その商店街で使えるお食事券。とはいえ店も無い。家族ではじめて魚の定食屋で食事をした。その次は去年。ちょうど子が八百屋で買い物を覚えた頃で、おまけもあってたくさん福引券を貰っていた。いつのまにかリンゴサンタの残念賞は無くなっていたけど特賞を出す。五千円分、いやそれ以上だったか、その金券で子は八百屋で満足に買い物をした。そして今年。段々人気になってきたのか枚数通りにしか福引はさせてもらえなかったけど、たった一回で二等を出す。二千円分の金券。これでまた八百屋で買い物をする冬になった。スーパーに寄ってから帰ると、不動産屋からメール。審査が通ったとのこと。これでいよいよ決めなきゃならない。

 

12/15

久しぶりに夫の送りが許される。というのも今日は矯正日。歯医者の日だといえば納得してくれる。矯正は終わりが見えてきた。普通の歯科治療挟んでワイヤーを外すというハプニングもあったけど予定通り二年ほどで完了。あんなに悪いと思っていた歯並びも、こうして矯正してみると実際はそんなにとんでもないものじゃなかったのかなという気になった。前回来た時は下の歯、最近は上の歯が痛む。また歯の治療になるのか怖々と先生に話すと、ふむふむ聞きながら歯磨きをしてくれて、これより強く磨いているならそのせいだと思うと言われる。歯間ブラシも、髪でいえばトリートメントのように、特別なケアとしてたまににしないとダメだらしい。虫歯の痛みじゃないならそれでいい。次に来る時は引っ越していると思いますと話すと、患者さんで近々引っ越しという人これで三人目だわ、とのこと。ここまで重なることは滅多にないらしい。年の瀬の引っ越しもあることなんだなと少し気持ちが励まされる。

お迎えのとき先生に、明日は撮影だからいつもよりちょっと髪の毛をぴっしり結いてきてくださいね、と言われる。確かに、子はだいたい帰りには髪が乱れまくっている。今年はリハーサル日に業者の人に入ってもらって動画撮影をするのだ。そのままいつも通り公園。髪の毛の話を皆んなにすると、服装のことを言われた人もいて、そういえば結局どんな服装がいいんだっけ?という話題に。直接子どもが先生から言われたことも併せるとつまりは、黒や紺など地味な色、または白、柄はできるだけ無し、靴下こそ柄は無し、スカート、ワンピースもいいけど膝丈までか、または脱ぎ着が出来るように。今日先生に言われるまで忘れてたから明日気をつけないと。家に帰ってからもクラスLINEで公園にいなかった人が服装について質問していて皆が答えたり、の最中に、この騒ぎを知ったかのように園から公式メールで服装について連絡が入る。この礼拝だけは、園も子どもに合わせるでなく唯一、私達のやり方に従いなさいという意思を感じるイベント。

審査の通った物件は1月4日から家賃発生という話。今日中にどうするかの決定を連絡しなきゃならない。夫は決めよう!ときっぱり一言でしかいわないけど、私はこれまで数々の不動産屋と話して分かったことを思い出す。緊急事態宣言のはじめは確かに動きが止まったけど、2ヶ月もすればいつも通りになっていったし、在宅勤務の形態が増えて住環境を変えようと小さな動きはむしろ増えていたりもするということ。逆に春の転勤等の動きはどうなるか分からないということ。通常だとその頃には空き予定で情報サイトにアップしたら内見ができなくてもその時点で申し込みが入って決まっていってしまうだとか、同じ物件でも繁忙期には敷礼や家賃があがることだってあるらしい。そんな諸々を考えると今決めておいた方がいいだろうと自分に言い聞かせてようやく前向きになる。そうと決まれば再び引っ越し業者の選択。いくつかの有名な会社に絞って問い合わせてサービスを書き出す。前にこのマンションで引っ越す人のエレベーターの養生を見たことがあるから子はパンダのところがいいと言ってはいる。しかし荷物の多い我が家は段ボールの数も重要。サカイは50枚以上は有料、アートとアリさんは50枚以上はリサイクルのであればサービスしますよ、とのことで、残念だけどサカイは落ちてアートとアリさんで見積もりを取ることにした。これは電話口のオペレーターの機転にも関わるんだろうなとは思ったけど消去法でいかなきゃ決められない。夫がこのマンションの大家である荻窪の会社に退去にあたっての話をするため電話をして、こないだのママの話の探りをいれると、やはりここは取り壊さないことが判明。うちは階下の住人とのトラブルで他の住人より余計に大家とは連絡をとってきて、その問題を乗り越えてからはもう戦友のような気持ちだ。貸主と借主という関係ではないような距離感でお喋りができる。夫はすぐに上階に住む友人に情報共有。友人は虚偽だと言って怒っているようだけど、私はもう怒る気になれない。いくら足掻いていても終わりはくる。終わりに向かうものを見つめるのが苦手だ。

夜になって急になんだか体調が悪くなる。お風呂も寝かしつけも夫に押し付けて悶えた。

 

12/16

子の意識も高く、いつもより早く食べ、早く着替えるといい、シャキシャキしている。天使の役だから地味な色の服といっても白にした。髪は長い部分を三つ編みでキュッとして乱れないようにきっちり結く。いつも着ている服でも組み合わせで発表会みたいな雰囲気にはなった。我が子はこれまでもずっと緊張している様子は見えなかったから、今のところ前に出て何かやることに抵抗はないのかなという感じ。とはいえ、いつもより早めに連れて行って健闘を祈る。

帰って朝から引っ越し業者に見積もり依頼。まずアートに午前中きてもらい、午後にアリさんを予約した。荷物の量は圧倒的に夫が多い。夫も同席してアートを待ち構える。その前に私もここの大家に電話。今までお世話になりましたと挨拶。貸主とこんな距離感で付き合うのははじめて。向こうも会社で仕事だから話しやすいのかもしれない。夫に聞いたのだけど、とこれからのことを私は根掘り葉掘りきくと、取り壊しでなく各部屋のサイズはこのままにフルリフォーム、早くて全戸撤退から半年後再開を予定している、その後は常に定借にして、いつかは壊すつもりでいるとのこと。よくよく分かった。その後戻っていただけるなら大歓迎だけど今はとにかく何も決まっていないとのこと。ざっと一年後の話。賃料はほとんど変わらないはずとその人は言うけど、フルリフォームするということは絶対いまより上がらなきゃ変だよねと結論づける。夫はまたすぐさま友人に共有。そうこうしてると見積もり時間。やってきたのはパンツスーツの女性。私はてっきり現場百戦錬磨のような人が来て、この物量ならああだこうだと話し合うのかと思っていた。スーツの女性はタブレットを出して話しながらザッと部屋に目を配るだけで何か打ち込んでいき、転居先までのマップを確認するまでもなく見積もりをする。あらかじめ決まってたんじゃないかと疑いたくなる流れ。出された数字は13万。夫も私も「あ〜…」としか言えない。そこも想定内のようにスラスラとこれをどれだけ下げられるかの提案をしてくる。夫は段々飲まれていくけど、私は今はじめての見積もりだからなんとも言えないと渋る。すると女性はこの人達は何を期待しているんだろうと言わんばかりの顔つきで、やることは同じなのでどこもそんな変わりませんよ、とピシャリと言い放つ。9万になれば他所の見積もりも断ってもらえますか?と切り出してきた。10万をきるなら妥当なのかもしれないと思えてくる。これもひとつのパフォーマンスのように目の前で会社だかに電話をかけて交渉してみせてくる。強い人だった。少し褒めると感情が見えないくらいの完璧な笑顔でハキハキと、ありがとうございます!といってのける。9万で手打ち。もう他と比べることもできない。お気軽に見積もりを、なんていう宣伝文句は実際には通用しなかった。彼女が帰ったあと、私と夫はただただ彼女の仕事ぶりに圧倒されて、いやぁ凄かったねとしか言えなかった。アリさんマークの見積りも気になるとこだけど、もうアートでキャンセルができない。はなから依頼できないのを分かってるのに来てもらうのはやっぱりさすがに気が引けるから、予定が変わりましたと言って断る。

お迎えに行き、いつも通り園庭にいる他大人となんとなくの挨拶を交わす、とよく見るとなんと春に辞めた年少の時の先生。来ちゃいました、と言って笑う。地元の長野に帰ってからも、園との繋がりは続けてくれていて、園にぶどうを送ってくれたり、バザーで売る手作り作品を提供してくれたりしていた。辞めることが報告された時から運動会には見に来るからねと言っていたけど、結局そうもいかなかった。そういえば少し前に子が、先生が来るんだよ、と言っていて、そうなるといいねと希望を先生が園で話してるだけかと思っていたら、事実だったのか。皆んな大きくなっていて、当然なんだけど驚いています、とのことだった。先生が地元で職につくか、子供が出来るか、先生のことを知っている今の我が子の代が卒園するまでは、この関係を続けてくれるのかもしれない。今日でお弁当は終わり。礼拝は2グループに分かれていて、うちは明日休み。次の日礼拝。来週は毎日午前保育。徐々に休み前のモードになっていくけどそんな気分になれない。

図書館のお話し会、先週いたママが最後の挨拶をしていたけど本当に?その時そこにいなかった仲良しのママ友に連絡すると、あるよね?と、予定表の写真を送ってくれる。行きたがらない子をどうにかけしかけて向かう。行ったら行ったで良い子のように座って話を聞く態勢をとる。返却できればいいから嫌だったらもう出てもいいんだよ、と囁いても首を振る。今日はお話の上手な方が来ていて、感情のこもった紙芝居や最後にマジックを見せてくれる。前に別の図書館のお話し会に行っているママが、なぜか劇団員とかが多い地域だと、ただのお話し会が劇場みたいになることがあると言っていたことを思い出す。その後もお友達と少し遊びながら絵本を読み、私は引っ越しに関連する絵本を選んでみる。子はクリスマスの本を選んだ。だいたいこの時間に東京の今日の感染者数のLINEがはいる。678人。ぞっとする。感染する人数が増えて広まりまくった末端では症状が大したことなかったりするのかしらと思ったりするけど、そんなわけはない。絶対感染したくない。4時前に図書館を出て阿佐ヶ谷の家電王に行き中古冷蔵庫の価格を見に行く。夫は松本さんの店を見に行くとのこと。知り合いだと融通がきくとのこともやまちゃんから聞いているらしい。大体中古の値段を把握したところで子は歌いながら借りてきた絵本を自分で眺めていて、これはもう寝るなと確信。ゆるゆる走り出すと案の定寝たから私も高円寺へ向かう。北中に入ると松本さんの店に向かう夫を発見、しかし店は休み。一緒に庚申通りの家電王へ。なかなか良いサイズ感の物は無い。夫と分かれて帰る。環七まで来た頃に子が起きた。これからは自転車を停めるのもままならないから、こうなっても無理やり起こすしかない。今までは気候さえよければ駐輪場に停めて寝かせておけた。マンションのエレベーターで美容師さんママに遭遇。引っ越しどう?という話。でも実はここ取り壊さないらしいですね、と、うちからその話が回り回って返ってきた。こんななかいち早く引っ越ししなきゃならなくなったことも不安でたまらない。

 

12/17

子、休み。朝から宅配の牛乳が届いている。廊下に見に行ってみなというと、箱を開けて嬉しそうにしている。一回でもやってみてよかった。6本にサービスの2種を合わせると思った以上に多い。子は自分の物と分かったのか、コーヒー牛乳とフルーツミルクの瓶だけ抱えてきた。

ワークショップの残りの素材でようやくリース作り。私がやり出すと協力はしてくれる。やっぱりまだ自分だけで作るのは難しい。残り素材でも意外と形になった。夫が新居の窓枠などの採寸に行っている。お昼ごはんにサイゼリヤで待ち合わせ。意外と平日のこの時間では来ないから私は珍しくランチセットにしてみる。余計なことは一切したくない子に、銭天堂みたいな駄菓子屋に行こうといって連れ回す。再度松本さんの店。あいにく良いサイズの冷蔵庫は無し。早稲田通りにできた瀧ちゃんへ。青梅街道の瀧ちゃんより雰囲気がよい。木目調の店内だし大人向けっぽいゲーム機がないからか。店員さんも若い女の子で、私の好きだった90年代の若者向け駄菓子屋感がある。店内を行ったり来たりして、ねり消しと、当たりくじ付きの菓子をいくつか買う。こっちまでやってきた時はサンカクヤマ。本当はいけないんだけど、また夫の自転車に子が乗っていってしまったから私だけ店にはいる。ロバートサブダの仕掛け絵本がメルカリよりずっと安い。どれだけ傷みがあるのかまでは見えないけど、お店の人は向かいの店の人と外でお喋りしていて、買わないかもしれないから割って入ってまで聞くのも気が引けて退散。また子を連れて見に行くとする。トレファクにも寄ってアウターをみる。洗いやすいアウターが欲しいなと思いながらも気がつけばジャーナルスタンダードの黒のチェスターコートを熱心に品定めしてしまう自分。安い!明日の礼拝に良いかもしれないという気持ちでいっぱい。でもネイビーのコートがあるんだから、礼拝は気にするな!ともう一人の自分が必死に言い聞かせて店を出る。今日の感染者数は800人を超えた。トレファクの店員さんは売り場ではビニール手袋をして服を整理していていた。帰って夫にコートを諦めた話をすると明日からモードオフが30%オフセールだよと言われる。買い物に行こうよと誘っても知らん顔して家で遊んでいると、夫が作業に集中できないらしく少し苛つきながら、買い物行ってきなよと優しく子に言うけど、言えば言うほど頑なになる。前にセントラルパークで描いた絵がランタンに飾られているはずなことを思い出した。それを見に行こうと誘うと5時過ぎに、行く!とようやくその気になる。セントラルパークはビル風で寒い寒い。ランタンを見つけて写真を撮って早々と退散。今日はカレーにしようと話しながら福引の金券で八百屋で買い物。街中やマンションのエレベーターで子どもが声をかけられても受け答えをしないことがある。保護者会で聞いた靴屋のマルチンの話を思い出して最近はそれに対して「今のが実はサンタさんで、良い子かどうか見に来たのかもしれないよ?」と脅してハッとさせている。

お風呂でまたページェントの歌。「明日上手にやるから、見ててね」と、こちらを真っ直ぐに見て言ってくる。この子はほんと私とは違うなぁとあらためて。

 

12/18

二日前と同じく少しだけピシッとした気持ちでいつもより早めに出る。保護者はまた後で礼拝の時間になったら園へ行く。こちらも例年通り少し正装をするようにとのこと。昨日の夜から耳たぶの後ろ側が小さなコブのように腫れていて触れると痛い。ネットですぐさま調べたら緊急性は無いようだけど痛いからどうにかしたい。よりによってまたこのタイミング。去年のこのページェントの日、まだ分からぬインフルエンザの前兆でクラクラしていた。その時のことを思い出すだけで今回も何かあるんじゃないかと体調が余計に悪い気がしてきてしまう。気を振り絞って着替え、少し痛む耳に滅多にしないイヤリングをつけて向かう。前列は年長の母、私達は二列目。式のはじめに園長の話。昔読んだ絵本だとかなんとか。神様が生まれることになって、四季が自分の季節はいかに盛大にお祝いできるかを話し合う。春夏秋、それぞれ色とりどりの特徴があるけれど冬は何もない。あるのは枯れた木だけです、と申し訳なさそうにする、その冬を選んで神様はお生まれになりました、という話。そうして子供達が入ってきて式がはじまる。イエス様誕生の物語。「私は預言者イザヤです。」いつも好き勝手なことばかりしている幼稚園の子供達が、そんなセリフを語れるだけでもう喉の奥がツンとなる。誰かが一言発する度に、年長ママのすすり泣きが聞こえてきて、それでまたつられ泣きしそうになるのを必死に耐える。マスクがあってよかった。歌を織り交ぜながら劇は進む。この二年で気がついたけど、賛美歌の曲調はなんだかそれだけで泣きそうになるものがある。去年はじめてみた時から心を奪われて忘れられない、マリアと大天使ガブリエルの掛け合いの歌「おめでとうマリア」、一年を通して思い出してはよく口ずさんでいた。マリアの「私はいやしいただの娘です」という歌詞、子どもが歌うのがまたぐっときてしまう。マリアとヨセフが二人で講堂内をぐるりと歩きながら歌う「ふるさとは遠いまち」もしっとりしていて涙を誘う歌。結婚式よりも何よりも、男女のペアでこれ以上に泣けてしまう姿は一生で他にないと思う、マリアとヨセフ。ついこの前まで同じブランコで遊んでいたあの子とは思えない大人びた顔つき。我が子よりもやっぱり年長さんの姿に涙をそそられる。宿屋の歌は軽快で良い。子どもにも人気で、公園遊び中にもこの歌は何度も聴いた。天使、ひつじかい、博士。年少さんは皆んなでひつじ。これは可愛さしかない。あれ、なんか去年よりしっかり内容を観れているなと思ったら、体調の良し悪しもあったかもだけど去年は大人のコーラスもあって自分も気を張らなきゃならなくてそれどころじゃなかったというのもある。今年は落ち着いてじっくり観れた。我が子の天使チームのひとりが急遽休みで、そんなイレギュラーな事態に我が子が戸惑わないか心配になったけど、案外気にせずこなせていた様子。よかった。終わり次第帰り。この耳の痛みの感じは調べたところ耳鼻科みたいだったから、帰り道に行ってみると金曜午前は休診。がっかり。午後には行ける気がしないからすでに諦める。クリスマス礼拝でクリスマス意識が高まってる子は最近よく「ローストチキンて知ってる?」とやたら言ってくる。クリスマスはそれを食べるんだよ、と言われるけど、ケンタッキーとかモスの揚げたチキンの方が美味しいんだよなぁと、子どもの頃、多分時代的にかぶれた親が丸焼のターキーを手に入れて、クランベリーソースをかけて食べるんだといって、形ばかりそれっぽいことやった苦い記憶が蘇る。

午後2時ごろ、前日グループだから二日会っていないみーちゃん、居るかな〜?といって久しぶりにボロボロのキックボードで公園へ向かう。そんな都合よくみーちゃんは居なくて、広い公園を一周、小さい公園方面へ向かうところで夫から電話。ついでの新宿の家電量販店で冷蔵庫みてるけど、ポイントバックやらキャンペーンを合わせると中古と変わらない価格で買えそう、だから見にこないかとのこと。平日に電車に乗るのがまた怖く感じてしまう。もう平日のラッシュも無い世界なのかもしれないけど以前の日常かもしれない。だとしても今ならギリギリそんな時間に被らずに行けるから今しかない。子はクリスマスプレゼントを下見しようと誘ってどうにか電車に駆け込む。2つ隣りの駅から子の隣にマスクをしてない男性が座ってきて嫌な気持ちに。例えば服着てないキケンな人以上にマスクしてない人が怖い。二人身を寄せ合いながら早く早くと新宿で一度降りたもののやっぱり車両を替えてもう一駅。ビックロの冷蔵庫売り場ですでに夫が目星つけたものの話を聞きながら再度選び直し。結局最初に決めてたいま使用している冷蔵庫に近い造りで安心できるものよりも、本体価格はするけどバック分が大きくその一番よりも安くなるパナソニックのやつにした。手続きがまた長いので子と先におもちゃ売り場へ。久しぶりに多くのおもちゃに触れた子は手当たり次第にこれがいい、これにする、と乗り替えていくから、やっぱり特別欲しいものは無いんじゃないかと思える。キックボードはキャラクターものばかりで他はあれば自転車売り場だと言われる。移動。なんだか良質な高価なものしか無い。ようやく夫もやってきて案内するとウーーンとなり終わり。夫と別れて電車。行きに比べると帰りの方が空いていた。ファミマに寄ってお兄さんに話しかけに行く。「昨日おねえさん来てたんだよ、給料取りに来てた」とのこと。あちゃー、あれ昨日何やってたっけ?とか言いながら、私達も引っ越しが決まりました、と報告。ここ取り壊さないって、聞いた?お店どうなるって?というと、でもお店は終わりです、とのこと。そういえば、ここが無くなると大通りを挟んだこっち側にはコンビニが無くなってしまう。コンビニが無い駅前、想像がつかない。幼稚園はまだ続くから、この前は通るからねと言うと、お兄さんは子に、じゃあ手振ってね、と言ってくれた。昨日剪定していたこの通りに続くイチョウの木。まだ葉のついた枝を拾って遊び出すから、どうせならキックボードで新居までどれくらいか行ってみることにした。家の隣りのアパートの室外機の上に猫が座っているのを子が発見。この辺りは外猫が多いらしい。さらに脇のマンションの植え込みで貝殻を拾い、どうしても持ち帰るといってキックボードのカゴに入れる。買い替えるにしてもカゴが付いてるのが便利でいいな。またボロいキックボードをガラガラいわせながら帰宅。Eテレをみてると地震速報。子は隠れなきゃ、と狭いテーブルの下に潜り込む。揺れは感じずに過ぎたけれど、画面上にはまだ地図が表示されていて子は頭を隠したまま。テレビをあちこち替えてみると、ミュウツーの逆襲がやっている。それをつけると大人しく観ていた。しばらくしてふと顔を上げると子が泣いていた。これもそんな話なのか?また子が涙する話を見そびれた。見てないふりしてごまかしてみたけど、子が私の方をちらちら見ながら、泣いちゃったよと白状してきた。

寝る前に読む絵本、子が選んだ「クリスマスのほし」。ページェントの劇の一部と同じような内容であることは1ページ目でわかった。子もそれに気づいたらしく、それらしいワードが出るたびに。私には何を言っているんだか分からないセリフのような言葉をつらつらと話しだしたりして恐れ入る。

 

12/19

土曜の朝のしまじろう、残すところ10分くらいになると、おさるのジョージに切り替える。途中からだけど、ジョージがアパートメント内で猫の世話をするという話みたい。前から思ってるけどジョージの家が理想。場所も、中にいる人との関係も、あんなふうなところに住みたい。ここも管理人がいて、お正月には入り口に謹賀新年の紙が貼られる感じとか好きだった。いつも誰かがいるのがよかった。家、思い出を重ねるだけつらくなる。

子が「あ〜、ずいぶんみーちゃんに会ってないなぁ」と言って折り紙の裏に手紙を書き出す。字も絵も描けるようになってきた女の子達は幼稚園でお手紙をあげあったりしている。大体みんな、「いつもだいすき」と書いている。子がみーちゃんに書いたものをみると「だいすきだよ」と、鏡文字になってはいるけどなんとか読める、「いつも こころは つながてる」いつも心は繋がっている。おお。言うことがキリスト教幼稚園の子どもっぽい。みーちゃんに渡すんだと言ってカバンにしまう。そういえばみーちゃんが書いたものはまだ見たことない。

昼前に夫は新居へ、買った冷蔵庫が置けるか怪しんで寸法を測りに行った。私は耳鼻科に行きたい。それまでに帰ってと言っていたのに、何か違うことをしていたらしく、連絡すると今新居に着いたとか言う。診察終了まであと30分をきった。手紙をいれたカバンがあるから前向きに外に出たくてキックボードに乗った子を連れて新居まで行き、子を置いて私は耳鼻科へ。午前診察しかない土曜は混んでいるかと思ったらガラリとしていてホッとする。受付には卒園した子のお母さん。ここで働いていることは知っていた。お久しぶりです、と声をかけると、諸々の処理を終えたところで、幼稚園の皆んなは元気ですか?と話しかけてくれた。昨日ページェントでした、と話すと、あ〜そっかそんな時期でしたねぇと、少し園の話。診察に呼ばれて中断。耳はマスクのせいかなぁと言われたり、そんな大事ではないことは分かった。受付のお母さんは引き続き幼稚園の状況を気にかけてくれた。今年はカレーが無くなって子供達はガッカリしてますと告げると、ああっと残念そうな顔。そういえば彼女とはカレー当番が一緒だった。来月も一緒だからよろしくね、と挨拶したその来月は、もうコロナ騒動がはじまっていて、二回目の当番はできずに終わった。ついこの前のようでもう随分と前。一年何をやっていたんだろう。思い出らしい思い出がない。先生は、イベントが無いことで、日常の遊びが続いて、豊かにできるようになったのは良いことだったとよく話している。次はどんな一年を越せるのか。病院をあとにして夫に連絡すると公園で遊んでるとのこと。私はしめしめと家で休憩。一時間くらいして薬を取りに行きがてら、お昼ごはんはどうするか連絡すると、大丈夫、家でいいと、てことなら連れて帰れというと、モスで食べている写真。内緒にしてと言われたからと。モスに乗り込むと子はご機嫌で食べている。交代で夫が帰る。私もバーガーを頼むと子はそれも調子良く半分食べた。本当はこのままモードオフでも見に行きたかったけど一度帰りたいという子。帰ったらまた出れなくなるのも覚悟で帰る。なぜなら寒いから。仕方ない。借りた絵本の「くすのき団地へお引越し」を読む。くすのき団地というこれもシリーズでいくつか読んでいる。管理人と10階建てに住む生き物達との話。色んな職業の人がいて助け合っていて、中階にはレストランもあって、これまた理想の団地。今のマンション、まぁまぁこの感じに近い。そこにカエルが引っ越してくる話。やっぱりマンションっていい。引っ越し悪くないというつもりで引っ越しの話を借りたのに、これでは逆効果になってしまうのではと戦々恐々となる。

夕方、寒いけど食料の買い出しに行かなくてはならない。こないだ片付けていて見つけ出したしまじろうのひらがなビンゴカード。それをやろうというと喜んで外に出てきた。夫と三人でカードを分け、負けた人がポテトチップを買うことね、あと言うことをきくこと!と子が言い出す。商店街のなかをひらがなを探しながら歩く。パルのプロントのあたりで私はビンゴ、ガード下のむげん堂で子がビンゴ。夫がひとつ開かずに負けということに。そのままモードオフに行きたい私とごっちゃんのところへ行く夫。どっちについて行くか子に選ばせ、私は単身モードオフへ。いつ来てもモードオフでは少しも良いと思える物に出会えない。し、トレファクやセカストと比べると質がいまいちなのに高い気がする。配列もよくない気がする、見づらい。安くなるというから来たけどひとつも誘惑がなく退散。夫は業務スーパー、私と子はOKスーパーとわかれて買い物して帰宅。

 

12/20

今日引っ越しの段ボールが届く予定。朝から忙しく動いていた夫が11時頃ひとりでトイザらスへキックボードを見に行くといって出て行った。動く人がいなくなって私もせいせいしてようやく動き出せる。夫がいる限り私が子につきっきりして、夫のほうに子がいかないように気を引いている。いなけりゃ子が何してもいいから私だって動ける。夫に気を遣って私が何もやっていないことを夫は分かっているのだろうか。そうしてどんぐり村の絵本を読んでいた時に、付録のどんぐり新聞まで見て、そのどんぐり村のパン屋さんのモデルになった店が杉並にあることを知る。調べると下井草、行けなくない。そこまで行くなら、こないだ英語教育の子のパパが最近よく行くおすすめとして教えてくれた阿佐ヶ谷の公園にも行こうかと、これも調べてみると、子がもっと小さかった頃たまたま辿り着いて遊んだことある公園だった。大きな石の滑り台があって、奥の方へいくと小さい子向けの遊具があった。その時これまた偶然にちかいちゃんの息子さんが友達とここで遊んでいるのを見かけたのだった。パン屋と公園、この二箇所を提案すると子も喜んで出掛ける。夫から連絡。売ってるものはほぼ二輪。タイヤが光る光らない、耐荷重そして値段でも、これといったものがないらしい。一応私がネットで売っているもののリンクを送ると、これでいいじゃん、といって終わり。家を出たら向かいの部屋のおばさんに会った。向かいに住んでいてもそう簡単に会うことはない。年明け引っ越し決まりました、と話すと、あら、もう越すの?残念だわねぇ、と少し立ち話。マンションがリフォームされるだけらしい話になると、でもまた再契約でしょ?払わなくていいならいいけどと、そうか年寄りはいちいちこうしてゴネるものなのかと、発想が図々しいのはためになった。今日引っ越しの段ボールが来て不在だと廊下に置いていくのでご迷惑をお掛けしますというと、それは全然!といって気持ちよく手を振って別れた。まずは公園から。前は偶然だったからマップを開いて調べながら進む。近くまで来たら思い出した。懐かしい。でも石の滑り台は別素材の大きな滑り台に替わっていて、当時の覚えはないのだけど包まれるタイプのブランコもある。同じくらいの年頃の子が数人だけいてのびのび遊ぶ。それにしても木枯らしが吹いて寒い。それなのに走り回るでなく木々を拾っておままごとをはじめる。手が凍る。小学生も増えてきて、奥の日の当たる小さい子向けスペースの方まで行くと隣りの建物から音楽が聴こえてきて、よくみるとそこは朝鮮学校だった。小さくイベントみたいなことをしているのか、テントではキムチを売っているのがみえた。気になるけど入っていいのか分からず近づけず。寒さもピーク。パン屋さんへ移動。少し走るともう目的地。これが下井草だというなら阿佐ヶ谷にすごく近い西武線。パン屋は広い通りにぽつんと、でも確かな存在感で建っていた。ショーウィンドウにどんぐり村の絵本とキャラクターが描かれたパンが飾られている。その絵本に出てくるパンとかあるのかなと割と充実したホームページを見てきたけど、特別そんなことはしていないようだった。絵本を紹介してはいるけど実力勝負の自信がある感じ。昼時を過ぎたところでちょうど焼き上がり前なのか、奥でせっせと作業しているけれど売り場のパンは少なめだった。シンプルなパンと子がメロンパンやコロネを買う。もっと買いたかったけどパンは油断するととんでもない会計になってしまうから気が抜けない。公園を出るときからおにぎりが食べたいと言っていたけど、ひとまずパンを食べさせながら帰り道。高円寺まであっという間。西友によって子の好物のつや姫塩むすび。これまた家まで待てずに食べながら帰る。寒くて寄り道する気にもなれず帰宅。夫はネットでキックボードを調べていた。子に何色がいいか聞いている。ピンク!と思ったけどやっぱりかっこいいから青!と叫んでいて、まだ決めずに参考までに聞いただけかと思ったら、どうやら確定していたらしくてその後私と揉めることになる。三輪タイプにも色々あること、口コミをちゃんと見たのか、眠くて判断が怪しくなってる子のいうことを間に受けて大丈夫だったのか。どうなることやら。

もうすぐちびまる子ちゃん。一日が終わるのにまだ引っ越しの段ボールが来ない。センターに電話をすると現場の人から折り返しきて「あと15分で着きますけど?」となぜか、待てないの?とこっちが責められてるかのような口のききかたでなんか嫌な感じ。まるちゃんでゆず湯の話を観る。ゆずの代わりに用意したみかんの皮が捨てられてしまったり、永沢くんがくれたゆずもまた無くなっていくことにハラハラしながら観る。最後の一個、あたたかな気持ちで帰って終わるのかと思ったらまた1エピソード、雨が降ってきて自分を庇った時にゆずがコロコロ車に轢かれる。タクシーの運転手さんのアドバイスで銭湯にいって沢山のゆずに囲まれて家族でポカポカ。結果あたたかな終わり方の話。と、そこでピンポン、ようやく段ボールが届く。配送の人はこれ全部で100枚ですけど。どうします?と、ガックリきてるような調子で言ってくる。この人が当日くる人だと嫌だなと瞬時に思う。ちょうどそこに夫が帰ってきて、この人がどんな感じか何も知らない夫は笑顔で、あ、ここに下ろしますね、ありがとうございます!と言っていてムズムズした。