どうにもならない日

こんなはずじゃなかった2020年からの生きる記録

2021年7月7日〜7月9日

 7/7

ここ数日は熱海の土石流災害のニュースを観ては目が離せなくなる。安否不明者64人とかから27人とかにぐんと減っていて安堵すると同時に、これだけ時間が経っても存在が分からないままになってしまうことが辛くなって落ち込む。そうしてどうしてこうも毎日朝は半端な天気なのだか、すっきりしない。

今日は夫の誕生日で、ケーキかアイスケーキかと、数日前からずっと子が浮かれている。多分アイスケーキを自分が食べてみたくて、夫の希望をきいてる風だけど推してる感がすごい。当の夫はワクチンの副反応でまだ腕が痛いと嘆いていてもうなんでも良いといった感じ。そんな気持ちのところにうちのミニひまわりがついに咲き出した。子があまり世話をしないからどうなることかと思ったけど、とりあえずきれいに黄色が見えてきて良かった。

雨は上がっていて、お迎えのまま図書館に行くことも考えて返却絵本を持ってお迎えに行くも帰っておやつを食べるとのこと。最近は鉄砲玉のように飛び出してきて話も聞かずにお友達と走り出す、といったようなことがなくて、それはそれでなんだか寂しく思う。

図書館のお話し会に来ている面子は大体同じ。でも読んでくれる職員さんはしょっちゅう変わる。さらに今日は職業体験中の中学生もいて、紙芝居を読んでくれた男の子が声優にでもなれそうなポテンシャルでとても良かった。スタッフが変わったからなのか緊急事態宣言中ではないからなのか、手遊び歌や紙芝居だったりで時間も一時期より少しずつ長くとってくれるようになって、来た甲斐ある感じになれるこの頃。なんだかんだ継続されてる唯一のイベント。先週書いた短冊が飾られているのを皆んなで見る。本物の笹じゃないと形が安定してきれいにまとまっていてワクワクに欠けるが。その後はいつものように絵本を選び、今日はケーキ買いに行くんだからと言って早めに解散を促す。七夕である今日を皆んなが意識する度に子は、それと今日はお父さんの誕生日なの、と言いふらしていた。夫にケーキは決まったかと連絡する。買いに行ける範囲で選択肢を与えていた。結局トップスのケーキがいいと希望してきた。そうなる気はしていた。夫は昔からやっぱりトップスのチョコレートケーキが一番美味しいと言い続けている。中野まで自転車を走らせる。マルイ裏のお稲荷さんの通りいっぱいに七夕飾りがキラキラとしていて嬉しくなる。街を彩る季節の飾りとして好きなのは断然七夕。単に夏が好きというのもあるけど、この二年でなんだか夏に浮かれる気持ちも忘れかけてる。まずはピーコックで乾杯するための飲み物を買い、一階でトップスと、子の気持ちを汲んでサーティーワンを見比べる。ケーキを少し控えめにしてアイスをただのバラエティパックにしたら、アイスケーキを買うのと同じくらいの金額でケーキとアイスの両方を買える、という決断に至る。種類に迷うアイスをじっくり選んで先に買い、立て続けに急いでチョコケーキを買い、足早にマルイを出る。

ご飯の支度をして今日も先にお風呂にする。昨日ほどはベタつく感じはないけど子もこの流れを気に入っていた。スマホに速報、緊急事態宣言発令を調整と。全く馬鹿馬鹿しい。今日の東京の感染者数900人越えとか、もう何度同じこと繰り返してるんだろう、呆れる。この無意味な宣言によって、世の中では飲食店の酒類提供を一番問題視しているけど、私としては都内各地のちょっとしたレジャー施設、遊具施設などが利用制限されるかもしれないことが恨めしい。祭りごとはもうとっくに中止とされていて夏らしい夏が今年もなくて脱力しているところ、せめてもの特別な遊びになるはずの公園のミストシャワーだとか噴水といった水遊びも規制されるんだと思うと、我が子の最後の幼児期として心底悔しい。もう二度と取り戻せない、取り返すことができない時期。 63歳が65歳に、73歳が75歳になるのとはわけが違うんだよ。その70なん歳達のペースでこの一年二年の物事を測られているとか、腹立たしくて仕方ない。水風呂にして熱いシャワーを流し入れて遊びのようなお風呂にしてあげる。これでも喜んでくれるのが切ない。

夫が、一階の若い子と話したよ、と言いながら帰ってきた。夫がチャリじいにもらったプーさんのぬいぐるみを自転車のカゴに入れたまま忘れていたのが数日前。路上に停めたままにしていた自転車を何時間後だかに見た時、そのプーさんの入ったカゴに勝手にビニールで屋根が付けられていたらしく、夫はそれを「怖い」と言ってそのままにしていた。路上に停められた自転車のカゴに入ったプーさんを私も見たけど確かに異様だった。そして今日、ようやくプーさんを撤去、近くに置いておいたら今度は丸ごと盗まれてしまったらしい。そんなタイミングで遭遇した一階の若者、プーさんどうしたんすかと声をかけてきたとのこと。夫と並べて自転車を置いていることが多いウーバー配達員。数ヶ月も空き家のワケあり物件に入ってきた少し野暮ったい金髪の若者、気さくで印象は良かったみたいだった。その子の隣人もウーバー配達やってるし海外の人多いし夜逃げしてきた老人いるし、貧民街感ある我がアパート。今日うちに届いた区からの手紙、コロナの影響が長期化しているから子育て世帯の低所得家庭には特別給付金を出すとの知らせだった。まさに我が家もここに居るべくして居るのだ。

有吉の壁を観ながら乾杯、いつもの夕飯。早くケーキが食べたくてウズウズしている子、ろうそくを立てるんだ、自分が電気を消すんだ、とあれこれ面倒なことをしていた。寝る時間。常夜灯の暗がりにリズムモードの扇風機の音が懐かしく心地よい、小さな夏。夜中、外から変な声がする。よく耳を澄ますと猫の声。玄関を出てみるとすでに夫もスマホを構えてそこにいた。あそこ、と言われてみると後ろのキツキツに並んでいるアパートの隙間で少し距離をあけて2匹がアーオ、ナーオとやり合っている。2匹ともいつもこの辺りをウロウロしている猫達。こんな声がどこかでしてたら、そりゃあうちの猫のことも住民の皆さんも気にはしないかもなという気もする。見てる間にフギャーと一層激しく威嚇しあってドタバタしていた。暮らしがある、ささやかな夏。

 

7/8

なんだかんだ自転車で登園はできている。家に帰ったところからクラスLINEがはじまった。自分のかかりつけ医のところでワクチン接種の予約が可能ですよという誰かの報告をきっかけに、ワクチン接種の場所、状況について情報が行き交う。それによるとクリニックごとに予約のところは年齢制限がないということで、私より年上ですでに一回目を接種している人もいた。でもクリニックごとはそれぞれ予約の仕方も違うだろうし面倒な感じはある。同じファイザーならこのまま区の大規模接種の方が日にちも選べそうな気もする。夏休みまでは子の送迎が絶対だし神楽の舞台の日もあるし、私は接種は急がないことにした。だから区の予約状況によっては医療機関に変えてもいいし、まずは一回目を終えた夫に近場の会場で本当に二回目できるのかと予約を急かしたら、81日だけ空きがあるけど、あとはもう10月だ、とのこと。一回目すら打っていない私が見ても81日の空きは出てこない。予約受付開始日がきたら10月までにまたワクチン数は増えてくれるんだろうか。ルールも対応もいい加減になってしまっているくせに、ひとつも慌てる様子ない行政の態度が憎たらしい。

お迎えは歩きで。出てくるのを待ってる間に雨が思ったより本降りになる。子は工作でゴーグルを作っていて付けながら帰る。そのまま八百屋、スーパーで買い物。帰ってようやくゴーグルを外すと、頬のうえに跡がついていて、それがなんか永野芽郁ちゃんみたいで可愛い。芽郁ちゃんのあの皺、若いと気にしてしまいそうなのに自然にしているのが素敵だなと思う。むしろひと味違った可愛さとしてプラスに働くくらい素材が良いから気にしようがないか。録画した先週のスポンジボブを観たりしながらおやつ。ふと気がつくとクジラみたいな女の子がずっと喋っていてスポンジボブが出てこない。気になって観てると、その女の子が働きたくてモールに行って友達の働く店に聞いてみるけどどこも雇ってくれなくて、変なおばあちゃんの店に誘われて働き出したら友達に笑い者にされる。と、全然スポンジボブが出てこない。レア回。そしてストーリーも気になる。続き。皆んなにからかわれてもおばあちゃんの真似して楽しむクジラの女の子、でもおばあちゃんに、若いときは一生に一度、無理におばあちゃんにならなくていい、若いって事をもっと楽しまなくちゃと教えられて皆んなの元へ帰っていく。若い子の流行、競い合うような雰囲気にうまく乗れないくらいなら、おばあちゃんになるのはとっても楽。すごい分かる。おばあちゃんは誰にでも話しかけれるし、同じこと繰り返して話してれば成り立つから何も考えなくていいし、「出来ない」てことも仕方ないし、早くおばあちゃんになりたいなと思ったりもする。でも今は今しかない。年相応に楽しんでおかないと後ではもう出来なくなることもある。私が若い頃、スリムパンツにオーバーサイズのTシャツ、スニーカーが流行って、皆んなこぞってシマロンやピカデリーといったスキニージーンズを履いていた。少しあとで振り返った時に、服飾の専門学生でありながらあんな「普通」なファッションが流行するなんてつまらないものだったなと思っていたけど、今こそあのシンプルな服装でいいんじゃないかと思った頃にそのスタイルをしてみたら、若い時と違って全くファッショナブルさに欠けていた。シンプルだから歳上のものというわけでなく若いからこそオシャレになる場合もあるんだなと思い知ったものだ。良い話だった。

雨がすごい降り出したり止んだり。どこへも行かず家で遊ぶことに。ピンポンと人が来て玄関に近寄っていくと、隣りのばあさんが「たぶん居ないと思うわよ」と話してるのが聞こえた。ドアを開けると階段を降りかけていた人が戻ってきてこちらの用は済んだけど、隣り側は開けたドアで見えておらず、でも話し声が続いていて、ばあさんも玄関先で来客中というのが分かった。若い男性のようで馴れ馴れしい口調で、これだけだからさぁとお金の話をしているから聞き耳を立てる。それでも途切れ途切れにしか聞こえず話はみえない。世間話もしていて、途中環七を通った救急車だかのサイレンをきっかけに、ばあさんは「世田谷とか私は多分だめね、こういううるさいところじゃないと落ち着かないのよ、住宅街とか無理無理」ということを言ってる。これだから本当はうちがうるさくても気にしないでいてくれてるのかもしれない、と思ったり。しばらくして結局ばあさんがいくらか払ったのか何なのかは全く分からないけど、男性は「ありがと、助かるよ。じゃあね、また自分がこの辺きた時は顔出すよ」とか妙に甘えた感じ、なんだかまるでオレオレ詐欺。なんだったんだろう。

今夜も起きて夫に今日の出来事を報告。ブッシュバッシュのデラシネTシャツを買ったことなど。

 

7/9

また朝から雨。夫が早くから動いている気配はあって、また玄関外階段に座ってるのかと思いきやいない。朝からどこへ行ったのか。7時過ぎにLINEをしても既読にならない。8時前に電話すると、仕事のピックアップがあって、の後は言いづらそうに口早に、あのちょっと歩いてる、と言う。そんな余計に歩いてる余裕あるなら子を送りながら歩けばいいじゃんというと慌て気味に、あぁ送り行くよ行くよ、いま帰ると電話を終えた。普段から忙しい忙しいと言ってるけど仕事だけでなく自分の時間もしっかり確保しての忙しい、なんじゃないのかと思う。やりたくないこともしていて忙しいのと、やりたいことしていて忙しいでは全然意味違う。1日約4時間、子が園に行っている時間と睡眠時間を我慢した分が私の時間、それで充分と思わないといけないのだろうか。私がそれだけの時間で満足するかどうかと、だから夫が子に対して何もしなくていい、というのは違う気もするし。ともかく私もじっくり何かしたいことがある時は不満に思うということ。送りを夫が行く、それだけで20分はプラスの時間。で何かするのかと言われてもこの時間はスカイハイのオーディション。今日は一名の脱落者がわかる。テンくん、スカイハイに憧れてこの道を志した子で、ラップがスカイハイに引っ張られがちだからもっとオリジナルにできるようにというのが課題だった。そして脱落。スカイハイがテンに向き合って語る。アーティストの個性というのは何からも影響されないものであるのと同時に、いろんなものに影響された結果であるという。だからテンは自分を追い込み過ぎないで、たまには心の栄養を与えてほしいとのこと。スカイハイ凄すぎる。AAAといったらなんかちょっと子供騙しな感じあったけどスカイハイの本物感。

お迎え。園舎から飛び出してきた途端に子が「オリンピックって知ってる?」と意気揚々と言ってくる。世界中の強い人がたくさん集まって競争するんだって、凄いんだってとオリンピックを教えられたらしい。楽しみだねと言っている。いま私達のいる日本でここで、というのをそうして教えられたらそう思うものなのか。私はオリンピックを魅力に思ったことただの一度もない。ファミマでカルピスフラッペを買っていくことにしたら、いつものお兄さんがレジに慌てて飛んできて、ミルクがまだできてないです、5分くらいかかるかもです、と教えてくれる。もう買ってしまったし、子もどうしても今だというので、店内をうろうろして待つことにした。お兄さんもマシーンの状態をそばで気にしてくれていてランプがついた途端に、出来ます!と声をかけてくれた。帰りがけに、お待たせして申し訳ありませんでした、とチョコクレープを2つくれた。逆にラッキー。ファミマを出ると以前のマンションの同フロアの住人。といっても彼は仕事場としてここにいる。どうですかと聞くと、今朝も一人出ていったみたい、隣りの方も決まったけど片付けが大変でと言ってたとのこと。あの猫おばさん、ついに越すのか。私と同世代の子をここで育ててきた。ここにきてこんなことになるとはまさかだっただろうけど、そのまさかがあるのも賃貸マンションの無慈悲なところ。猫3匹連れてどこへ行くのだろう。越すまでにまた会えたら声かけたい。

おやつを食べたり3時過ぎにママ友に連絡してプラザへ歩きで向かう。一階のネパールの赤ちゃんがパパの外出を見送りしてキャイキャイ声をあげているところに会う。一歳になったとのこと。バイバイして歩き出してからハッとした、今度プラザのことを教えてあげよう、そんな遊び場があるとか知ってるかな。プラザで先生が手作りして新たに導入された道具の新体操のリボン、子がやり出したらハマってハマって、お友達がいるから行くといって来たのに、最後までずっとひとりリボンをやっていた。リボンの長さを変えた大人用で私もずっとやる羽目になって、頭のなかはいとうあさこで「南、イライラする」と言ってしまいそうだった。

帰りはようやく友達と出る。帰ってごはんを食べながらクックルンをみていると流しそうめんをやっていて、いいなぁ年少さんの時やったなぁと目を輝かせていて、幼稚園に行っていてもそんなイベントも結局一度しかできなかったんだなと悔しくなる。流れるそうめんの機械、明日買おうかとつい言ってしまった。この家は相変わらず全然片付かないけどそれくらい置く場所はあると思う。テレビのチャンネルをあれこれまわしていつも動物番組やってるはずのところがバスケの国際試合をやってる。え〜とブーイング、だけどオリンピックがやるっていうのはこういうことだよ、と教えておいた。

今週はバケモノの子を観たい観たいというけど今日はあんなにリボンをやったから絶対疲れてる。子もすんなり諦めたところをみるとやっぱり疲れてる。夫は私達がお風呂を出ても戻らなかった。そういえば家にいた時に、今日やまちゃんからさぁ、と言いかけたところで話が終わってそのままになっていたことを思い出した。やまちゃんとどこか行ってるのだろうかと思ったら、ごっちゃんのところ、帰ると返信があって、そのまま夜中まで戻らなかったっぽい。