どうにもならない日

こんなはずじゃなかった2020年からの生きる記録

2021年8月23日〜8月26日

8/23

今日も朝から区役所に行くつもり。空模様が怪しい。夫、と書いていたけれど正式には夫じゃないし、子の父親とでもこれからは書こうか。子の父親は起きてくるなり何時に行くの?と言いながら出掛ける支度をしている。一応9時半くらいかなと言うとすぐ帰ると言って出て行った。お天気レーダーを確認するとザッとひと雨くるみたいで、雨が降るみたいだから落ち着いてからでいいよと後からLINEもしておく。夫が戻った頃に義理母から電話。電話きたよ、どーすんの?と無感情に夫に言う。出ていいよと言われた時には切れた。先に夫にもかかってきていたらしく折り返していた。うちの親が夫に連絡する事などないみたいだけど、相手の親は私にも連絡してくることがある。離婚したんだから、私は関係ないから連絡しなくていいと言ってくれればいいのに。言えないのか?そんな覚悟がないのによく離婚と騒ぎ立ててきたな。

10時前には雨もあがって区役所へと急ぐ。こないだ言われた通りの流れで手続きはスムーズだったけど手配されるまですごい待たされる。だんだん窓口のボソボソ話す男性に不信感がわいてくる。こないだの女性と違って積極的に話してくれなかったこととか、仕事できているのか疑いたくなってくる。もうすぐ一時間というところでしびれを切らして案内の人に問い合わせにいくと、さすがに一時間は長いらしく、すぐにカウンターに繋げてくれて、そのなかではどこだどこだといった感じに慌ただしく動いてくれて、パッと書類がやってきた。ちょうど今できました、と言われて本当はどうなのか分からないけど、言ってみてよかった。もうお昼をまわっていた。子の父親には準備してあるお弁当を食べさせといてほしい、と連絡。わかった!と気持ち良い返信。次は保育課へ。担当してくれた方が新人らしく、ひとつ聞いてはいちいち奥に引っ込んで教えられながら進める練習台にされてる感じで、急ぎたい私はモヤモヤ。父親というのが変わらない以上、委任状を書いてもらい申請しなくては私に切り替わることではないらしく、その書類をもらって隣りの医療証などの手続きまでまわる。子育ての給付金も住居が同じ場合、基本的には所得がある方の親に手当することになっていると言われるけど、私に切り替える委任状を用意してもらう。待っているとエレベーターから杖をついたおばあちゃんが降りてきて、12番窓口って…とウロウロ、ちょうど通りかかったさっきの新人さんが声をかけるも、やはり何も分からずこちらのカウンターの人にヘルプしてきて皆んな揃ってワタワタしている。と、おばあさんはもういい、もういい、と声を張り上げながらエレベーターに戻っていって、何やらおかしいぞと思った通り、こんなところ!どうせ何もしてくれないんだから!お金取るだけ取って!と思いの丈をぶち撒けながら降りていった。融通がきかないところがあるから気持ちはわかる。でもまさに今私も助けを求めにきてそれなりに対応してもらえているから、そんなに手を貸してくれないとは思わず。親切に、別居となるとひとり親世帯の給付があるのでご説明だけでもしときましょうか?とまで言ってくれる。それはまたで大丈夫ですと答える。別居なんてやっぱり考えられない。離れるのはこれでも充分だと私は思っている。さて、帰ってまた阿佐ヶ谷に来なくてはならない。昨日からどれだけこの辺りに来ていることか。帰ると子はお弁当を食べ終わる頃で、私も用意していたおにぎりを頬張り、再び阿佐ヶ谷。まず近いところで確実に分かっている場所にいく。同じシールだったらまたさらに北側のおそらく八百屋と思われるスポットに目星をつけている。目的地一発目で新しいシールを手に入れられた。今度こそ不動産屋へ。景品を選んで送り先住所を記入する。クラスのママが言うには、ここは本当にこれだけで、勧誘もセールスもDMもこないという。こんな時代にもそんなばら撒き投資ができるなんてすごい。呆気なく終わってしまって、せっかくだから他スポットも行くか子と話し合うけど、もう駄菓子屋にモルカーの当たりくじを交換に行くということになった。それと未完成も行きたい。子が欲しい特製のリングを頼んであった。道なりに行くと未完成の方が近いけどまだ開いてないだろうから駄菓子屋行って戻ってだなーと思いながら北中通りを覗きこむと未完成の店周りが雑貨で賑わっているのが見える。3時からと思っていたけど開いていた。今日もこないだ頼んでいた物や細々したものも合わせて買って駄菓子屋に移動。モルカーのシールが無くなってしまっているかと思ったら隠れてただけで無事ゲット。ママ友と連絡とってそのまま4時には同時にプラザに行く。ママ友に不安を吐き出して気を紛らわしてないと何も手につかない。帰り道、何気なく子が「お父さんがさなえちゃんみたいな人を見つけてさなえちゃんがお父さんみたいな人見つけるの?」と言いだした。私達が仲違いしていることはもうとっくに分かっていて、そうなるとさらに別のパートナーが必要になると思っているようだった。そんな未来を求められればいいだろうけど、そんな気持ちには到底なれない。私にはこの家族しかない。実家にも居場所がなかった私がありつけた安住の地のはずだった。まだまだ諦めきれない、諦めたくない。

家族が阿波踊りの連に入っているママ友から、週末の舞台でやる阿波踊り中止になっちゃったねーとお知らせ。ちょうど昨日だったか、「巨大密イベントが強行開催」と嫌な見出しで高円寺の阿波踊りが取り上げられている地元ニュースを見た。私が心配になったのと同様に、運営側の曖昧な管理体制を突っ込まれているような内容だった。噂されてるなぁと思ったらこんなことに。残念といえば残念だけど少しホッとしている自分でもあった。夜に子が今度は、好きな人いる?誰?と聞いてくる。お父さんだとは思わないのか。私達ってなんだったんだろう。

 

 

 

8/24

先週のリベンジでママ友と今日こそプールに行こうという話になっていた。友達の園は明日から慣らし保育がはじまってしまうとのことで、午前中から遊べるのは今日まで。にしてもプールにするには微妙な天気だよなと思いながらも自転車を走らせ到着すると閉まっている。今日は休みなのか?隣りの児童館へ聞きに行くとなんと開放は昨日までだったとのこと。当然のように31日までだと思っていた。毎年このくらいの時期までなんですよね、去年は無かったんだけどと済まなそうに教えてくれた。すぐにママ友にお知らせ。そちらはそちらで一度もプールに入れなかったとショックを受けている。服の下にばっちりラッシュガードを着込んできた子が不憫で、他のじゃぶじゃぶ池はどうなんだと調べるとやはり一斉に昨日で終了だった。幸いセントラルパークは31までだから、ママ友と連絡を取り合い現地で落ち合うことに。結局一回しか浮き輪の出番はなく夏が終わる。そして次の夏はもう幼児ではなくて、遊べる場所も限られるわけで、このたった一回の浮き輪が幼少期の思い出になるなんて切なくて胸が締め付けられる。子が生まれた頃はクリスマスでさえ特別なことをするつもりないと決めつけていた自分とは思えない。セントラルパークに着くとまだまだ子どもで水遊びは賑わっていた。友達もちょうど遊ぼうと準備をしているところで、子も喜んで駆けていく。友達さえいればどこでも楽しい。暑いと思っていたけど日差しもないと過ごしやすくて、ラッシュガードの子供達は冷えるんじゃないかというくらい。たまたま久しぶりのママに会ったり二時間近く遊んで解散。帰り道、2つの歩道橋の上に人が集まってどこかを見ていて、何か起きたのか家に近づくにつれ、こないだの火事を思い出してソワソワしてくる。何事もなく家に帰りついたタイミングでクラスのLINEが入って気がつく、ブルーインパルスパラリンピックの開会式でまたブルーインパルスがこの辺りを飛ぶのは2時頃とのこと。それを皆んな待っていたのか。最近の私は重くのしかかる現実で何をするのも億劫で、わざわざもう一度空を見上げに家を出るような気分にはなれない。Amazonから宝探しの景品がクラスのママが言うように翌日の今日、早速届いていた。箱を開けるとギフトラッピングまでされていて子は興奮。中身はすみっこぐらしのネイルセット。お昼のお弁当を食べたら早速やってみる。

夜、寝相悪くて飛び出した子を布団に戻すのにひと苦労、水平を保とうとしながら持ち上げてウッと声が出てしまう。大きくなった体がゴロゴロするのを正すのは大変。川の字で寝ていたかったなと思う。

 

 

 

8/25

スッキリでBE FIRST生歌披露。嬉しい。うるさい子を一喝してまで真剣に観てしまった。

午後は図書館。早く出て着なくなった服を試しに少しトレファクに出してみる。店内をぶらぶら見て待ち。数点だして160円とか。メルカリ出して時間かけても無駄なやつだとわかっているし小銭もらえるだけそれでもいい。まだお話し会には早いため商店街のファミマに行ってスタンプで値引きになるフラッペを買って図書館へ。外でフラッペを飲みながら入り口に目をやると、今日のお話し会は感染拡大のため中止との張り紙。これまで散々世間が緊急事態宣言といっても続けてくれていて、この中途半端なところで急にこんなことになるのが驚き。すぐにこれから来るであろうママ達に連絡をいれる。が、皆もう出てしまっていたようでほどなくしてやってくる。職員の方と話すと、上の判断で突然こうなってしまって、と済まなそうに話す。区内の全図書館の集いがなくなったわけではないらしく、もしかしたらこの辺りで感染が増えているとかあるのかもしれないですよねとその職員さんは予想していた。本当にそんな情報があるのだとしたら日常の緊張感も変わってくる。どちらにせよ毎週このタイミングで返却はあるから結局来ることにはなる。今日も返却と絵本を選んでプラザに移動して遊び。皆んなバラバラの園のお友達で、ところによって対応は違い9月の一日から開始するところもあれば、宣言終了まで夏休みが延びているところもある。うちは9月の二週目からの新学期予定で変更の連絡も無い。結局仲良し親子とプラザに移動して遊び。5時まで遊んでから新井薬師へ。花丸ショップおやすみに、子がちびまる子ちゃんを観てから欲しがっている星の砂が売っているとママ友に聞いて駆けつけた。店に入って久しぶりの挨拶をしてひと息ついたところで、さっき別れたはずのお友達が入ってきた。うちが行くなら自分もまた行きたいと子が駄々こねたから押しに押されて連れてきたとか。お陰で楽しい時間になった。ずっと話には聞いていたけどなかなかこっちまで来なかったから、ハム太郎のくじシールもここぞとばかりに買った。帰りはぐるりと前の家の方のスーパーなどに寄りながら帰り。ファミマは10日で営業終了と決まった。お兄さんにこれからどうするのか、ほかのファミマに移ることになるのかと日々店を覗いては聞いているけど、まだ決まってないらしい。同じフロアに事務所として借りていた人もそこにいて話す。事務所は自宅近くの方南町に決まったらしく少しずつ物を運び出してるとのこと。生活も職場もそちらとなるともう会うことないかもですね、と最後の挨拶。それぞれがそれぞれの場所へ向かう。私達家族の終わりもそこに重なって、いつまでも同じわけではないということが妙にしっくりくる。

ママ友との遊び時間も終わると迎える現実がつらい。空腹を感じることはあっても食事をする気になれなくて、ずっと悪い夢をみているような、ここが現実とは思えない感覚。子の夕飯にしながら有吉の壁をみて笑って過ごす。というか無理にでも集中して笑って保っている。夫から虚な目でこの先の決断を迫られる度に気が荒れる。何度確認されても納得するわけはないのに、夫も答えがないと自分を保てないのだろう。夜中、マサコさんに夫と話してもらえないかと相談。直接いくら私が訴えても耳に入らない。第三者の意見で冷静に考えてもらえないか神頼みのような気持ちでもある。マサコさんに今の夫の動向をつたえつつ私はひっそりと息を潜める。マサコさんの電話に出た夫は話しながら外へ出て行った。マサコさんは中立な立場として夫の言うことも頭ごなしに否定することはなく受け止めながら話を聞いているはずだろう。起きていようと思っていたけど安心できたのかいつの間にか寝てしまった。

 

 

 

8/26

朝からマサコさんに確認。夫はもちろん寝ている。マサコさんが言うにも、もう夫は暴走していて他の声は耳に入らない状態だろうとのことだった。考えもやろうとしていることも現実的ではないから落ち着いてほしいけどね、と言えるまででどうにもできない。でも私は夫の頑固さ、そして先に先にとやりたがる性分を分かっている。人に頼らないし期待もしないで自分で立ち上がる人間だから、情とかそういうものは流されない。考えはもう変わらない、変えられないだろうなという気がしてしまう。

子が昨夜に突然、小さい頃遊んでいた児童館を懐かしみだしてまた行きたいと訴えてきていた。こんなご時世になってしまって今はもう小学生しかいないだろうし前みたいには遊べないかもよと言ってもきかず、絶対行くんだという。いじらしくて辛くなる。一晩経っても気は変わっておらず今日の予定に組み込んでいて、仕方なく昼前に少しだけと私も踏ん張って行ってみることにした。前の家の近くの児童館、確かに全てが懐かしい。一応受付で利用できますかと聞くと、もちろん大丈夫ですがただ小学生が多いので、と職員の方にこそ戸惑われる。コロナ以前は長期休暇でももう少し幼児も小学生もうまく混在して遊べる場所だったように思うけど、そこまでしてここに遊び来る人もいなくなったのか小学生の居場所でしかなくなっていた。そのなかを掻い潜って子が好きだったおままごとをやり始めるも、おもちゃが減っていてうまく遊べず。エアーホッケーを一緒にやったり。もうすぐお昼、そこまで耐えようと思っていると、就園前にプログラムでお世話になっていた先生が気づいて話しかけてくれた。突然思い出して遊びに来たがってしまってと話すと、覚えてたんだねと喜びながら、頭のてっぺんから爪先までの子の成長にしみじみしていた。今から小学生はお昼ごはんになるから、よければまだ居てもらっても大丈夫ですよと言ってくれる。その通り、色々話している間にあんなに騒がしかった小学生はぱぁっと消えて静まり返っていた。落ち着いて辺りを見回すと、減ったと思っていたおもちゃは受付で借りる部類になっていたようで、それに気がつくと子もやっぱりもう少し遊ぶ、と気を取り直しておままごとに挑んだ。黙食と言われているのだろう、すぐそこに小学生がいるとは思えない静けさ。懐かしいおままごとキッチンで遊ぶ様子を写真に撮っておく。こうして外で一緒に遊べるのもあと少しだ。半年すれば小学生で、次にここで遊ぶ時は子が一人で来るようになっているだろう。しんみりしながら児童館を後にする。帰ってお昼ごはん。顔を合わせると夫がまた今後の話をし出して言い合いのような会話になり、そのまま夫が家を出て行く。子がぱっと立ち上がって走って追いかけ一人で玄関を出ていって、おとうさんっ!おとうさんっ!!と階段の上から降りていく夫に呼びかけている大声が中まで聞こえてくる。どこに行くのっ?!と涙まじりに震わせた声が聞こえてきて、私も声を上げながら泣いた。ドラマではない演技でもない、ただの普通の家族のはずだったのに、なんで子どもにこんなことをさせてしまっているんだろう。子が涙をこぼしながら戻ってきて、お父さん郵便局だってと小さく息をつく姿が憐れで惨めで、子と抱き合って私は涙が止まらない。こんな悲しいことは忘れさせたい、現実逃避して二人でどこか泊まりに行こうか、そんな考えが浮かんで検索をはじめる。遠くへは行けないけど都内に泊まってみるお出かけもいいなと前から思っていたのだった。夕方の電車が混んでいたりでその日に帰りたくないような場所。どうせなら行った先で遊べるのがいい。真っ先に思い浮かんだのはピューロランドだったけど、割引券の用意もなければなかなか思い切れないし、多摩センターに泊まるというのも寂しくなるような。子どもが遊べる場所。屋内遊戯施設。八王子まで頭が飛んでから逆に後楽園がひらめいた。これだ。都心の方がホテルもたくさん選べる。何してるのと子に聞かれてホテルにお出かけしてみようかと思って調べてると話すと、さっきの出来事が早速帳消しになるほど盛り上がる。5000円ほどでいくつか迷える。場所やら調べこんでいると夫が戻ってきて、子が無邪気にホテルに行くんだと騒ぎ立てる。今日はもう3時にもなるし明日の楽しみにと思っていたのに、今日行ってくればと夫に言われ、そうかひとまず今すぐにでも出て行ってほしいだろうなというのと、こう思い立ったら即行動派の夫はまたすぐに明日に回そうとする私にイライラするだろうなと思って今日予約、バタバタと支度をはじめる。子は今すぐ行けるなんて、そして2年ぶりにキャリーケースを引けることにそれはもう大興奮で自分の持ち物を用意した。寝る時のいつものぬいぐるみやお絵かき道具。着替えやら洗面道具は私。夫にはいつだってこうして思いつきの行動に付き合わされてきたけど、二人分の面倒をみるのはいつも私だけで、私も私で結局子どものことは自分でやらなきゃ気が済まないのだから仕方ないのだけど、そういう小さなことも夫に対する嫌味な言動に繋がる引っ掛かりだったよなぁと思う。最後に子の荷物を選別。ぬいぐるみが鞄の4分の1を占めるサイズだけど仕方ない。JRの駅まで歩くけど、楽しみのためなら子も素直に張り切ってくれた。そうこうしてると区役所から電話。家庭内の問題を法律を踏まえて相談できるサービスの予約をしていたのだけど、感染状況の悪化のために9月は中止になったとの連絡。そういえば予約をしていたのだった。相談するまでもなくとんとん拍子に事を勧めてしまったからすでに手遅れといえばそう。再予約はせずにまたあらためることにした。

この時間のJRの上りは空いていて、ゆったり座って水道橋へ向かう。とにかく子がご機嫌で嬉しい。たまにはいいよね、夏休みの思い出だねと話し合いながらあと何駅かと数えたり。さらに子は今日は何食べようかとウキウキしているけど、私はまるでそんな気になれなかった。目の前に出されたら食べれないわけじゃないけど意欲がないから考えられない。水道橋着。まだまだ暑い。とりあえず荷物を置きにホテルに行こうとマップで探す。土地勘がなく位置感覚が全く掴めず間違えながらも方向が分かってきたらなんと後楽園の目の前。抜群の立地。しかしドンキホーテの上だと知ってなんだか少し不安がよぎる。が、到着した途端に不安は吹き飛ぶ。ロビースペースには絵本や折り紙のコーナーがあり、子どものためのアメニティまで用意されているようなホテルだった。おまけにグレードアップしてくれた最上階の部屋は、目の前に後楽園の観覧車ビッグオーに東京ドーム。向こうのほうには遊園地という異空間とJRの線路、どこまでも続く都会の景色。ロケーションも最高だった。子は自分用のアメニティに大興奮で、外に冷たい飲み物を買いに行きたいのに部屋を満喫しまくっていてなかなか動き出してくれなかった。6時をまわってようやく買い出し。道中から引き続き何を食べようかという話。家族三人でいたら夫が喜んで食べるようなお店が色々あった。でも今の私は食べられない。嫌でも毎日続いていく「食」というものにお金をつかうのも気が重くなっていた。何か買って部屋で「パーティー」にしようと無理やり楽しげに提案すると賛成してくれた。私はプリンとかそんなものが食べたい。まずはイヤホンを買いに100円ショップまで行きたい。タブレットを持ってきたけどイヤホンを忘れた。平日の遊園地のなかは仕事帰りらしい人や地元の人、遊びにきた人、ショッピングモールのように色んな人が行き交っていた。駅に直結している建物までいくと私はホームシックに襲われる。ここにいる私達二人が全てで、誰かが待つ帰る家があるわけではないんだということが心細くてたまらなかった。飲み物や小さいポテトチップス、子どもが遊ぶシールブックなどを買い、暗くなってピカピカ光る遊園地のなかをぶらぶら歩く。遊ぶのはおまけのイベントで、私達はホテルに泊まるためにここにきた。それは子も同じで特別乗り物には乗りたがらなかった。お寿司屋さんがあるのが見えて、それなら子が残しても多少は食べれそうに思ってお寿司パーティーということにした。子の食べたいものだけをオーダーして持ち帰り。ドンキやコンビニでプリンや子のデザートも買って部屋に帰る。電車で30分くらいの場所なのに日帰りしないだけでこんなに旅行気分になれてしまうのが面白い。フロントで絵本をみる。多くはないのに抑えている感じの、分かってる人がいるのだろうなと思える良いラインナップ。寝る前に読む絵本は子が選んで一冊11ぴきのねこを持ってきているけど、これも部屋で読めたらいいなと思って聞いてみると、一冊だけ貸し出ししていますとのこと。「ぐりとぐら」や「はじめてのおつかい」など確実に好きな絵本もあるのに子は意外にも「100万回生きたねこ」を選ぶ。部屋に帰って夜景とテレビを観ながら細やかな夕食。子もこの環境を堪能することに夢中であまり私に絡んでこないのもあって本当にリラックスできる。夫に景色や部屋の写真を送る。凄い!とリアクションしてくれるけど、帰って顔を合わせてもこれを土産話としてわいわい出来ないというのはとても寂しい。こんな非日常が延々続くなら家族の存在なんて気にしないでもいられるけど、そんなわけにはいかなくて、私達は日常を生きなくてはいけない。こんな贅沢より平和な慎ましい暮らしの方が今となってはずっと思い出だよなぁと思う。そんな日々が確かにあったこと、夫には感謝している。

子のアメニティは「むささびくん」というオリジナル?キャラクターのデザインのもので入浴や歯磨き、寝るまでの行程全てが楽しめた。いつもよりは遅めの就寝。部屋は最高なのだけど夜になって隣の部屋の女子のお喋りが筒抜けでピーチクパーチク、子もうるさくて寝られないかも、というほどすぐ脇にいるように会話が聞こえてくる。23時になっていただろうか、さすがにどうにかしないと子が寝れないと思いフロントに電話。見回りをして確認しますと言われ、しばらくすると明らかに聞こえる声が微かになった。やはり廊下にも響くほどの声量だったのだろうか。声が止んで程なくして子はスッと寝た。私は100円のイヤホンで先週のドラマ「家族募集します」を観てすすり泣いた。今は子ども、家族、というものに過剰に反応できてしまう。