どうにもならない日

こんなはずじゃなかった2020年からの生きる記録

2021年10月21日〜10月24日

10/21

朝から元夫が子の絵をシールにするデザインを送ってくる。夜型で作業をしているのか目覚めた瞬間から作業しているのか。どちらにしても一人で集中してやれることでストレスがないならここでは無理だったことだからよかったと思うしかない。パート。今日は店長だったから朝イチで寒いと訴えると、もう今は会社からカーディガンは支給されなくて、地味色だとたら私物のなんでもいいですよと言われる。買わなきゃ無いのに、と悔しさがこみあげるけど、パート先輩が土日しか出ない人のとりあえず借りちゃいなよと言ってくれる。たんぽぽハウスで100円であったら買おう、それまではお言葉に甘えて借りることにする。今日もバタバタとパート時間は過ぎていく。同タイミングで次々にやってくる人を捌いているなかで一人の年配者が、お姉さんはいついるの?とやり取りの最後に付け加えてきて、こちらはとにかく必死だったからイレギュラーな対応に戸惑いながらも、決まってないんですよね〜とあっけらかんと言ってみると、そうー、前の人よりずっと良いわ、どうもありがと!とシャキシャキ笑って去っていった。いっぱいいっぱいだったのに、それでも良く評価されて嬉しいし、久しぶりに人に見られている喜びを感じるし、やっぱり私は接客が向いているのかもなぁとあらためて思ったり。

さて、今日これから明日の朝まで緊張感もって駆け抜ける。明日はいよいよ年長クラスの富士山遠足。朝7時40分に集合場所の公園前へ連れていかなくてはいけない。うちからは幼稚園に行くよりは少し近いけど、普段より二時間以上早い集合で、支度の時間配分ができるか自分が不安になっている。お迎えの時に先生から集まった年長母へ明日の天気予報と服装の話。東京でも雨で寒いけど長靴では行かないようにと注意。また雨があまりに酷いと室内遊びだからその際は暖かいため脱ぎ着がしやすいように重ね着で対応するようにとのこと。隣り合った母同士でまた再確認。そして迎え入れたら直帰。おやつを食べてプラザのヒップホップダンスへ行く。遠足の前日だということを忘れてうっかり予約してしまっていた。やっつけのようにやり切ってそそくさと帰るつもり。前に参加した仲良しのお友達が結構本格的で楽しいよと言っていたから予約したのだけど、いうほどヒップホップ感はなく、そのお友達も今日はグズグズでそれこそ途中で断念して先に帰ることになった。園のバザーでプレゼントに買っておいた双眼鏡を急いで渡す。ダンスは親も参加型で45分みっちりなかなか疲れた。それだけやって帰ろうと、明日は富士山遠足なんですと先生達に言うと皆んな驚く。この辺りでそんな遠出をする園は珍しい。冬にはそこで泊まりなんですよというと、さらに目を見開いて驚いていた。コロナが無い本来ならば今回の分もお泊まり保育でそれも一学期から実施されるものだった。バザーや誕生会のカレー作りなど、親の負担が有名な園だったけど、こうしてみると先生の負担は比じゃない。そんななか担任先生は欠勤になってしまい、引率はそもそもの予定の主任先生と、もう一人は非常勤の先生になった。その先生は我が子らのひとつ下になる子どももいて、保育園に預けながら働いている。遠足の日は到着が夜の7時20分を予定しているから、その先生の子のお迎えは当然他の家族がするのだろうと思う。大変なことになっている。幼稚園、そこまでして自然体験をさせてくれるなんて本当に有り難いと思った。そうして車でないといけないような場所、山での自然体験を子はそれはそれは楽しみにしている。だからそこに備えるための今日のスケジュールには子も協力的であった。スーパーへ寄る。前のマンションで一緒だった美容師さん親子に久しぶりに遭遇。さらに共通の知り合いである同マンションの住人もようやく引っ越すために会いに行ってくるとのこと。まだ住んでたのかと驚く。実際建物は中に人がいるとはいえ近寄り難いものになっている。うちのベランダから見えるマンションの灯りが日に日に消えていって、営みの気配がなくなっていって、たまに目をやっては私は寂しくなっているのだった。帰って今日はついにホットカーペットを導入。ついこの間までまだシャツ一枚で過ごせていたと思ったら秋を越してもう冬の寒さになっていた。カーペットを敷くと途端にその感じが強まる。子ども達が園で作ったという荷造りのためのしおりと、保護者用に配布された遠足のお便りを見ながら一緒に荷物の準備。うちは半袖ヒートテックにロンT、前冬のお買い得で買ったユニクロの薄手のトップス、それにフリースで行くことにした。持っていくハンカチまで揃えて、早い夕飯。7時半までにはお風呂に入って8時半には寝かせたい計画。元夫にそのことを伝えつつ、猫のトイレかカリカリごはんのどちらかを買って欲しいと連絡すると両方買ってきてくれる。子に、自分がいなくて私がお父さんと猫と待ていられるか?と言われて笑ってしまう。自分が寂しいのでなく私の心配をしてくれているのだ。それよりお父さんは子に会いに来るほんの数分しかこの家にいないのに、子のなかではまだいることになっていたんだということの方が切ない。

計画通り子は早く寝て、これからゴミ捨てと、日に何度も確認していた天気予報、雨の振り出しがとうとう夜中に変わっていたから、明日素早く出れるようにと通り沿いに自転車を停めていたけど建物内に移動させてこなくてはいけない。寝ている子をひとり家に残して表通りから建物のある一角をぐるりと周り裏口まで行く。家に大人が他にいないというのはそういうことだという皮肉のつもりもあって元夫にこの行動の一連を伝えると、やるよという返信。私にそんな嫌味を言われないようにするために面倒なことをしてでも同居はしたくないという強い意志を感じる。本当にそれをわざわざやりに来るならバカバカしい。夜10時過ぎ、モンベルの厚手靴下、中フリースのジャージ、フリースアウターと完全防寒して外に出ると夜の寒さも気にならない。ゴミ捨てして自転車を建物内に移動して子の座席に雨除けカバーをかけておいて準備は完璧。やったよと元夫に報告すると、ありがと!と自分も責任者のつもりのような返信がきた。それでもこれはポジティブに受け取ったんだなという気はする。元夫は以前からメッセージの最後に「!」が付きがちでテンションがよく分からない。例えば今回の「やるよ」にもし「!」が付いてたら、前向きのようにも見えるけど、怒りの投げやり感にも見える。感情が分かりにくいのは態度も文面も同じだった。

あまりに早い夜で私もいつもより早起きしなきゃならないのに眠れず、ネットをみていると高円寺のスシローはなんと別場所のことだった。駅ナカに本当にスシローのテイクアウト専門店ができるらしい。うっかり自分の勤め先がスシローに変貌を遂げるのかと思った。振り回された。でもこれで心底安心した。変わると言われた制服も引き続き緑が基調なことは確かだ。それだけでまだ続けられる励みになる。ということで気持ちよく就寝、としたいところだけど意識がバチバチのまま意気込んで寝る。ごはんの炊き上がり時間はいつもより40分早くセット。

 

 

 

10/22

雨。暗い、寒い。ごはんが炊き上がる前に目醒めて、ピーッピーッと鳴るのを聞いて起き上がる。お弁当は片手でも食べやすいようにおにぎりかサンドイッチと決められている。子は塩むすびが良いと、それもひとつだと言い張っていたけど、こんな朝早くから夜7時まで食べ物を制限されるというのに、それも山のなか、ひもじい思いをするのではとしか思えず、塩むすびと少し小さい梅干しにぎりの2つを持っていってもらうことにした。一番問題は朝ごはん。乗り物酔いしやすい子は事前に薬を飲み申告するように、バスの席を配慮しますとは言われているけど、リバースするとしたら朝の食事も関係してくるだろうし、牛乳はダメかヨーグルトは、と考えながら朝ごはんもおにぎりにする。着る服を一式用意していると支度も素早い。ホットカーペットを敷いたことで足元の安心感が違い、寒い寒いと悶える必要もないと全てが順調。ただ天気、何度も雨の程度を確認するもやっぱりなかなかしっかり雨。歩いて行くことにした。大通りに出ると、この時間は通勤通学の人がたくさんで雨のせいでかいつもより横断歩道などごった返している。公園前にはバスがいて見慣れた顔が集まっていた。わざわざバスの下のトランクに子ども達の小さなリュックはしまわれて、子どもは水筒ひとつで中に乗り込んでいく。傘は保護者が持ち帰り長靴で来た子は履き替えている。バタバタしていてきちんといってらっしゃいも言えなかった。通行人が多いから、子供を受け渡したら即撤収するようにと言われている。子どもを保育園に預けながらも引率してくれることになった非常勤の先生がいたから深々と労いをしておいた。近くの私立学校に通う女の子達の群れに混じりながら帰宅。すると隣りのおばあさんの息子が家を出るところだった。人見知りというのか人嫌いなのか、おそらく私の気配に気がついて、ずっと背中を向けたまま足元に置いた何かをいじくっていた。私もなんとなくおはようございますと軽く流れるように言って目をくれないようにしてみせた。彼はかすかに斜め後ろにこちらを向いてみせた気がする。私と同じくらいの年頃で、うなぎの寝床であるアパートに母親と二人暮らし、布団を干すのにベランダにいた時のクッキーモンスターのTシャツを着ていた中年の印象とは違い、白髪混じりの眼鏡にバリっとグレーのスーツを着て出勤とは意外で少し驚いた。雨の静かな朝。パートまで歩きで行くにしても少し余裕あり。コーヒーを飲んで落ち着いてあらためて着替えて家を出る。

雨のパートはあまり忙しくもなく、逆にあと少しの時間をやり過ごすのがきつい。店長が休憩から戻ったら私は上がりというところで電話が鳴り、もう一人が手が離せず初めて電話応対をする。おばあちゃんが昨日買った寿司を食べて体調を崩したという話。昨日は自分も出勤日だったというのもあって私は緊張が走る。やはり自分が食を提供するということに自信がもてない。オロオロしているところに店長が戻り簡単に話すと、あぁまたかといった落ち着きで、多分話聞いてもらいたいだけなんですよと、やれやれといった感じで電話を変わった。予定の時間を若干過ぎてしまっていてこれが普段だったら大慌てだけど今日はこんなトラブルもどうにか許せる。夜に帰ってくる子のために少し華やかな寿司を買っていこうとすると20パーセント引きにしかならなかった。店長からは半額と聞いてたんだけどなと電話対応の店長を横目で見ながら帰宅。荷物がきたことを元夫に報告すると早速やってくる。普通にお互いあった出来事など話はするけど仕方なく話ているような空気を感じて荷が重いだけでもある。雨は落ち着いた小降りになって、夕方にはあがる予報だし自転車で出る。寒い。近くのライフに停めて美容室へ。カットとパーマだと保育時間内にやるのは慌ただしいので今日しかないと思って予約していた。ただ慣れてきた女性の美容師さんが今日は不在で指名ができず、誰になるんだろうと不安はあり。指名料千円かかるはずのスタイリストさんがついてくれて、過去何度もこうしてたまたま担当してもらったことがあるから緊張はとける。この人はいつも自信たっぷりで細かいことをさほど気にせず理解してくれる。逆に雑とも言えるのだけど。思ったよりも長めだしパーマも緩いような。でもなんだか、私のために男性がしてくれることにそんな完全を求める気力もなくただ受け入れる。パートの分、二ヶ月後にでもまたパーマをしてやればいいよとすら思う。約二時間後、外はまだ小雨でライフに入る。二階の衣料品をぐるりと見てスーパーの二階らしい、いなたいラインナップにセンチメンタルになったところで地下の食品売り場へ。賑やかな寿司を買ってはきたけど今日は寒いし山から帰ってくるんだし、念のため湯豆腐パックを買う。滅多にこないスーパーにくるとお菓子コーナーは必ずチェックする。明日はじゃがりこの日だとかで、じゃがりこを2つ買うとマグネットをもらえるキャンペーンがあった。パッケージデザインのマグネット、可愛い。子の好きな普通のサラダ味を2つと、そのデザインのマグネットをひとつカゴにいれる。こんな真っ暗な時間なのに子どもがいないなんて違和感。でもいつもと同じ、オオゼキとトモズにも寄っていつも通りに買い物して帰宅。6時。クラスLINEに誰かが見つけてきた今日の子ども達のネイチャープログラムのインスタが貼られていた。見てみると、森林での遠目の写真のなかに我が子の姿も映り込んでいるのが分かって、拡大してみるとめちゃくちゃ笑っていて、思わずひとり声を出して笑ってしまった。よほど嬉しいのだろうことが想像つく。涙も出てくる。一応元夫にも転送したけど、こんな細やかな喜びを一緒に分かち合える空気でもないのはやっぱり寂しい。子育てを目一杯楽しめている実感にはならない。ママ達のLINEトークは続いて、とくに連絡ないから予定通り7時のお迎えでいいのかなということになっていた。6時40分、早く出たらもう着いてしまったというママから、寒すぎるから待ち時間のために手袋あったらいいと思うなどといった情報。私もソワソワして待っていられない。早く誰かと会いたくて家を出る。まだ雨は微かにパラついていて真っ暗で、寂しくなるけど公園前には役員と留守番だった先生の姿があって安心する。今日何して過ごした?などとママ達と報告しあってようやくいつもの落ち着きを取り戻す。小学生の兄弟のほとんどの子は一緒に迎えに来ていて、大通りにバスの到着を確認しに行っては私達に報告にくる。園長先生が今後のことについてですと言ってプリントを配った。主任でもある年中組の先生が兼任で年長の活動の立案指導を行うとのこと。わざわざプリントにしてくれなくてもそうするしかないこと、そうにしかならないことは誰もが覚悟していたと思う。来たよ!来た来た!と小学生が駆けよってきた。バス到着。まずはリュックが運ばれてきて各自我が子分を受け取り待機。子ども達が順に飛び出してきて私達の姿を確認し、どことなく誇らしげにそして照れ臭そうにしながら、少し離れたところに待機。お祈りと挨拶をして解散。周りの皆と同じく、少し高い声を張らせながら私の元に子が走り寄る。口が止まらない子を落ち着かせようにも同じ方向に横断歩道を渡る子と歌い出して、これは興奮で逆に寝れないかもねーとママと弱り顔しながら分かれる。バスでカラオケしたんだよ、山で鹿みたんだよ、とっておきのお土産あるからね!と子のテンションは一人になっても絶好調だった。私が気になるのはひとつ、バス気持ち悪くならなかった?と聞くと、ぜーんぜん!とケロリとしていて、それなら万事OK。家に帰って荷物を整理して夕飯を食べるとなるともう7時半。寿司と湯豆腐を用意していると、お土産!と嬉しそうにハンカチに包んだ赤い実をみせてくれたけど記念にとかでなく食べるためだったらしく、待ちきれないといった勢いでひと通り説明したら積極的に食べだした。見た目はラズベリーのよう。ん〜すっぱ〜い、と頬っぺたに手を当てながら満足そう。元夫もやって来て、私と子二人がごはんにしているところで遠足の話に相槌をうちながらただそこにいた。こんな特別な時ですらもう一緒に食事もできない。バスのなかでハム太郎の歌を歌えたことにも興奮、お父さんが帰って行くことも気にせず、全てに高揚していて10時過ぎ就寝。私は、私達の前で気を抜かない元家族が子どものためのつもりでここに足を運んでくることに疲れてしまった。普通のふりをする矛盾を続けることに未来がないならどこかでケリをつけないといけないという気はしている。子どもにとって自然に父親離れしていけるのはどうすることか、そればかりグルグル考えていて頭が痛い。彼はどういうつもりなんだろうか。せめてもの償いで私の考えに従い今は姿を見せて、その時がくるのを静かに待っているのだろうから、私が断ればそれはそれで従うだろう。子どもに会いたいなんて自分の勝手だからと我慢することができてしまうわけで。そこに葛藤があるにしても、そのうち子どもも一人の人になっていくし親と会う会わないなんて問題ではなくなる。世間体やお金のサポート以外の家族の意味は、小さな子どもがいる今こそ必要で、今それを失ったならこの先もう相手に望むことすらできない予感で絶望的な気持ちになる。

 


10/23

朝まで気持ちを引きずりモヤモヤ。だけど今日は再開一発目の中野のフリマ。開始数分遅れ、駐輪場に自転車を停めてなかに行くと、フリマスペースのすぐ傍に公式に臨時駐輪スペースを設けられていて約一年ぶりのフリマは気が利いていた。風が強い。ファミリー層の出店も多く子ども服の当たり日。メゾピアノのぶりぶり花柄ワンピースが200円でホクホク。子ども好みの雑貨やぬいぐるみも買えて二人で満足。せっかくだから今日もライフに行ってじゃがりこマグネットを確認すると子がもうひとつ欲しいということでまたじゃがりこふたつ。家で過ごしてそのまま夜。一日中、子が良いもの買えた、お父さんにも教えてあげようと喜んでいたからその旨伝えると元夫はなんの返信もなくいきなりやってきて、どれ?見せてと、そちらから唐突に切り出してきて、子の流れも雰囲気も何もない、結局暮らしの自然なんてまるで求められない現実に絶望した私が口を開けば良くない方向に会話は転がる。子の手前抑える私とは反対に、子を挟んでまで突っかかる元夫。子の前でやめなよとどうにか自分を押し殺して相手にも冷静になるように求めて終える。子にはお父さんが忙しいから喧嘩になっちゃったよねーとごまかしながら、自分だけ足掻いているのが惨めな気持ちになる。夜に対面だと発せないでいる言葉をLINEで綴った。元夫がここに顔を出す時間がどんどん減っていることの戸惑い。とはいえいくら私が思いの丈をぶちまけても彼は「わかった」だとかの一言リアクションしかない。その先が「でもあり得ない」なのか「だから考える」なのか何があるのかを言葉にしてもらいたいのに、いつもそこで終わってしまう。「でも無理。」だからいまこうなっているのが現実なのだけど、その割にこの距離感を保つ意味は私達に対する罪の意識の優しさなだけなのか自分の葛藤なのか、私はいつでも確認したかった。再生の可能性に期待してポジティブに動くのか、負のエネルギーで尖りながら乗り切るべきか、自分がどうしていたらいいのか本当に分からない。どちらにしてもポジティブにいるのは良いことだとは思うけど、どこを見渡してもひとつのおうちの中にはお父さんがいてお母さんがいて、というのが当たり前として描かれている世界のなかで生きている子どもを傍らにおいているとどうしてもポジティブになんて捉えられない。くさくさしながら時間が経ってしまい、寒いけど今日はもうシャワーで済ますしかないと思っているところにクラスのママ友から、遠足で軍手持って帰ってきた?との連絡。昨日出した荷物にはそんなものは無かった。子に聞いても知らないという。持っていったリュックをこねくり回していると、脇のポケットにくちゃくちゃに小さく丸まった泥汚れのひどい軍手が挟まっていて驚愕。それを見た途端に子は洗って返すんだと言い出して、ママ友と確認しあいながらこんなのキレイには出来ないよねと、とりあえず重曹につけ置きしてみる。元夫とのやりとりのなかにそんな報告も挟むと、それには普通にウタマロに付けておくといいよと返答してくる。これまでなにかと酷い汚れだとか状態が悪いものは当たり前のように夫が処理して保ってくれていたんだよなと思うと支えられていた有り難みにしみじみする。小手先でこなす日常でなく私が奮ってみんなの為にやれていたことはあっただろうかとあらためて考えてみたらいまいち思いつかなかった。私は日々を適当に生きている。

 

 

 

10/24

ぐんまちゃんのアニメがやるようになってから子は日曜の朝も必ず8時前には起きるようになった。今のところ毎週見逃していない。フリマにも張り切ってくれる。私はこれまでの自分を省みたり、それでも今こうして一人で踏ん張らなくてはいけなかったりで、なんだか疲れてしまった。今日一時間くらい一人の時間にさせてもらってもいいかと元夫に朝連絡しておくとフリマにやってきた。そこを私が一人で見たいんだと思っていたようだった。そんなわけない。目的があるならどんなことでもそれは何をして過ごそうかと困る休日のむしろ貴重なアクティビティ。なんでもない時間を潰すことから一時離れたいという気持ちをおもんばかることも出来ない感覚のズレにがっくりする。三人連なってフリマを見てまわるだけで明らかに子のテンションがあがってるのがわかって嬉しいよりも逆に苦しい。以前のこんな時に子がどんな顔していたか思い出せない。お父さんが見つけてくれたもの、お父さんが教えてくれて好きになったものがあると反応してキャンキャンはしゃぎながらあれこれと買ってもらっていた。ハッピーセットも買ってもらい元夫とは別々に帰る。友達親子にも会ったりして絶好調の子に、あとで少しお父さんと待っててもらえる?とあえて仕方ない感だしながらさらりと言ってみると、子は「やったー!お父さんと遊べる!」と喜びながらも気を遣っているような空気でもあって、私は過剰に反応するでもなく子の独り言として消化する。一人で何をするかアテがあるわけでもない。とりあえず私が予約した絵本を取りついでに図書館で少し座ろうかと思う。その前に自転車のブレーキの効きが悪いから自転車屋さんに寄っていく。預かりになって結局計画通りに近くの図書館に行って時間を潰すのが一番効率がよい過ごし方となった。いつもの児童コーナーではなく一般のフロアで適当に本を取り窓際の椅子に座って時間は過ぎる。自転車屋からも連絡が入り2時すぎ、自転車を引き取って帰り。元夫は珍しく私が買ったソファに座っていて、帰ったあと台所をみたら残り物のカレーも食べたようで、私がいなければここでも羽を伸ばすらしい。

夕方、子のハロウィンの仮装は家にある物で作り込むつもりだったけど、どうしても魔女のとんがり帽子にしたいというので期待できないけど100円ショップへ見に行く。やはりこんなギリギリになるととんがり帽子どころかハロウィングッズ自体が品薄。阿佐ヶ谷の少し広いキャンドゥやダイソーまで行くけど理想のものはなく。まちおかでお菓子を買って帰り。

夜、子が熱心にスマホのカメラで今日買ったおもちゃなんかを撮影していて、今日ここにいたはずのお父さんに一日の終わりまでは見届けてもらえないことの切なさがこみ上げてきて、その姿をお父さんに知らせると、思った通りに撮れるようになると楽しいよと、元夫が助言したらしかった。たまに話すお父さんの言うことには子がしっかり耳を傾けているのがわかる。私じゃない目線の頼れる大人がここにいることを願ってやまない。そこに離婚を進めている友人からの連絡で現実に引き戻される。公正証書はどうしたかという話。もちろん作るつもりで協議書を自作してあって、公証役場にも問い合わせをしてあるから分かる限りの情報を共有する。最後に彼女は私のことがあって自分も背中を押されたといって感謝していた。当の私はまだ納得がいっていないが。離婚から証書作成まで期限があるわけではないし、私は元夫との関係を探り探りでいる。関わりが成り立たなくなったらいよいよ文書で約束するしかない。本当にどうなっていくんだろう。このままの一生を受け入れなきゃならないんだろうか。今の子どものために日常を共有できるお父さん的な存在は欲しくて完結を焦る気持ちもある。こうなったらマッチングアプリの世界を見るだけでもやらなきゃとヤケクソで積極的になって登録をして眺めてみたけど、シングルの再スタートのためを謳うそのサイトにいる人のプロフィールをざっと目にしながら、それが本当にいる生身の人だとは、そんなことがあるなんてもう全部が嘘のようで、私には無理だと逃げ腰になるけど、でも今の自分がいられるのは正直こんな場所しかないのかもしれないとも頭をよぎる。とにかく子どもにお父さんのような人が欲しい。自然に身につくことが偏っていくのが怖い。本当にこれから生きていく子どものことしか考えられない。