どうにもならない日

こんなはずじゃなかった2020年からの生きる記録

2022年2月1日〜2月13日

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最悪な誕生日のはじまり。目覚まし時計のコラショが祝ってくれるのが虚しい。子の熱はギリギリ37.5度以下の37度台だけど声の張りはいまいちな気がするし、なにより先生に言われた通り大事とって休み。でも私だけ保護者会にはいくつもり。二部制の今日は後半。元夫に10時すぎには来てもらい、10時半から保護者会へ。まずは主任先生の他に唯一残っていた常勤先生が今年度終わりの三月で退職するとの知らせ。実は昨年結婚していたとかで、相手の地元の千葉に引っ越すことになり通勤は難しいとのこと。この園でこの時代にいた先生がたまたまそういうことなんだけど、幼児教育に携わるお年頃の先生が皆、夫となる人の地元に引っ込むという柔軟性を持ち合わせていることにただ感心してしまう。新天地でもこのキャリアは活かせるからというのもあるのかもしれないけど。ともかく、この園は現状、次年度の常勤先生が一人しかいなくなる。園児数もぐっと減るし、どうなってしまうんだろうか。卒園してしまうけど子が成長した時にも振り返られるように存在はしていてほしい。まぁ教会の幼稚園だから無くなることはないかな。そしてなんと次のお知らせは急なことに明日から今週いっぱい休園するとのこと。まず補助の先生が家族が濃厚接触者になって大事をとって休みになったから保育の手が足りないこと。また、2月中旬に控えた年長のお泊まり保育をどうしても実施したいから、ここで一度休園措置をとることにしたという。納得。子がこのまま休みに入ってしまうのはやりきれないけど、二日後の節分、毎年恒例の鬼が来るかどうか、隣りの幼稚園ではひとり子どもが食べられたらしいとか噂して少し前までワイワイしていた子ども達のことを思うとまた悔しい。お知らせは終わり、ここ最近の先生は進級就学にむけた話をよくする。大人の時間に子どもを付き合わせるようになっているのが問題ということ。現代にはじまった話ではなくスマスマがやっていた時代から、子どもがこんな時間まで起きているとはと先生は驚いたという。直接それが原因とは気づかないまま不登校になっていってしまうらしい。だからまずは成長には生活習慣を整えて健全なリズムを身につけること。必要な睡眠時間を把握して、一度真っ暗にして家が寝静まる空気にするのがいいと先生にはこれまでも度々言われてきた。元夫も共に暮らしていた頃の自分は子どものリズムを崩さないようにといつもやたらにピリピリしていたから、二人暮らしになった今は自分次第の自分ペースで気兼ねがいらないからその点ストレスはなくなった。大人都合の環境でも子どもは育つだろうとも思うけど、子どもには子ども視点の世界があることも守りたいとも思う。会は終わり、帰りがけ先生が子はどうかと声をかけてくれる。熱はさがったけど大事を取って休みましたと伝える。小児科では周りにコロナは出ていないかと聞かれたのだけど大丈夫でしたかね?と聞いてみると、うんうん、そういうこともあったけどまぁちょっと前だからね、もう無いと締め括られて、え、あったんだ?とは思ったけど、時期がズレているというなら違うか。少し前まで一週間以上休んでいるクラスの男の子がいたなとちょっと思ったけど、休んでいるうちに時間は経っているし関係ない。うち今日子ども休みなんだよねとかママ達と話しながら、決まってた明後日の仕事の日どうしようかなと考える。節分の日は全員出動のシフトになっていて、それだけ忙しくなる予定なのだろう。唯一事情を知っているママ友が、うちでみようか?と言ってくれてるけど体調次第なところもある。焦る。今のうちにとオオゼキに寄って帰る。子は復活してはいるけど一応病気のテンションだからポカリや、お買い得品として積まれていたお粥を買いまくるという、これも勘がはたらいていたのだろうか。勘といえば、ここ最近なんとなく考えていたことがあって、コロナ禍になってから誰も彼もがコロナの影響で大変とはいうのだけど、直で自分がコロナになって大変というのは聞かないのが変な感じするなぁとか思っていた。コロナになるのが一番辛いことのはずなのに、“影響”の人の方が声が大きくて、そもそもの“コロナ怖い”がどこか見えなくなってる。この二年近くのことだけどちょうど最近気になっていた。
元夫は家で作業をしていて子はやりたい放題に遊んでいた。ママ友が昨日プラザに行ったらプラザも今週金曜から一週間ばかり閉館するとのことだったと連絡をくれる。図書館と同じく、職員さんが区の手伝いに駆り出されるとのことらしい。お裾分けのトマトが良い感じになってきてるんだけどどうする?というけど、どうしたらいいか。
公式なクラスメールで、今日の前半の保護者会では周知漏れがあっては困る話があったので欠席した人はクラス委員に連絡を、との知らせがくる。そんな大事な話、なぜ後半ではしていないのか。または書き間違いで「周囲に漏れては困る」なのか。もしかしたら先生が言っていた少し前にコロナがあった、という話かなと思った。保護者会を二回に分けてるとこうして内容が少し違ったりすることはある。
一時を過ぎて、まだ元夫は仕事をしていたのでケーキを取りに中野へ行く。不二家の前まで行って、ブロードウェイの地下の催事スペースで今日は耳ツボをやってもらえる日だったことを思い出し慌てて地下へ向かう。ポーチ作りのワークショップがある土曜にまとめてやろうと思っていたけど、週末は来れるかなんとなく不安な予感がして今日。主催の女の子達は私を覚えててくれていて、本当に来てくれたんですね!と盛り上がってくれた。時間がない。沢山の耳つぼジュエリーがあるけどじっくり選んでもいられないから、パートのことを考えて控えめな色味を直感で次々選んでいく。選んだら10個取りつけるのはあっという間にやってもらえる。どこに何色だとかは一目で世界観が素敵だとわかった彼女のセンスにお任せして間違いない。周りをゆっくり見ている余裕なく足速に不二家でケーキを引き取り帰る。左耳上の方に入れてもらったツボが常に押されているようにじんわり感じていて、これは効果を感じる。やったそばからまたやりたいと思った。2時すぎに帰り。元夫は集中して仕事をしているようで子はプライムビデオをつけっぱなしにされたままおもちゃを散らかし一人で遊んでいた。ケーキきたよというと喜ぶけれど一応熱を測るとなんと38度超え。子には見せずに元夫にどうしようと囁きつつ、慌てて解熱剤をのませ、無理矢理寝かせようとしてみる。焦る、焦る。昨日の小児科に電話。いま解熱剤飲ませたし寝かす体勢を整えたからあとでと思ったら小児科は3時にきてくれという。着替えさせたり準備をして、帰ってきたらケーキ食べようねといって自転車で小児科へ。別室に待機。が、入った途端に子がヒィッと咳込み息が苦しそうに吐きそうになったから瞬時に背中を叩きさすりしながら、すみません!すみません!と叫ぶと、看護師さんが嘔吐用の器をもってきながら落ち着いて子に小さくていいからゆっくり息してみたいなアドバイスをしてくれていたと思う、でもこれは一瞬で今日も厳重装備の先生がなんだどうしたんだよと言いながらやってきた時にはもうおさまっていた。先生はまだそんな心配しなくてもといった様子で、でも私が気にしてるなら仕方ないというようなテンションで近くの子どもも検査ができる総合病院のPCR検査を予約の電話をいれる。それでも2日後とのこと。他でそれより早く検査ができる保証はないしそれでお願いする。もし子が陽性だったら。そして私にも感染していたら、その検査受けれる日あたりから症状が出るはずだと言われ、そうなるとその時連れて行けるのかどうか緊張が高まる。無事検査を受けて子が陽性だった場合、私は保健所経由で検査を受けられると先生は言う。ん?陽性者と濃厚接触者でどうやって受けられるのか?と聞くと、それは自宅まで唾液をとりに来てくれるんじゃないかなと先生。その流れはわかった。そして今日は薬をすぐ脇の調剤薬局から届けてくれた。万が一ということで一週間分くらいもらっておく。終始子は物静かで自転車で帰る時も置き物を運んでいるようだった。熱は下がっている。子も無理矢理楽しみにしているかのような感じはあるけどお父さんもいるしもう意地でケーキを食べるような流れ。ローソクを立てて歌って、フーはできないからパタパタあおごうねと言って火を消す。三人でどうにかケーキを食べるが私がもうずっと胸のあたりがキューっとなっていて吐きそう。
方々に連絡。まずはパート先の店長にショートメールで休園になったから節分の日は欠勤する旨を伝え、預かりをかって出てくれていたママ友にはそういうわけで休むことにしたから大丈夫と伝える。お裾分けがあるといってくれていた仲良しのママ友にも経緯を報告。もしかしたら色々買い出しを頼むかもしれないとも言っておく。快く引き受けてくれて、そしてやっぱり今日は子の誕生日だしどうしても渡したいからドアノブにかけておくねと連絡来たのが夕方6時前。子は一見特別不調そうには見えないけれど静かにぼんやり遊んでいて不安なのかもしれない。その不安を煽ってはいけない、そう思ってはいるけど体調がいつどうなるか分からない状態で子どもと二人きりなことに心細くなっていた。ママ友からLINE。子どもと玄関に届けてくれた写真とメッセージ。取りに行くともう外は暗かった。今の私はこんな時間に子どもが外に出て来てくれたなんて、というくらい孤独な時間だった。子と袋をあけてみるとトマトやご当地お菓子のお裾分けの他に、駄菓子やピンクなプラスチックの子ども指輪が包まれていて、お友達のメッセージカード。子ども文字のサンプルかのような子どもの字でお誕生日おめでとうと、「ピンチになったらたすけにいくからね」。ぼたぼた涙が落ちる。取り残されたように不安で孤独のなか、このたった5歳の子のメッセージは本物の希望で、おいおい泣く。そして自分の実の親の方はしんどい。昨日の今日でその後どうだ、家族の皆ここにはいない夫はどうなんだとのメールに、ちょうど仕事が忙しくてそんなに関わっていなかったのが救い、仕事場にこもってもらってる、と当たり障りなく返して落ち着いてもらおうとしたのに、そんなに忙しいって一体なんの仕事なんですか?と、こっちはそれどころじゃないのにあらぬ方向に噛みついてくる。無視しかない。体に悪い。
夜はまた38度を超える。散々な誕生日だった。少し咳き込んだりもしはじめて心配。でもなんか違うのは本人はしんどそうではないところ。これまで38度も出ればぐったりしたり明らかに苦しそうになるはずなのにそんな様子はない。やはりこれがコロナなのか。だとしたら想像したよりは発症もしれっと日常に紛れ込んでる。私もピリピリしていられるだけの元気はある。私だけシャワーで洗い、明日はただ引きこもりの日だし子は入浴もしない。この数日勘で揃えていた物が良い働きしてくれる。ヴェポラップを塗りたくって、冷えピタをして寝かす。布団は二組のまま、今日から頭の向きを逆にして寝ることにした。


2/2
昨夜は苦しいのだろうか寝ながら口ではぁはぁ呼吸しているのが珍しく可哀想だった。どうせ幼稚園も今日から休みだと思うと少しは気は楽。朝イチで私が何かあったら通っている内科に電話してPCR検査はどんな感じか聞いてみたら今は結果まで3〜4日かかるとのこと。となるとやっぱり明日の総合病院しかない。朝の体温は37.1度。食欲もあまりなくようやく薬を混ぜたヨーグルト食べて36.5度。玩具や子の全てがある日中過ごす部屋を汚染部屋にするとしても寝るのまでそこにするのは難しい。寝室はこのままいくとして、私がその寝室や距離をとって台所で過ごすことにする。子は観たい映画をリクエストしてきたり、思う存分好きなように過ごさせている。私は朝から晩まで、寝る時も出来るだけマスクをして、子にも話しかけにくる時にはマスクするようにキツく言ったり、トイレに行く時も水道を使う時も、ともかく全ての行動は勝手にやらず私に確認をとり、そして私の指示通りに動くように徹底させる。ネットスーパーを使うことにした。子が赤ちゃんの頃、子育て世帯の基本情報に流されて登録だけはしたけど近くのスーパーをあっちこっちするくらい余裕があって結局自分の生活には必要なかった。水をひと箱、猫のトイレ砂、レトルト粥の追加やアルコール除菌ウェットティッシュ、使い捨てポリエチレン手袋など、思いつく限りを頼んでみるけど送料無料の域には達しなかった。なにより調理をする気になれない。
子の熱は36.8度。便は緩めで、これは薬のせいだろうか。午後の熱は36.3度。解熱剤なくても自然と熱がさがっている。しかし私にも感染していたら明日あたりから発症するだろうと小児科の先生に言われたため気が抜けない。そしてオミクロンは発症してから3日〜6日が一番ウイルス量が多いと、この二日間散々検索しまくってそんな情報もみた。今のところはなんともない。椅子に座っているだけのいつもより劣悪な環境で過ごしているのにも関わらずだ。一時間、二時間と一日が過ぎていくのをじっとりと待つ。たまに寝室に移動してゴロゴロしていると、子が入り口に顔を覗かせて熱がないんだよね?と言ってマスクをして駆けてきて、ぎゅうできる?と弱々しく聞いてきた。可哀想になってぎゅうしてしまう。お昼にはレトルト粥。食欲は風邪の時より回復が早く、ひとパック食べ切った。36.4度、体温は安定。数日前ファミペイのクーポンでもらったえんどう豆スナックを食べたいという余裕もある。たまにゴホッと咳をして、喋る声も小さい。いつものように遊びながらのひとり喋りもない。
夕方、熱は36度台。よしよし。しかし自分の食欲がない。疲れやすい気もする。不安すぎて一日中ツイッター眺めて誰かの言葉をみてた。杉並区の1週間で感染経路不明が過半数、10歳以下は一日に40人は陽性になってる。うちもそのなかの一人になってしまうのかどうか。
明日はようやくPCRができる。これではっきりする。気を張った生活の一区切りになるはずと期待もある。
夜、あれこれ気を揉みながら過ごしているのに猫がまたうるさくてそれだけで病む。ヴェポラップ、冷えピタ、加湿器。コラショの目覚まし時計はおやすみ時間の設定はオフにした。


2/3
今朝の子は喉が詰まるような症状があるらしく、ひたすらトローチを舐めさせる。発症した日から毎日処方してもらった薬も飲んでもう4日目なのにまだ良くならないのだからコロナだとしても心配。
私もお腹ゆるくなってきたような喉になにか張り付くような、そんな気がして怖くて不安で不安でたまらない。ネットで即日結果の出るPCR検査を探すけど、高いし当日に全工程をこなすハードルが高い気がして、抗原検査なら五千円くらいで手順も手軽。思い切って手配してみる。昼過ぎにチャイムが鳴る。ネットスーパーの品物か抗原検査キットか、キットだった。喉の奥に綿棒のようなものを擦り当てて、それを浸した液体を検査チップに垂らしてしばらく待つ。赤いラインが浮き出る方式、妊娠検査薬以来のドキドキ。結果は陰性。努力が報われたような、一気に不安は吹き飛び、これなら引き続き頑張れる頑張ろうと気が引き締まる。ネットスーパーの荷物はジャンルごとにほんの少しずつで一番大きなスーパーの有料ビニール袋に入れられていて贅沢。
2時過ぎに家を出る。まるきり外に出ていないのは昨日一日だけなのに懐かしい気がしてしまう。良いお天気で暖かい。こうして平然と外を自転車で走っていると私達が感染ギリギリのところにいる人とは見えないだろうなと思う。環七沿いにある大きな病院を目指す。二年前の春、ちょうどコロナが始まった頃に子が怪我をしてこの病院にしばらく通ったことを思い出す。元夫が手を貸してくれていた頃の生活は行動が潤っていたなと思う。ひとりで全てに対応するのは出来なくないけど疲労感があの頃の倍以上。小児科で渡された資料に従って病院の敷地内に入る。郵便ポストのあたりで待つように書かれていたけど、近くにいた警備員さんに目配せすると、自転車は普通に駐輪場に停めてきて少し広くなっている屋外のスペースで待つように言われる。本来は院内のカフェの場所らしい。オープンテラスになっていたのか、ドアから顔を出した看護師さんが外椅子に座ってもうしばらくお待ちください、と声をかけてくれたけど、広い通り道で見つけたてんとう虫と子が睨めっこしているうちに呼ばれた。ここが小児専門の検査場所。中でも何組か待っていた。パーテーションで仕切られた場所へ移動する時には他の親子がチラチラと見える。くたびれた感じの人なんていなくて、メイクもしっかりバシッとお出かけの装いのような人もいる。親子共々つらそうな様子はなく皆んな平然としていた。問診する先生は忙しなそうに体調や症状を聞き取りしてきた。子どもが陽性の場合、今からでも感染する可能性はあるから気は抜かないようにと話される。子の症状が出る前日まで食べ物はシェアしていたし当日の朝残した牛乳だって飲んでる。陽性だった場合、私もとっくに感染していてもおかしくないとも思うのだけど。鼻の奥にグリグリとする検査方式。ボックスのなかに入って、取り付けられていた手袋を通して看護師さんが外から処置をする。不安な子は親も一緒にボックスのなかに入って頭を押さえるのだろうけど、子は看護師さんに聞かれても一人で大丈夫と言って命拾いした。結果は5時過ぎになるとのこと。外にいるのが居心地悪くて私はさっさと帰りたい。子はなぜかあちこちにいるてんとう虫を異様に可愛がって連れて帰ると言い出して、寂しいんだろう、自分の手を行き渡らせながら好きなようにさせてあげる。道中、家が同じ方向のクラスの子に出会ってしまい気まずくなりながら並走する。
本当にてんとう虫を家の中まで連れて帰ってしまった。逃してあげるように勧めても駄目で、仕方なくちょうど取っておいたイチゴのパックにいれてラップで蓋をする。ひと段落してスマホ上着から出すとクラスLINE、長文に目をやり凍りつく。午前保育の月曜、分散保護者会からの休園と続き気が付かなかったけれどその子は月曜から休んでいたようで、週末に発熱、
喉の痛みと発症して、二日後に母と小学生の兄が発症しコロナと判明したとのこと。これは。もう間違いなくうちも陽性だなと確信。彼女は抗原検査で陽性だったとのことで、てことは抗原検査で陰性だった私は本当に感染していないのかもしれない。すぐにこのママと個別に連絡をとる。発症が約2日差だからその子からうつってきたのだろうか。または時間差で同じ感染源に当たったのか。偶然にもその子は発症前日に家が近くの子達と家遊びをしてペチャクチャお喋りしながらお菓子を食べていたというのに、そのメンバーは母子共に無傷ということで、一体どういう流れで感染をしたのか全く見当がつかない。昼頃に幼稚園発信の一斉メールで、体調に異変を感じたら必ず医療機関を受診するようにとわざわざお知らせされたことも、こうなると園では何か気づいたことがあるんじゃないかと思えてくる。
依然として子と私は距離をとったまま、子どもにあちこち勝手に触らせないだけでなく自分でも、手を洗う前はこっちからハンドルを触って洗ってからはこっちから止めるだとか、子の使った食器はこのスポンジ、手拭きタオルはこれ、と全てを分けてもう狂いそうになってきた。神経がすり減る。待ちに待った5時過ぎ。予定通り病院から電話。電話の向こうはまだ忙しそうなざわざわした雰囲気を感じる。結果を報告します。陽性です。息を呑んで落胆すると、お母さん、驚かれたかもしれませんが今はそういう感じなんですと忙しそうに先生は続ける。私は優先的に検査できるんですか?と聞くと、いやあらためて予約電話をしてもらうことになりますとのこと。このあとの流れは今日もらった資料を参考にするようにと、保健所からはメールが一本いくだけ、もうね、パンクしてるんですよ!と言葉にして先生は半ば呆れたように嘆いていた。手数をかけた分、陽性という結果を出せたことには誇らしくなってしまうがそういうことじゃない、ふつうに困る。オミクロンは3〜6日間の間の方がウイルス放出量が多い、そのことが重くのしかかって陽性が確定して緊張感はより高まるだけだった。子どもは軽症、外から見る限りは確かにそうかもしれないけど発症から4日目でもまだ症状は変化して残り続けていて、当初より声は出しづらいようだったり、そのせいか元気がないようにも見える。本当に悔しい。節分イベントのあちこちで手に入れたもののお裾分けをママ友親子がまた玄関に届けてくれる。うちはあんなに楽しみにしていた豆撒きどころじゃない。そんな友人家族の二年間に比べると私達なんて大胆な行動は控えて日常のなかを動き回るだけの休日を過ごして気にしてきたのに、その中でも素手て食べ物を触らないとか、マスクをきちんとするとか、散々子どもにも注意を払って口うるさいくらいに制限させてきてしまったのに、どうして我が子が感染しなきゃいけないのか。ならば歩き回っているやつ皆んな感染して辛い思いしてくれなきゃ納得いかない。本当に、そうして全てを憎みたくもなる。せめて隔離生活の負担を減らすべく、今までの生活に足りなかったものをネットで思い切って次々と買い物をする。暖かい布団カバー、毛布、延長の電源タップなど。
夕方、園からコロナ陽性発覚のメールがくるも、例の子だとわかるから驚きはない。うちも報告しなければ。明日はほうぼうに連絡をする。私がいま感染していないにしても10日間は動けないことは確定した。これでもちょうどいいタイミングで2月2日だかに療養期間のルールが変わり、濃厚接触者の待機期間が短縮されたのだ。同居家族でも症状がなければ7日で待機解除となる。掟通りだったら私ももう感染しているはずで症状が出てもいいのに体感はとくに無し。抗原検査も陰性だったわけだし、私は子の発症3日目の今日から6日までのヤマを乗り越えるべく気を張ることには変わりない。
今日の入浴は私が先に入り、出てから子をお風呂にいれる。マスク、サングラスをして頭を洗ってあげて、あとは一人で出るところまで。子は静かに入っていた。
お腹は空くような気もするけど何も入らない。マスクを外すのが怖い。子に食事を与えてその処理をするだけで手一杯。確かな情報もわからず、念のためで使用する食器を分けて洗浄するスポンジを分けて置く場所も分けて、手拭きタオルも別。遠くから見守るだけで、テレビのリモコンひとつ触らせられない。タブレットやPCの画面に触れようものなら金切り声をあげていた。就寝。布団は別、加湿器をつけて額には冷えピタ、ヴェポラップを足裏や胸に塗ってあげて距離を置いて絵本を読み寝かす。私も隣りの布団で頭を逆にしてマスクをしたまま寝転がる。まだ続くのにもういちいち限界を感じる。連絡をとっていたクラスのママから、結果どうだった?と連絡がくる。子や私の状態によっては黙ってシラを切ろうかと悪い考えも頭をよぎっていたのだけど、子もなかなか完全復活といかないし正直に全てを伝えた。私が迷ってしまったのは、療養期間の最終日が誕生会の日であること。ずっと心待ちにしていたことだし一日くらいどうにかならないかとヒリヒリしている。クラスのママは上の子もいるから園のこともよく分かっていて、誕生会できなかったら翌月一緒にやってもらえるよ、とのこと。なんだそうか。幸い最後の3月が残されている。よかった、ひとつ気がかりはなくなった。あとは私。一緒に陽性なってる方が楽だよ、きっとなってるから早くはっきりさせた方がいいよ、とのこと。楽にはなりたい、でも本当に陰性かもしれなくて子どもの6日目に感染、2日後とかに発症したらそこから10日、えらいことになる。いまは体調的には普通に過ごせていて、夜寝ている時に口が渇くというか喉になにか張りつくような、口内でだけ若干の違和感があるけど花粉症の薬を飲んでいる影響くらいの感じもするし、ともかく辛いというほどの症状ではない。クラスのママが引き続きPCRを受けられる場所の情報を知らせてくれる。頭に入れつつ、まずは自分が行きつけの以前PCRをしたクリニックに聞いてみるとして、まずは夕方にきた保健所からのメールにあったリンクにアクセスして東京都の自宅療養物資とパルスオキシメーターを申し込んだ。随分前にツイッターでこの自宅療養セットにたべっ子どうぶつがあった様子をアップして百合子センスいいじゃん、と言っている人がいたことを覚えているほどに物資というのを楽しみに感じている自分がいる。ちなみに保健所からのメールよりも先にココアに登録しようとの知らせばかりきていたけど、子どものことを私のスマホで設定してどうなるのだろう。やり方もややこしくて理解もできず放置している。
寝てると喉が気になって目が覚めたり寝たりを繰り返して明け方4時頃、人目につかない時間にゴミを捨てにいったほうがきっと自分のためにも良いと怠けたい体に鞭を打って外に出ると、息もよく吸えて寒いというより気持ちよかった。リフレッシュしてまた布団に横になりながら仲良しママ友のインスタにリアクションする。今日は予定通り神社の節分行事や駄菓子屋の節分企画に行っていたようで、うらやましい。すぐにママ友から詳細の補足メッセージがくる。こんな時間に起きてたの?というと寒くなってから毎日大概こんな感じといって、寝かしつけから寝落ちして慌てて起きて洗い物や明日の準備をしてるとのこと。私なら全て朝に持ち越すところだからこんな時間に行動できて偉いとしか思えない。本人はきっと体に悪いよねと苦笑いの絵文字をつけてきた。今の私は朝が待ち遠しい。


2/4
今朝の子は若干鼻づまりっぽい。そろそろ落ち着いてきてほしいのだけど。ネットスーパーで買っておいた普通のヤマザキの菓子パンを食べて平常心を保つ。まずは幼稚園。担任の先生が出る。子はコロナ陽性だったことを伝える。気になる誕生会のことを聞くとやっぱり来月一緒にやってもらえるということで、大丈夫よと言って笑っていた。復帰はうちの前に罹患した子と同じ日になる。長期休むのが一人じゃなくてよかったと思う。それと同じでどうせ罹患するならやはり私も一緒の方がいいに決まってる。夜中決心したように私が以前にもPCR検査をした呼吸器内科のクリニックに電話をして聞いてみると、検査してから結果は3、4日後になるという。やはり前とは状況が違う。他、近くのクリニックを探して問い合わせ。検査自体すぐにできず5日後だったり、症状が無いと対応してもらえない可能性もあるのがわかった。クラスのママが教えてくれた幼稚園より向こう側方面の馴染みのない場所のクリニックに電話して今度こそ、なんか喉の違和感があって、とアピール。頼りになりそうなしっかりとした口調の看護師さんがテキパキと対応してくれて11時に来てくださいとすんなり決まった。ここも、この前に連絡したクリニックと同じく先生の自宅のようで、休日でも先生は結果連絡をしてくれるとのこと。助かった、いいところがあってよかった。ひと安心して小学校に電話、今日の説明会に行けないことを伝える。落ち着いたら資料を取りに来てくださいとのこと。同じ学校へ行くママ友にも連絡、補足をあとで聞くから頼んだと伝える。健診センターへ連絡。区の健康診断の予約が今日だったところ、休園となりすでに変更していたけど、今度は濃厚接触者になったからといってさらに予約を変更。今月が期限だから日程はなかなか厳しくなってきた。
病院で渡された資料にもう一度目を通して、ホテル療養についても聞いてみる。東京都のコロナ陽性の対応ダイヤルの保留メロディが無駄に良い音楽で、おっ?!となる。都会の商業施設で流れていてもおかしくないような、無印とは違うけど心地よさすら感じて悲壮感が和らぐ。世話が必要な幼い子の付き添いだとしてもとにかく陽性でないとホテルには入れないらしい。対応してくれた女性と色々話して、最後には是非陽性になって、お待ちしておりますと締め括られる。ハードルはさがった。
昨日から子が着せ替えシールがやりたいと言っていて、こんな時こそやりたいことやらせて気を紛らわせてやりたい。それにおもちゃを出して片付けられなかったとき、私が触れなきゃならないのも嫌だなと思う。使い捨ててよい物が今はちょうどよい。いつもの仲良しのママ友におつかいを頼む。100円ショップでその着せ替えシールとらくがきちょう、さらにポリエチレン手袋、ネットスーパーで買ったやつは少し良いやつでちょっとの使用で使い捨てるのが忍びない。そして子ども用マスクを箱で。全て同じ年頃の子がいるママだからこそツーカーのラインナップ。他の園だから子どもが登園しているし頼みやすかった。
こちらは支度をして予約をしたはじめてのクリニックを自転車で目指し環七を走る。陽性の子どもを連れていくしかないことも承知してもらえている。もうコロナ初期のような徹底した包囲網はとれない状況で本当に自主管理でしかない。都だか国だかも陽性者の買い出しも致し方なしとしているようだった。民家のなかにある診療所、うっかりしたら見落としてしまいそうだった。玄関口を開けて看護師さんが外の様子を伺っていて、その場に子を乗せたまま自転車を置かせてもらい私だけ玄関に入る。そこで検査をするらしい。古めかしい雰囲気で、こんなところでPCR検査ができるともにわかに信じられないが、受付口のなかは隙間から見てもベテランだろうと思われる手際で数人の女性が働いていた。体温36度台、パルスオキシメーターの数値も100とかそんな感じ、症状あるのよね?と確認されて、喉がおかしいような〜と、かといって具体的にはいえずオロオロしてしまう。でも本当に、何か違和感はある気もするんだけどでも寝ている時はだけで日中はなんとも無いし、このなんとなくをなんと言ったらいいかのヒントもない。むしろ喉の奥を診て確認してほしいのだけど、今の状況ではそれもしてもらえず、とにかく問診と検査あるのみ。子は勝手に自転車を降りてその近くをうろついたり引き戸の隙間からこちらを覗き込んだりしていてとても陽性患者には見えない。先生は血液もとって他に何かあるのか確認してくれたけどなんの疑いもないらしく、とりあえず風邪薬といって薬を出してくれた。私の会計は無く終わり。次の二人組とかも到着していて、やはり皆ぱっと見とても体調不良の人には見えないから、今のコロナはそういうことらしい。裏手の公園で少し深呼吸。子はてんとう虫のパックに入れるべく草を摘む。さて帰宅。大通りの横断歩道を渡ったところで、プラザの先生がいたと子が言うものだから立ち止まって振り向いたら、その先生が駆け寄ってきてくれたから瞬間に近寄らないように伝え、ほどよく距離を取りこの数日のことを話す。プラザの方は今日から閉めて保健所対応の仕事になるとはママ友に聞いていたと話していたところで、そのおつかいを頼んでいたママ友が通りかかる。ちょうどよかった。自転車のカゴに荷物を全部入れてもらう。少し立ち話。そこに前から階下の家族のお母さんが歩きて通りかかり会釈だけする。お勤めしているけど今日休んでいるということは、やはり同じ小学校に決まって説明会だから休みなのだろうか。生活音が丸聞こえの関係で同じ学校となると気が重い。少し離れた小中一貫校に希望するといっていたけど、決まってくれるといいなと心底思う。
帰って買ってきてもらった着せ替えシールを渡すと歓喜。めちゃくちゃ集中して遊ぶ。気が楽。ということで私もまた元気が出てきて子が食べたがったハッピーセットのためにはじめてUberを使ってみる気になった。はじめて特典ですごいオフサービスがあるのにマックでそれを消費するのが悔しくてどうにか他のものにできないか、または他サービスでハッピーセットを買えないか、1時間くらいスマホをこねくり回すも子も一歩も引かず、諦めてUberでマック。二人の二、三食分くらい買い込んで250円。自分だとテイクアウトするのに気が引けるドリンクも人任せに頼めてしまう便利さに味を占めてしまいそう。
夕方、幼稚園から休園を8日まで延ばす連絡が入る。やはりクラスで立て続けに出て用心することになったのだろう。私の検査結果が出たらクラスに伝えようと思う。
子は喉が復活したのか以前のようにずっとひとりで喋っているようになった。こうなると私の対策も緩んでしまいそうだけど、結果出るまで踏ん張らねば。依然として離れた場所で私は日がな一日スマホ握って何度もコロナについて調べたりネットショッピングをしたり、ツイッターで他人の日常をみて孤独を紛らわしている。こんな引きこもるしかない時だからあれやろうこれやろうと考えたりはするけど時間がたっぷりあると思うととにかく無駄なことばかりしてしまっていた。
子は食欲も出てきたみたいで夜もマックで買っておいたチキンとか食べて水分も摂れるようになり、これは本当によかった。保健所からようやく例の一本のメールが届く。この分だと物資はいつになるんだろう。療養明けになるところでようやく届いたとの話もSNSでみた。説明会に参加したママ友からは、ここ数年単学級が続いていたが次の新一年生は2クラス確定との知らせ。またひとつ肩の荷が降りる。が、となるとさらに階下の人の行方が気になるところ。
藤井フミヤコロナ感染のネットニュースを見てハッとする。室内でも手持ちの黄色レンズのサングラス姿の自分がフミヤに重なって、これでも感染はするんだなとちょっと笑ってしまう。金曜ロードショーゴーストバスターズを子が見始めて、早く寝たほうがいいんだけど自分は少しでも長く起きていたい気持ちもあって、ついダラダラ過ごしてしまう。それでも最後まではみせずにどうにか就寝。明日は5日目。自分の体調も変わりなし。


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パルスオキシメーターが届いた。これだけが先にくるということは、物資はやはりSNSにあった通りいつになるか分からない予感がした。朝イチで実家の父に食料を頼むことにした。こちらでイメージした物を人に伝えるのは難しい。ただ親だと値段のことは気兼ねいらないところは良い。りんご、イチゴ、みかんと頼むとマスカットはどうだ?と追加してくる。まぁ拒否するほどでもないから任せる。100%のリンゴジュース、薬を混ぜるためにいちごジャム。あとは私も食べたいからアボカド。どうせ送るのだからもっとないのかと言われ、ママ友に頼んだ着せ替えシールが便利だったから100円ショップで遊べるシールブックとらくがきちょうの追加、使い捨てできる少し深い紙皿と捻り出す。父ははりきって買い物に行っているらしく、スーパーをまわりながらこれはどうだなんだと電話してきて裂けるチーズを追加。子の好物だけとあまり買ってあげられないものだし貰っておく。
ティッシュとのど飴はすぐに欲しい。元夫に伝えて買ってきてもらう。玄関先でいいのに中まで持ってきて、そのくせすぐに出て行った。何がいいのとかそれこそ現場から連絡がくるとばかり思って具体的に言わなかった自分のせいで、のど飴は子どものと思ったのか、はちみつレモンみたいな緩いものだった。もう私のために細部に気を配ってくれることはないことを忘れていた。
夕方、クリニックから電話。あの雰囲気で早速翌日に結果が出るとは有り難いうえにやはり、陽性。あっ、と軽く驚くとおじいさんの先生は、そりゃそうでしょう、と呆れたように言った。私はいつ感染したことになるんですかねと聞くと、それが難しいんですよ、保健所に報告しなきゃならないし、とブツブツ言う。真っ当にいったら2/2辺りですかねとこちらから考察すると、そうなりますかねぇそうしますかねとかなんとか流されながら、あらためてはっきりと、食べ物はあるんですか?と聞いてくる。東京都はもう当てにならないと声を荒げながら、一番いいのは親御さんです、実家から荷物を送ってもらうのが一番確かですというアドバイス。それなら今朝頼んである。ということで、晴れて陽性。子に伝えるとぱぁっと顔は明るくなって二人で抱き合う。久しぶりの至近距離だった。一気に気が抜ける。もうこれで堂々と暮らせる。個人で関わった人に連絡しながら、さてクラスにも伝えるかなと、クラスLINEに報告。先日園からの連絡にあったもうひとりの感染者はうちだということ、先に報告のあった子と同日から登園すると知らせる。しばらくしたら数人が個別に何かあったら手伝うからねと連絡をくれる。有り難い。なかでもみーちゃん、そういえば、子の最後の登園日、庭でみーちゃんと我が子が話しこんでるねと、絵本の作業をしながら他のママに教えられたことを思い出したけど、みーちゃんのママに何ともないよと言われて安心した。と落ち着いたその夜、また別のママからクラスLINEに報告が入る。その家は双子。揃って二年ぶりに37度を超える熱が出たから検査をしたら一人が陽性とのこと。ただその環境で一人だけなわけは無いから二人ともがそのつもりで療養するとのこと。ずっと休みだったしルートは我が子ではないだろうから、子どもがどこでどうコロナに接触しているのだろうか。
私と一緒に療養となって子は俄然元気になった。子の自宅療養セットが来る前に今度は私の分としても頼んでおく。ココアは相変わらずお知らせを求めてきて、もう誰の何なんだかもよく分からない。


2/6
朝っぱらから兄からLINE。「罹ったんだって?」遠く離れた海の向こうにいる人にわざわざ伝えることだろうかとまた親に呆れたところで兄は「自分も先々週罹ったんだよね」と続けた。発熱なし、簡易検査でポジティブだったとのこと。兄はコロナ禍当初から、自分はいくらでも引きこもっていられると言っていたけど、やはりイギリスでも外に出て行かなきゃならない生活になっていたのだな。

子がホテル療養したがるし私も自分の変化があったら不安だし、お弁当があるからホテルがいいけど、猫が問題。元夫が世話にくるにしても夜に人がいなければ鳴いてしまうかもしれない。やっぱり無理か。いや3、4日ならどうにかなるか…。いやいやその前にホテルの環境の問題で諦めざるを得ないかもしれない。ということで問い合わせ。ホテル療養はひとりじゃないという安心感はあるにしても洗濯は手洗いだしお弁当を取りに行く時だとか温める時だとかは人と接触する恐れはあるらしいし、何より子どもが飲める水分は無いかもしれないらしかった。カップも持ち込まないと温かいものも飲めないわけだし、二人分の荷物は結構しんどいかもしれない。
実家から荷物が届く。父親は物を頼んだ時に理解は早いけど昭和おじさん定型の買い物できないおじさんだから、見るからに皮が剥きづらそうなみかん系の何かだったり、アボカドもカチッカチのいつなら食べれるやらといったものだったり、イチゴも一日3回食べてもいつ食べ切るかというほどの1ダース。ダイソーだったり銘柄のあるものはその通りに買ってくれてある。店員さんを捕まえてなんでもお任せするのが父は得意だ。
家のなかで過ごすだけだから時間の感覚も正月みたいな感じというか、こうして問い合わせなりしていてもまだ早い時間で得した気分。オザケンのブギーバック秘話の長文を読んで引きこもりの現実逃避。堂々と子どもと同じ場所で過ごせることになってもなんかマスクはしてしまう。子の居場所に置いていたてんとう虫をみると普通に動き回っている。子はテンちゃんと名付けて可愛がっていて、こんなパックのなかで案外しぶとく生きている。子がコンクリートの破片や葉っぱなどわや入れてあげていたから居心地は悪くないのだろうか。リンゴのかけらをいれてあげる。ちょろちょろ動くてんとう虫を眺めているのは確かに引きこもりの気が紛れる。お昼ごはんにはクーポンを使ってUber
午後、ホテル療養が決まったと連絡がくる。なんと、思ったより早くて戸惑う。場所は新宿、東横イン。ツインルームとのこと。ただ療養期間までの荷物を思うとしんどい。少し考えることにする。二日くらいで決まるということは物資が届くより早いことはわかった。
夕方、私が検査したクリニックから電話。日曜なのに何事かと思ったら調子はどうですかという確認。手厚い!受診した時に処方してもらった薬で喉がスーッとするから続けたいというと明日、薬局の人が届けてくれる手配をするとのこと。すごい、本当に手厚い。感染者仲間のクラスのママに驚きと報告すると、検査した病院が経過観察する決まりになってるらしいよとのこと。そうなのか。とはいえ子の方の総合病院からは一切音沙汰無しだった。ということでホテル療養は一度お断り。必要なものが揃ったらあらためて申し込みをしても良いかなと思う。園から連絡、昨日のもう一人の感染は最終保育日から日数が経過しているから変わらず9日から保育は再開するとのこと。結局、子の療養期間中はほとんど休園だったことが救い。
実家からの電話は心臓に悪い。自宅待機、これ以上やれることはないというのに、悪くなることもあるとか言われてどうしろというのか。今はまだあまり状態が良くないからと子にも代わらずさっと終わると、すぐに父親からママが泣いてるよ心配しているのに、とメールがくる。心配も行き過ぎると責められているようにしか聞こえない。もし電話を代わった子が少しでも咳払いしようものなら過剰な心配で私が困らされることが目に見えてる。だから良くなって元気になったら連絡します、とはっきりと言葉にして返したらその後はなにも言わなくなった。母親からは、色々やってあげても孫の声も聞けないなんてガッカリですとメール。結局孫と話したい自分のためなわけで、分かってるつもりになりたくて何かと指摘してきては嫌な気持ちにさせるわけで。やっぱり話さないにこしたことない。


2/7
引きこもっている間にヒヤシンスの花が咲き始めた。生きている。朝から知らぬ番号から電話が入り、出ると薬局さん。玄関に提げておきます、お大事にとのこと。有り難い。子の咳払いもまだ気になる。こちらのトローチも届けてもらえるのでは?と思い小児科に連絡、結局コロナ陽性だったことを伝えて薬を追加して欲しいことを言うと身内以外で取りに来てくれと言われる。仕方なく、いつもの仲良しママ友にお願いして、小児科にこの人が行きますと連絡。ネットスーパーで買い物。元夫は連絡をとるといつも忙しくて何も食べてないと言っているし、薬を頼んだママ友には普段からネットスーパー使ってるという話をされてしまうと、もう暗に頼むことじゃないと言われているようでこれ以上頼めなかった。そろそろ自分で料理したくなってきて西友ネットスーパーで注文。お昼は最後のクーポンでUber
今日はネットで買った室内着が届く。私は肺に響くような深い咳が出始めてしんどくなってきた。子と過ごせるようになっても敷いたままの布団に寝転がって過ごす。子もYouTubeを見せているとあっという間に一日が経つ。同じ小学校にかようことになるママから、早く知りたいかなと思って、と説明会の資料の写真が送られてきてざっくり教えてくれる。有り難い。幼稚園とは違いぱっと見だけでも色んなタイプの人がいることにビビってしまった、と彼女。でもこれからは幼稚園のような深い付き合いはなくなるんじゃないかなと思う。子どもの生活に自分が介入しなくなることがそれはそれで寂しくもある。

陽性になったことで給付金があるかなどを問い合わせると傷病手当というものがあるらしい。パートの私にも通用するのかよく分からないけど一応資料は送ってもらうことにした。

薬も手に入ったことだしあらためて9日からのつもりでホテル療養の希望を出した。東京都のコロナ問い合わせの音楽が癒しになってきている。
喉がおかしくなって、寝苦しくすぐに目が覚めては違和感で不安になり寝つけず、夜を越すのがしんどい。ゴミ捨てで外に出る時だけがスッキリする。籠っていて体が辛いだけなのだろうか。


2/8
咳が酷い。もう一度病院に相談。再び薬局さんが薬を届けてくれる。10日の天気予報が雪。また積もるほどの大雪になると言われている。そうなると元夫が猫の世話にくるのかも怪しいし、何より子が雪に心が奪われ始めている。私が12日まで籠らなきゃいけないけど子は10日で療養が明けるし、家にいたら雪を触るくらいはできる。ホテル調整の連絡がくる。今度は新宿の違うホテル。SNSでコロナ療養中の人の情報を探ると東横インより良いと噂のホテル。配食も部屋前まで持ってきてくれるスタイルらしい。迷う。しかし家時間を少しでも快適にするべく頼んでしまった椅子が9日に届く。ということで午後からの入所にしたい。となると送迎の車が相乗りになる可能性が高いと言われ、やはり迷う。もう子の療養が明けてしまうためこれが最後。そして私が咳き込んで喉がガラガラにもなってきていて、改善していないということでホテル延長となってしまったら?という不安もでてきた。子にあらためて確認。子はホテルに泊まりたい欲があったためこれを機にと思ったけど、元気になったら特別にお泊まりに行ってもいいし、と言ったら要はそれでもいいわけで、雪に期待してホテル療養は諦めた。クラスの陽性の子も療養あけたらディズニーランドにでも行ってやろうかと思うと話していたし、私達もご褒美みたいなことがあってもいいだろう。
西友の注文が届いて今日は久しぶりに調理らしい調理をする。豚汁。子にも料理久しぶりだねと言われた。矯正歯科に電話。予約日を変更の連絡。コロナ陽性でと話すと今月の予約でそういう人もう5人とかいますよ、本当にすごい感染多いんですね、としみじみされた。
幼稚園から保育再開にあたっての注意事項のメールがきた。自由遊び時間を全体でごちゃ混ぜになって遊ぶことはやめて各学年ごとで場所を分けて遊び、外でもマスクをするとのこと。歌も讃美歌も歌わない。うちが気にしていた誕生会は中止になって来月合同、保育参観もひとまず中止。感染拡大対策の世間の保育からすると今さらといえば今さらな感はある。
夜は新たなデリバリーを登録してクーポンを使って注文。便利を選んでも中身は結局知ったチェーン店の確かなものしか頼めないでいる。Uberが王道だとしたらその他サービスの勝手が分からずチップを送ってみたりした。

喉がおかしい、寝る前の絵本読み聞かせがキツい。肺が痛い系の咳、渇いて寝れない夜がくる。


2/9
今回処方してもらった薬がいいのかなんなのか、意識を失うように寝ついて気づいたら朝だった。久しぶりにぐっすり寝たような気がする。よくなっているというより日々症状が変わっていくのはわかる。椅子が届いたけどもう台所にひとり座ることもなくなってきていた。子と同じ場所でだらだら過ごす。傷病手当だとか生命保険のための陽性証明について問い合わせ。違う電話番号を案内され療養期間が終わってから手続きするようにとのこと。区のコロナ対応のところに電話したついでに、物資が届かないことを聞いてみると、それは完全に都の管轄だから対応できなくてすみませんと、ひとまず区から代わりに出すとしたら防災の食料になりますがそれでよければ、と言われそれは断る。そういう対応をしてくれることはわかった。保健所が繋がらなくてという話をいまだによく聞いていたけど、私はこの療養期間中繋がらなかったことがない。なんなら混み合ってますとのメッセージもなくすぐに普通に出てもらえていた。忙しい忙しいといって、図書館や子育てプラザの職員も借り出されているからこそ繋がっていたのだろうか。
前にゲームセンターでもらった大きな風船、飽きてきてもいる子が座ったりしようとするものだから割れないうちに買ったバランスボールが届く。背中を伸ばすのにも使える。ここ数日ずっと背中が痛い。
幼稚園復帰したらすぐの雪遊び合宿について変更点があるとクラス委員からメール。泊まりで行くには行くけど時間が短縮になり、早朝に出て着いたその日に雪遊び、翌日は昼頃帰ってくるとのこと。子どもは3人でひとつの布団だった予定を一人一枚に。先生は合宿の日まで毎日抗原検査をして対策してくれているらしい。コロナで途絶えた年長のお泊まり保育。やるのかどうか分からないなりに、お風呂を出たあと体を拭くたびに、お泊まり行くなら自分でやらないと、と掛け声してきたこの一年。子はそれがモチベーションになっていたくらいだから、このお泊まりをとにかく楽しみにしていて、私は正直この年長のお泊まり保育に特別必要性を感じていなかったけど、こんなに子どもが心待ちにしている今となっては私も是非行かせてあげたいと思うようになった。
明日は警報級の雪だというからやっぱり家に残ってよかった。自転車にカバーをかけていないのが気になる。夜はドミノピザ。水曜はなにやらお買い得らしく水曜になるたびメールがきていて気になっていた。9時過ぎ元夫に、もし外に出てるならついでに家に寄って自転車にカバーをお願いしたいと連絡しておく。


2/10
朝から雪が降る。引きこもることも気にならない日。相変わらず動き回るてんとう虫に私も穏やかな気持ちになる。薬のせいもあってか一日中眠いまま終わった。身体も痛い。世間は明日から三連休らしい。


2/11
朝にゴミ出しついでに雪の様子を見ようと朝から子と外に出ようとすると、なんと玄関の脇に東京都の物資の箱がきていて驚く。赤や青のガムテープで閉じられた段ボールはビニールが被っているけどペットボトルの箱はそのままで、段ボールがふやけてぐちゃぐちゃになっている。チャイムくらい押してお知らせしてくれればいいのに。水や雪をはらってなんとか室内に入れておいて、ひとまずゴミ出しへ。前回の雪のようには積もっていない。薄く固い雪。家の建物の周りを雪を踏み踏みぐるりとしながら、ひと気のない公園まで。ほぼ同時に同じく近所らしい小さい子どもとお父さんもやってきて、普段ひと気のない公園がしばし公園らしい雰囲気に。もうひとつのひと気ない公園にも行きたいと言われたけどお腹も空いてきて帰る。
自転車にカバーが付けられていて、その後連絡はなかったけど元夫がやってくれたらしい。ぐちょぐちょになった段ボールやビニール、濡れた床を処理してようやく中身。レトルトのカレーやパスタソースは業務スーパーで78円とかでよく見るやつ。赤いきつね緑のたぬきエースコックカップ春雨など。たべっ子どうぶつではなくてキャラメルコーンだった。ラインナップはともかく物量に子とテンションはあがった。
午後、知らない番号から電話。今度は私の分の物資がくるらしく、道に迷っているらしい電話。たぶんマップで検索すると裏口の方にナビされて車では厳しいことになるのだ。環七に出るよう説明してしばらくしたらまた電話をしてくれながらもチャイムも鳴らしてくれて、昨日の今日でも配達の人が違う。届いた荷物もガムテープの色が違う。また軽く興奮しながら開封すると基本クオリティは変わらないけどトップバリューブランドが目につく。お菓子はホームパイ。なんとモンスターが6本とか入っていて、これは病み上がりにきついのではないかと思う。子のも私のも、そういったエナジードリンクや柿の種、ペットボトルのアイスコーヒーなど、病人向けと思えない物から、レトルト粥や大量のフルーツゼリー、ミックスフルーツの缶詰はふつうに有り難い。モンスターは元夫行き確定。赤いきつね緑のたぬきどん兵衛に代わっていた。普段カップ麺など滅多に食べないから子は喜んで食べると張り切った。
明日は粗大ゴミ回収の日。夜のうちに回収場所に出しに行く。子の自転車、自分でお別れするとのことで一緒に出しに行く。外に出て行く生活がはじまることにちょっと戸惑ってもいる。


2/12
天気が良い一日。夕方、歩きとキックボードで散歩に出ることにした。久しぶりに街まで出てみようかと思ったけど、いざ外に出てみると臆病になって少し離れた広い公園に目的地を変えた。鉄棒を使ってストレッチ。とにかく背中、胸の辺りが痛くて落ち着かない。
クラスLINEに例のコロナ療養していたママから謝恩会で歌う歌のピアノ伴奏があげられる。幼稚園で歌の練習はいつになったらできるかわからないので各自練習しましょうとのこと。そうか、私達が復活しても歌がはじまるわけでない。ついこないだまで子ども達がどこでも嬉しそうに皆んなで歌っていたことを思い出すと悲しくなる。カレン、カレン、カレンダーマーチ、一年経ったらまたおいで。というか、同じ療養でもこうしてピアノを弾いている人もいるというのに、かたや私ときたら今こそ病人といった体調。しんどい。でもパルスオキシメーターの数値は悪くないから、やっぱりこれは咳のせいで筋肉痛になっているだけなのか。
この数日で急に子と猫の距離が縮まって、気づいたら子がモールで首輪にして猫に付けている。猫も気がついていないのか嫌がりもせず、モールの首輪をつけて過ごしていた。こんなに長いこと家だけで過ごしていたからだろうか。猫に嫌がられることもなく余裕で一人で猫を抱き上げることもできる。

 

2/13
朝から子がお父さんの顔忘れちゃったぁと言っていた。会いたいってことなんだろうか。子は無駄に大人な言い回しをしたりするから本心がよく分からない。
今日も雨雪、心置きなくごろごろの一日。しかし明日からは是が非でも復帰するのだ。身体が痛いのがとにかく辛い。東京都のコロナ相談にまた電話をして看護師からの折り返しをしてもらう。療養期間中はこうして看護師の電話相談でアドバイスをもらうことになっていた。折り返された電話の看護師さんは、かつて看護師だったのだろうと思われる明らかにおばあさんの声で、近所の人と話してるだけのようなノリ。悪くなることはないでしょうとガハハと笑われる。この電話をもって療養の終わりを確認しました〜、お大事にと明るく言われて、そんな感じで終えていいんだ?
今日は少し早めに寝る支度をして、夜久しぶりに時計のコラショを動かして寝る時間と起きる時間を設定。おやすみのコラショは明日友達の誕生日と言ったようだったけど、それよりも早く子は寝ついていた。
はじめは無症状だとか驚いたけど、結局しっかり10日間引きこもった。明日から日常。