どうにもならない日

こんなはずじゃなかった2020年からの生きる記録

2020年8月

8/1

朝ごはんはパンで済ませたい。暑いからか子もそんなに食べる気がなさそうだし、どうせウダウダしている間に昼になってしまう。夫はその日によって食べたり食べなかったりだから自分で好きにやるはず。だから朝は軽くそれっぽいものにすればいいやと思っていたら、夫が突然罵倒してきた。「朝ごはんくらいちゃんと出してあげなよ!何が忙しいわけでもないのにさ、それすらもやらないで、」「うちの実家は朝きっちり出してもらっていたから分かっている、自分はちゃんとした朝ごはん知らないんだろうけど、そうして努力しないと結局親と同じだよ!」「パンなんておやつだよ、ある程度大きくなって体ができてからならそれでもいいかもしれないけど、今はまだ朝ごはんこそしっかり食べる時だろ!」ひとつひとつを取ったらその通りだと思う。でもそうして食べる気ない子に無理やり当てがっても残されたら誰が食べるって私が食べるしかないんだし、少しでもその負担を無くす調整が私は朝のつもりだった、と少し反論すると「朝こそしっかり食べて夜は少しでも良い、それでお腹空いて朝目覚めるわけでしょ」と正論を言われて返す言葉もない。「どうせ忙しいわけでもないのに」が一番堪える。やっぱり、忙しくなければ全力で子どもを支えなきゃならないのか。食べなくても食事を作って、また昼には昼に見合った食事を出して、夜には夜で。夫は気分で食べるから、作る量も献立も、何をどうしようかと迷いながら、そして残る食事は私が食べ続けていくしかなくて。そのなかのひとつの朝のパンがそんなに罪なのか。夫が言っていることが真っ当なのも確かで、でも私には私の事情もあるのに。怒りと情けなさと、黙って泣きながら味噌汁とご飯を用意して、子が食べ始めていたパンを奪って、やっぱりこっち、と差し出す。子がなんで〜と渋ると夫が「まだ小さいからしっかりお米を食べないとなんだよ。パンは後でおやつに食べな」と声かける。子は空気を察しておとなしく食事を取り出した。私は黙って、出来ないわけでないと自分に言い聞かせて心を落ち着かせる。人の食欲のタイミングもあるから、いくら相手が子どもでも人の分まで継続して食事を提供することの難しさ。それと日々向き合っているのに、自分の好きなタイミングで自分の分だけ作るような夫に突っ込まれたことが悔しくてならない。きっちりきっちりやれと言うなら私はそんな器用には出来ないから、もう夫の急な外食な誘いも受け付けない。そう思ったところで早速昼ごろ、何もなかったように「これ行かない?」と中野の不純喫茶ドープを誘ってくる。クリームソーダをみた子が「行きたい!」とはしゃぐ。「私はいいよ、行かない」と言っているのに、夫もバツが悪いのか、子とふたりで皆んなで行こうよとゴリ押ししてくる。私もその店が気になることは気になる。でもお昼ごはん用意する時間必要だから。今日は予定あるから遅くなれないし。と簡単には譲らない私。しつこく誘われる。「食事をしなきゃだから」を強調して、待たずに入れるなら、と淡々と言って中野に向かう。ドープのなかは喫茶というノリでもなく賑わっていて、カウンター席に横並びでよければ入れるということで、下手に大テーブルで相席するより良いのでその通りに座る。クリームソーダは緑も青もあって、子は青を選ぶ。あとはホットケーキとプリンにしたけど、ナポリタンが人気らしい。次の次のお客さんで切れていた。食べ物飲み物、全体的に食玩そのもののように可愛いらしい。子がすでに「また来たい!」と言っている。雰囲気を堪能するでもない場所だったので食べたらとっとと出て本屋へ。せっかくここまで来たから例の服屋に行って一応BGMを確認。そんなタイミングよく流れていることはない。おじさんが切り盛りしている店で、なぜか今日は夫が気になるのか率先して聞きにいく。おじさんは淡々と、そうすると昨日かけてたCDならこれだと思うんだけど、と言って出してくれた。ディズニー映画のサントラ2枚組。私はなんだかよく分からないんだけどねぇ、それのこっちじゃなかったかな、と店先の棚の下にあったCDプレイヤーを作業しやすい場所まで置き換えて、どうぞ色々聴いてみてください、と言って仕事に戻っていった。中にはもちろんライオンキングもあって、あれ!じゃあやっぱりそれだったのか?と、かけながらもどうもいまいち違う気がする。そこにある曲全部を写真に控えておじさんに返却。見つかった?と聞かれても気持ち良くは答えられず。「ちゃんと」ご飯食べないとだから、と夫にピシャリと言い放って先に帰る。ちょうど駐輪場のところで下に住むおじさんを目撃。普段の佇まいから人を威嚇するような態度で気分悪くなるから避けたい。うちの自転車がこれだとバレるのも嫌だ。そのままピアゴまで行く。何を買うでもない。子はコジコジを観てる時にCMで流れるスティックキャンディが欲しいようで、拙い説明でそれは無いかとピアゴの人に聞き出した。私もこの時点で何のことを言っているのかさっぱりわからず。すみません、無いみたいなので大丈夫です、と言ってそそくさと店を出る。おじさんは居なくなっていて無事帰宅。麺類で昼ごはん。食べたらすぐに図書館。今日は予約していた工作の会。こうして集まっていても、ここに来るような人同士で感染するとは思えないよなと気が緩んでしまう。お友達も何人かいて遊びながらやりきって、その後は絵本を読んだり借りるもの選び。タンタンタンゴが棚上に飾られていて、また借りると譲らない子。気になっていたわりには初めて借りた時のリアクションはいまいちだったけど、こうして覚えてはいるみたい。帰りは日曜休みのいつもの八百屋に寄る。そこで飼っている猫のシマちゃんが今日も隣りの美容室の前にごろんと寝そべっている。しまちゃんのお腹にそっと手をおいたりじっと見つめていた子を自転車に乗せて走り出そうとすると、「コロナに気をつけてねー」「猫はかかりやすいっていうからねー」と声をかけていた。確かに猫もかかるかもしれないというニュースは一緒にみた。

もうさすがに、と思っていたらその通り、この日に関東梅雨明け。長かった。スイカ食べる?と子に言って冷蔵庫を見るとスイカがない。夫は私達が居ない間にあれこれ食べてしまったりするから予定が狂う。子がガッカリしていると伝えると買って帰ってきた。

 

8/2

不純喫茶ドープが予想以上にいきなり店がバズってしまい食材不足でしばらく営業が出来ないとのことらしい。行っておいてよかったよと夫。

午後、子が自転車で近所を一周に付き添い。ちょっと待って、と子がひとりで自転車をまいばすに停めて中に入っていく。なんだなんだとついていくと、案内されたのはスティックキャンディ。コジコジの時のCMの。昨日ピアゴで言っていたのはこれのことか。どこかで見たと思ってたんだよねー、と子が得意そうにいうので感心してしまい購入。自転車を乗り換えて中野のツタヤまで。ハム太郎一番くじをやるために来たけどレンタルが110円の日でもある。仕事で大塚に行っている夫も行きがけに見たらしくちょうど「今日はレンタル110円!」と報告してきた。とにかく一番くじ。ハンドタオルが当たる。タオルは消耗品だから私的には大当たりな気持ちだけど、子がふわふわの使えそうな種類でなく前回と同じプリントタオルを選んでしまい無表情。マルイの外階段でグリコチョコレートパイナップルをしながら上に行く。新しくなったフードコートをまだ見ていなかったからぐるりと見て回ったり。topsのコーヒーソフトクリームが食べたいけど、メルペイクーポンがあったから忘れないうちに使おうとサーティーワン。二階の外テーブルが復活していたからポケモンカップにして外で食べる。LINE Payが使える自販機ではじめて買ってみるのに手こずっているうちに夫が帰ってきた。子はグリコ遊びが気に入ったらしく、今度は3人でやりながら下に。マルイの外階段は真っ直ぐに少し長くてやり甲斐がある。ツタヤに戻ってライオンキングを借りる。最近歌い過ぎて観たくなったらしい。実写ライオンキングは怖がってダメ、だけど実写ダンボはアリ。夫はごっちゃんのところへ行くというので別れるも、眠いのもあるのか今日は外で食べたい、サイゼリヤが食べたいと騒いできかない。夫に連絡してこちらも高円寺に向かう。待つくらい混んでいたら無しだからねと約束して店に行くとスッと入れてしまった。私物ボールペンで注文表を書く。メニューが少し変わっていて、おこさまセットが出来ていた。子どもが頼みがちな、スパゲッティとコーンクリームスープと、ポテトかポップコーンシュリンプの3品。これでクーポンが無い時のハッピーセットと同じ価格。断然食事の質が良し。

 

8/3

オンラインで買ったハンドソープの詰め替えが3袋届いてしばらくは安泰。それが終わる頃にはまた店頭で買えるようになってればいいんだけど、もっと酷くなってしまうかもしれない。

暑くてなかなか外に出るタイミングがない。サンリオキャラクターのマスコットのおまけが着いてくるチュッパチャプスが発売されているらしくて、たいして欲しいわけでもないけど売っているか探しにいこうかと理由にして外に出る。歩いて近くのセブンまで。まず無いのは分かってた。今度はもう少し先の広いセブンまで。都内のこんな普通のセブンにはないだろうと思う気持ちと意外ともしかしたらの期待半々、無くてもまぁいいんだけどといった心持ちで歩く。全滅。子もそんなに気にしていない。今日はこのまま歩いて行けるスーパーに行こうか、と話してもうさらに少しだけ先にあるスーパーサントクに。伊勢うどんがまだ売っていたので買っておく。夕方には売り切れている時もある。広いファミマに寄りながら戻り道。いつもと違う通りを歩いてみたり、こんな無駄遣いの一日も良い。家までもうすぐの最後の最後に、またすき家をねだられる。ツイッターすき家のチーズ牛丼が美味しくなっただとか話題だと見たので、すきすきセットじゃなくてそれなら試しに買ってもいいよと並盛り500円を持ち帰り。だらだらと夕飯。子の食べ残しを平らげていると噛みきれない肉筋が、と思って歯の隙間からずいっと引っ張り出すと、あまりに綺麗に整った四角くいもの、それはもう切れた輪ゴム。煮込まれてしまっていたものだし食べなかったわけだし、ただ夫に見せようと取っておく。帰ってきてその話をすると、それ言ったほうがいいよと、私が気にせず夫の方がそんなこと言うなんて珍しい。調べるとまだカスタマーセンターの問い合わせ時間内だったから連絡してみると、販売店の責任者がそのブツを取りに行くから直接連絡がくることに。ここまできたら是非ゴムなことを確認してもらいたくなった。

 

8/4

朝から子が、箱に動物が描いてあるアレが飲みたいと、それはマミー。夫が出るついでに買ってくるわと軽く受け付けてたものの、どこにもない、と連絡がくる。確かOKストアにはあったはずなんだけど。でもないんだよ、と。コロナの影響で作れていないんだって、とまで言っている。マミーがコロナの影響で消えるんだ?昼に帰ってきたらストロー付きの小さなマミーのパックを買えていた。OKでこれならなんとかあったんだけど、とか言うけど私ははじめからこれの事だと思ったけど?1リットルパックのマミーがあることすら知らなかった。その大きなパックが作れていないとのこと。色々あるんですね。

夕方、子と二人ブロードウェイまで。4階まで上がって下りる。珍しくまんだらけの女児向け玩具を扱う店まで行く。4階のまんだらけには宇宙人が飾られていて、子が怖がってなかなかそこまで行かない。マイリトルポニーやLOL、ここたまやこえだちゃんなど日本のおもちゃもあって、子はなんでもいいから欲しい、みたいなテンションになる。ショーケースのなかのなかなか大きなおもちゃを指して、「あ!サムちんの!これがいい、これ欲しい」と言う。サムちんは子がみているYouTubeチャンネルに出てくるキャラクター。私には全くなんだか分からないおもちゃ。とりあえず嗜めて今日のところは退散。その4階はいつものことだけど全体的にも人の少なさが異様な雰囲気のブロードウェイ。1階でメインの通りに横から向かっていると、通りを歩いていた男性がマスク無しで大きく咳き込み、後ろから来たおばさんが一瞬歩みを止め露骨に嫌な顔しながらその男性の導線を避けるように歩いているのが見えて、私もそれくらい堂々と警戒したいものだなと思う。夫も中野にやって来て、おうどん食べに行こうと子を誘っている。私はいつも通り様子を見ながらねと言って丸亀に向かうと、もう6時だというのに客人が少ない。以前なら6時過ぎはウワッと人が押し寄せてきていた。スカスカの店内で満足に食べて帰宅。すき家の担当者とはタイミングが合わず。

 

8/5

歯科矯正。ここのところは調整日後もそれほど違和感なく飲食出来ていて良い調子。ちょうどよいタイミングですき家の担当者が来る。透明のパケに入れて保管していたけれどもうカピカピのカラカラでゴムらしさは無い。でも調べてもらえればきっとゴムだと分かる。担当者はなんか清潔感のない印象で返金の500玉の入った茶封筒も使い古されたようにクタっとしていて、渡したパケには目もくれず、工程上ゴムは使用していないのでおそらく筋だと思うのですが、何しろ調査させていただかないとと、口では謝罪するけど認めないぞという強い意思を感じる話し方だし、なんとも言えない気持ち。確かにゴムかもしれませんね、でも調べたら違いましたよ〜、のパターンであってほしいのに、はじめから違うと思うの一点張りがなんだか。だって当日のそれは確かにゴム感で、大概のことに目をつぶるはずの夫ですら、これはと物議を醸してきたんだから自分だけの思い込みでもない。調べる調べる言ってるけど、本当のことを言わなそう、すでに信用がない。この調査は無意味。

図書館のお話し会。先週千葉に行った仲良しママに行くのか探りを入れてみる。まず過ごした家の友人がどんな人なのかも分からない。お酒好きなのは間違い無いから普段の行動も気になってしまうし、たとえそのメンバーが問題ない人だとしても千葉まで行く間にサービスエリアなど人が集まるところにも寄るだろうと想像して。大人はともかく子ども同士の距離が近くなることは目に見えているから。「もちろん行くよー!お土産もあるからねー!」とのこと。そして現地の海辺で花火があがったのをたまたま見れたり、いかに最高だったかの話が立て続けにくる。そうか、行くのか。行動したあとに少し様子を見るべきなのはそっちなのに、なんで私が自粛を考えさせられなきゃならないんだ、とモヤモヤする。区内の感染者がまた増えていて保育園でも出ているから、行くのをどうしようかうちは迷うんだよね、ちなみに長距離移動してどうだった?のんびりだった?と理由は別のことのようにして更に突っ込んでみた。すると感づいたのか、「我が家は行く前も行ってる最中も毎日検温していて異常なし。本当に友人の車でドアtoドアだった」努力は分かるけど、何かあっても日数的にこれからなんじゃないのかなと思ってしまう。でも「滞在中、真面目か!と笑われても予防対策をやり遂げたけど、千葉距離とはいえ地方と東京のコロナ意識の温度差を痛感した」と言っているくらいだし、接触する一人一人の行動そこまで網羅して自分の安全を確保しようとするなんて、自分はどれだけこの世の弱者なんだと情けなくなってくるのでもうやめよう、終わったらさっさと帰ればいいとして行くことに。

お話し会は、徐々に人が増えてくると思ったのか前より多めに椅子が用意されていたけど今日集まる人は顔見知ったいつものメンツだけ。異常な暑さのせいかもしれない。お話し会は以前よりも時間短縮で行っている。その後だらだら借りる絵本を探して涼んでいくわけでなければ、まだまだ思いっきり暑い時間帯に外に出なきゃならない。結局集まった友人達ともさして話すこともなく、皆即解散。子は帰ったらお祭りごっこをするんだという。駄菓子屋に寄って、ねり飴やらそれらしい物を買って帰る。甚平に着替えてお面をつけて、一人でお祭りの出店っぽいことしているのがいじらしい。夫から冷凍食品を買って帰ると連絡がくる。子の昼ごはんに絶対冷凍チャーハンがいいと数日前から夫がやたら推してきていた。私はチャーハンくらい作ったっていいだろうと思うから積極的に買う気にならないけど、夫は自分が日中台所で作業をしていることもあって調理されるのが邪魔なんだろうなと思う。それで朝ごはんのパンにケチをつけてくるとはなんなんだろう。自分の虫の居所か、きちんとした朝ごはんを作る人と比べてきているのか。どうせならアンパンマンポテトもあったら買ってきて、9月からお弁当はじまるから、と伝える。

 

8/6

夏休みは三週間、なか一週間はお盆休み。前後の一週間に一回は預かり保育を入れようと考えていて、今日がその日。こうも暑いと日中子が外出を渋って買い物に行けなくなってしまうかもしれないので、園に送ったそのあしで食材の買い物。早い時間の八百屋ではアボカドが豊富にある。ここの一番のお買い得はアボカドだと私は思っている。お昼ごはん前にはお迎え。公園に寄りながら帰る。その公園に出没する子ども好きおじさんに遭遇。一生懸命鳩のフンの話をしながら歩く子に、可愛いねぇ可愛いねぇとニコニコして「飴玉あげる」と差し出してきた。飴なんて食べられない赤ちゃんの頃から見かけているおじさん。この何年かで足腰が悪くなった気がする。足取りがヨタヨタになってしまった。子が小学生になるまで、もう少し頑張っていただきたい。近所の児童館の先生にも会う。3月に一度利用した時に少し挨拶をした以来。いまの児童館状況などを聞く。利用は小学生に限定せざるを得ないらしい。幼児だと大人同伴だからそれをまずは警戒するべきなのは分かる。もう長いこと日曜は完全に門が閉まってひっそりとしているのを見ると、子が小さい頃、夫も週末不在が多くて、よく日曜も人が少ない児童館に来ていたことを思い出して胸がギュッとなる。あの頃の自分のように、行くあてもなく孤独な思いをしている人が今の状況でいなければいいなと切に思う。

夕方、家の周りでキックボードに乗ったりケンケンパをして遊ぶ。家にいるより駐輪場がある脇道の方が過ごしやすい。夫が片付けでもして出てきたのか外貨を両替しに行っていて、お金になったと喜んでスイパラの100円ケーキを買ってきた。お金になったというか、あっちからこっち右から左に移しただけだと思うのだけど。

 

8/7

朝から夫が怠そうにしている。そこまではよくある話。お風呂に入ったと思うと気配も感じさせず物置部屋に無理やり寝転んでいるようで、体温計持ってきてとLINEがくる。持っていきながら扇風機当てようか?と気を遣うも、要らないと断られる。ゴミ集積所のように物が積み上がっているなかでどう考えても暑い。なんなのか。と思っていると、39.2度とLINEが入る。やばい。完全にやばい。身体が痛いと言っている。もうこれは、と思った。夫の手洗いは甘いといつも思っていた。やっぱりか。ちょうど水が足りなくなるところで、残りの水は夫に当てがって、とにかく今のうちに水は買ってこようと、子に「絶対お父さんに近づいちゃだめだからね」と伝えてひとりで買いに行く。天気はいいのに伏し目がちに歩く。目の前はどんよりしていた。当たり前に過ごせるようになっていた日常が脅かされる緊迫感、自分はもうここに居れなくなるかもしれない。夫の熱は依然として39度台らしく、でも本人はこれはなんかコロナというか…と妙に落ち着いている(熱で怠いからだろうけど、)から症状を聞きながらネットで調べていると、冷房症というのがある。あれ、もしかしてこれか?とよくよく見て夫にその例を話すと、それだと力なく言う。昨夜冷房をつけながら寝ていて、夜中から何度も心地悪さを感じたらしい。正体が見えてきて少し安心、子と知育菓子を作って遊ぶ。夫の熱も少しだけ落ち着いたらしく、自分で買ってきた100円ケーキを貪り食べている。病院行きなよ、と前回自分が子どもと行った小児科内科を思い出し勧める。発熱外来に繋げてくれるって言ってたから、間違いないからそこに行きなよというと、午後の診察時間にすんなり出て行った。私と子はまた涼しい脇道でチョークで絵を描いて遊ぶ。夫が出ていき、もう一時間以上経っていた。どうなの?とLINEすると36.9度で恥かいた、と返ってくる。良かった。とにかくコロナじゃなきゃなんでもいい。しばらくして帰ってきた。しれっとお絵描きに混じって遊び出す。もう体調も戻ってきたらしい。小児科の先生はやはり発熱外来のことを夫にも語ったらしく、このコロナ危機でそこに応援に行っていたからパイプがあるということのようだった。夫と交代して私は家に帰るも、うちは西日がキツくて暑くて暑くて、これなら脇道にいたほうがいいやと戻るとチョーク絵で道が埋め尽くされていてギョッとする。かくれんぼしている子どもが増えてて賑やかになっている。顔を出したのは同じマンションの事情通ママの三兄弟の上の姉妹で、親の姿は無し。状況も把握できないままドカッと腰を下ろして涼んでいると、うちと同じ階に住むおばさんが自転車で帰ってきて、昔はよく皆んなでこうして遊んだのよ、道路の絵?大丈夫よ、いいのいいの、ともっとやれと言わんばかりに賛同の声をかけてくれる。そのうち姉妹のママが下の弟を連れて降りてきた。男の子とうちの子は同い年。皆んなと夫とでまたワイワイ遊び出す。まだまだ明るいけどもうすぐ夕飯タイム。そろそろ帰ろう、また遊ぼうねと話しながら解散。今朝は本当に生きた心地がしなかったけど、一日の間に地獄から天国で、こんなに晴れやかな気になれたのは出産以来かもしれない。

 

8/8

完全復活したらしい夫と子が朝からマクドナルドのいつでもハワイの種類を食べたいと出て行く。すぐに帰ってくるかと思いきや、ちゃっかりイートインしている写真。

午後、この間まんだらけで子が欲しがったおもちゃを扱った回をYouTubeで見てみる。メルカリやネットでみても、まんだらけは安いほうだった。もう一度だけ見に行こうかと言って子とまんだらけへ向かう。「買えるなら宇宙人も怖くない、がんばる!」と言って子は盛り上がっている。おもちゃを確認すると新品未開封。仕事でまた大塚に行っている夫にも連絡をとりながら買うことに。最近夫がこんなに大塚に行くタイミングがあるなら、せっかくだから私も大塚に行こうかなと話していた。大塚には亡くなった私のおじいちゃん兄弟の一番下の妹でひろこおばさんと呼んでいる大叔母の会社と住まいがある。そして父の弟が若い頃からそこで働いていてやはり近くに住んでいる。田舎の実家では皆と顔を合わせているけど、そういえば大人になって東京で会ったことはない。夫が「大塚、なんか古いお店とかあって良い感じ」と言っていて、おばさんが毎年実家へのお中元に色んな味のさつま揚げを送ってきていたことを思い出す。練りものはあまり得意じゃないけどそれはぷりっぷりで、練りこまれた具材もしっかりで美味しかった。実家を離れてからも夏に帰省したタイミングでそれが届いていたら必ず包んで帰った。地元では有名な古くからあるおでんのタネ屋のものらしくて、東京のローカルな老舗の存在はいつでも気になる。大塚に行くかもしれないからおばさんの会社の住所教えといてと実家に聞いたら、おばさん持病があるからコロナにはすごい警戒してるからということと、おでんのタネ屋は閉まっちゃったんだって、と聞かされて結局私の大塚行きはとどまっているのだった。まんだらけはLINE Payが使えて、自分のお金だけど自分だけのせいにはならないような、気が楽になる。LINE Payを開いたついでにロッテリアのクーポンでシェイクが飲みたくなってそのあと買いに行く。ロッテリアのシェイクはゆるくてどうも好きになれなかったけど、久しぶりに買ったらマックのように固めで好きな感じになっていた。いくら勧めても子は頑として要らないという。自分はおもちゃを買ったからとキリリとしている。帰ってYouTubeをつけながら遊ぶとそれはもう大変な盛り上がりで「今日は最高の一日だよ、ありがとう」と感謝される。何か買ってあげたりした時に出てくるお決まりのセリフだ。夫は大塚で有名なおにぎり屋さんにきたといっておにぎりの種類を選んでと連絡がくるけど種類があり過ぎて選べない。

流れ星のちゅうえいがコロナに感染したとのこと。ついこの間、フェイスシールドをつけて子どもが見ているEテレに出ているのを観たからショック。ああして安全に配慮していそうな職場で人に大事にされているようでも感染するというのを見ると、誰に気にかけられているわけでない自分達の日常なんて恐ろし過ぎる。

 

8/9

本来ならばもう夏を満喫し続けて祭り疲れしている頃。だけどこの夏はメリハリのない日々。すき家から電話がきて、結果あの紐状のものはゴムじゃなかったと言われる。そう聞いてもやっぱり疑わしい。あんなに整った筋なんて逆にどうやって作るんだという感じ。外に出て戻ってきた夫が静かに興奮しながら、下の人が引っ越した、と言う。エレベーターが引っ越し仕様になって、荷下ろししているところで管理人さんに会ったから、引っ越しですか?階段使った方がいいですかねと聞いたところ、なんとうちの下の人の引っ越しで、「だからもう(怒鳴り込みとか)大丈夫よ」と言ってきたとのこと。急展開が信じられないけど管理人が言うんだからこれが現実。この建物が出来たくらいの頃から住んでいて、ここが建て替わってもまた住むつもりよ!とおばさんは息巻いていたくらいで、何度かのトラブルで話した大家や関係者の誰もが、絶対あの人たちは最後まで転居しないと言い切っていた。管理人さん曰く、隣りの工事がうるさくてということだったらしいけど、吠えるおじさんは同じ土建業だから勝手がわかることもあるのか、夕方5時過ぎても作業していた隣りの工事の人達に「何時だと思ってるんだ!」と怒鳴り散らせるくらいだったし、張り紙には工事は8/8までとなっていたから終わりは見えていた。7月に悪天候が続いたせいもあるのか、確かにまだ作業はしているけども。それにしても何十年も住んできた家をたった二ヶ月そこらの作業音のために離れるなんてわけはないだろう。そういえば、とハッとする。少し前に下の家のポストから東京都公社からの封筒がはみ出ていたのを見た。それだ。15日に完全撤退らしい。けどあれだけ荷物だしてたらもう寝泊まりはしないでしょ、と夫。うちが部屋を移動する話がコロナ騒動で回答もうやむやなままだったけど、これでおしまい。去るとなったら呆気ないものだ。

昨日の夜テレビに出てきたミニストップのハロハロを観て、夫も私も思い出したように「これ絶対子が好きなやつだよ!」と盛り上がった。ということで昼過ぎに夫と子がミニストップにハロハロを買いに行くということに。美味しく食べるためにと自分で自転車を漕いで行くとなって夫はキックボードで同行。外で食べることを勧めておいたけど店内で震え気味に食べている写真が送られてくる。帰ったら夫は仕事で新宿へ。子はSpotifyで流れてくる音楽に合わせて歌ったり踊ったり。子ども向けの曲をかけたら関連で流れてくる歌がまた良かったりする。最近はそれで知った「おばけのバケちゃま」を子が歌うのがお気に入り。今日はライオンキングからはじまりディズニーソングのオンパレード。と、そこに例の気になる歌が流れてきた。途中で気がついて、これ!これだよこれだよ!と焦ってShazamを起動。それはアンダー・ザ・シーというリトルマーメイドの曲だった。どおりで夏らしいはずだ。リトルマーメイドに覚えはないけど、この歌はいろんなところで歌われていて知っている。子どもと観てるコレナンデ商会でもJさんが歌ってた。音楽のことはよく分からないから専門的な言葉で説明ができないけど、上に上に被せてくるような歌い方になるところが盛り上がる。声量ある人が歌うと気持ちがいい。判明してやっとすっきりした。

夕方高円寺に向かう。裏の道から環七に出る前に、アパートのような一軒家のような事務所のような、複雑な家の表にご自由にどうぞ品。鳥獣戯画やミイラとかエジプトっぽい写真の絵はがきとかレコードとか、ひと癖あるような物が目立つ。どこかの民芸品のような置物もあって、山辺さんに教えたいねと夫が言う。ロスアプソンの山辺さんは近所に住んでいて、この道を渡った向こうに店がある。それなら山辺さん多分この道通るから見ると思うな、と私は言って案の定この数日後、夫が「これ…」といって見せてきたロスアプの写真には、例の置物が写っていた。

 

8/11

夫は下に人が居ないって本当に伸び伸びすると言っているけど私は15日までまだ気が抜けない。子が少しでもバタバタしようものなら敏感に注意するのはもう癖になっている。でも布団を堂々と縦に干してもよくなって最高。ここのマンションは縦が狭いのかベランダの作りのせいなのか、普通に布団を干すと少し下階のベランダにはみ出してるかもしれなくて、いつも横向きに干していた。そうすると一枚ずつしか干せないのが不満だった。縦に干すなら二枚いける。良かった。隣りの工事もうちの高さの箇所は終わって、また人目を気にせず洗濯物を干せるようになったのも良い。

昼過ぎに出かけようとしていた夫が、ああっ、と声をあげる。調子良く干していた布団が飛んでいってしまった。夫が「あれ見て」と言う。隣りの建物に組まれている下の方の工事中の足場のパイプの上にうまいこと布団が干されている。まだ骨組みが残されていて助かった。夫が引き上げに。

暑過ぎる。矯正器具で傷つけては出来る口内炎が痛くて食も進まなくて、とにかく脱力している。夕方、子の自転車でスーパーの先の広い公園まで。湿度で重い。猫が公園内をあちこち走り回るのを見ながら遊ぶ。高円寺のごっちゃんの店周りの知ってる顔が二人くらい、こんなところを自転車で走っているのを見て、近場をウロウロしているような皆んなの日々を思ってほっこりする。

 

8/12

お盆ということでそれなりに帰省している人はいるのだろうか。ここ数年、お盆の時期は天気が崩れて雨が多い印象だけど、今年はとにかく、暑い。夏休みはなんだか気持ちが懐かしさを求めてしまう。安くてごちゃごちゃしたタウンセブンのお店に行きたい。ミカヅキモモコに行こうと子を誘う。ミカヅキモモコは基本なんでも300円。洗練させる気のない雑多な中に実は洒落たものもあったりして楽しい。UVカット仕様のカーディガンを前から着て、キャップの上から手拭いを被り、サングラス。暑さ対策は万全にして出る。信号待ちでクラスのママに会って手を振ると軽く驚いて頭の先から全身をみて「すごいね…」と苦笑される。荻窪までを頭で思うと道のりがしんどくなるけど走ってしまえば軽快。湿度で重たいこの夏の感じが好き。同じ部屋からコンビニに出てきたようなラフな格好の若いカップルとすれ違って、この暑さとその感じ、なんだか無性に人肌が恋しくなる。20年くらい前の感覚で誰かとベタベタしたい。冷房の効いた部屋で、良いところだけ見せ合って。確かな関係でなければ手に触れることも憚られるような、こんな時代がくるとは思いもしなかった。ああ、触りたい。

荻窪西友でいかにもスーパーの衣料品な子どもの下着を買ってからミカヅキモモコ。子どもはじっくり欲しいものを選ぶ。これは高い?とか聞きながら。欲しい物を買えたあとは少しおとなしくブラブラに付き合ってくれる。ルミネまで移動したところで文句を言い出す。天気も悪くなってきていた。朝の暑さ対策は全部カバンに放り込んだまま急いで帰る。ドミノピザの前で今日のごはんはピザにするんだと声をあげていた。図書館のお話し会の時間の頃には雷と大雨。今日は諦めてママ友に連絡すると、そちらはなんとか行ったら一人だけで後はその場にいた小学生男子だったとの話。雨が止んでから図書館へ返却に。ママ友から聞いていた小学生男子がまだ椅子のところで静かにはしようとしてるんだけど存在がうるさい感じでグダグタしていた。学校が新しくなって居場所は校内だけに集約されるようになって近場に児童館は無くなってしまって、こんな雨だと行くところもなくて、なんでもある都会にいても子どもの不自由さは変わらずあるらしい。図書館からドミノピザをネットで注文して取りに行く。そこのドミノピザではカウンター越しに作っているのが見れて子どもが喜ぶ。今日みた再放送のひらめきノージーに影響されて船を工作したいとのこと。帰りに近くのファミマに寄って仲良しの店員さんを見つけ段ボール箱はないかと聞くと、今日の雨で全部濡れちゃったかなと、ちょっと待って、と言って店内にあった段ボールの中身を全部品出しして一箱開けてくれた。感謝。

ピンポンと配達。大概何か来るとき身に覚えがあるけど夫も私も特になし。ありがたい荷物が届く。子にはまたおさがりの服がたくさん。次!次!と全部広げさせられて順に当てがってニッコニコ。自分には集めきれない可愛らしい服、季節に合わせてお届けされて、まるで子供服のサブスク。とくに気に入ったワンピースをよく見ると、どうやら誰かの手作り。まるで我が子のために作ってもらったかのようにぴったり。夏の気分が盛り上がるワンピース 。本当に可愛い。

夜、遠く遠く微かにドンと音がする。花火みたい?毎年夏に近くの小学校でキャンプのようなことをしていて花火もしている。まさかそこ、今年もやってるんだ?と思ってベランダに出るけど辺りは静か。見渡すと、北のJRの線路より向こうのビルの裏に、ほんの少しチカチカと花火があがっているのが見える。目を凝らして見つめていると、さっきより高くはっきり色が分かるくらいにあがったりして、あれはどこなんだろうと言っていると、夫が「そういえば同じ階のあのおばさんが、昔は屋上でとしまえんの花火を見たって前に言ってた」と、さっそく調べたらしく「あ、あれがとしまえんだ」と、夜8時から7分間あげるんだって、もう閉園だから毎日のようにあるよ、と言っていた。

 

8/13

夫は唐突に声をかけてくることもあれば起きた瞬間から何も言わず作業をはじめることもある。私は子とどこか遊びに行こうかなという気になっていて遊び場を探す。タウンセブンの屋上は長いこと閉鎖中。どちらにしても暑過ぎると遊ぶのも難しいところだけど。吉祥寺の屋内遊具施設。春には営業停止していたけど今はどうなのか問い合わせると時短で再開していた。夫の予定を確認することもなく二人で出かける。お盆中だし、たまには電車も大丈夫だろうと地下鉄に乗る。荻窪に着いたところで同じマンションに住むママと遭遇。同じ電車に乗っていたらしい。二人兄弟だけど下の子だけを連れていて、二人でお出かけ?と言うと、気まずそうに、「いや〜あまり良くないんだけど、夫が上の子と二人で帰省していて…」とひっそり話す。どちら?というと更にトホホな顔をして「仙台」と。自分達が心配でないなら別にどこへ行ってもいいだろうと私は思うけど、美容師という接客業なだけに方々の目を気にしなきゃならないのだろう。美容師さんは日常的に長めの休暇も取りづらいはずだし、新幹線が空いているらしいから今しかない、というのもあって思い切ったのはよく分かる。夫も青森帰ろうかなぁと何度か口にしていた。少しだけ二人でのんびりだね〜と話して別れる。吉祥寺まで総武線。子は前に来た遊び場施設のことをよく覚えているから楽しみ過ぎて張り切っている。入ってしまうと飲み物ひとつ買いに出るのも大変だったから準備して向かう。遊具は少し制限されているけどそれほど物足りなさは感じないで遊べる。利用制限していないとのことだったから、どこへも行けない人達で溢れているかと思いきやそうでもない。三時間パックきっちり遊んで私は頭がクラクラ。終わり頃にやっと夫が自分も行くと連絡してきて待ち合わす。ごはんを食べに行こうと言う。本当に遊びには付き合わないよなぁと冷めた目をしてしまう。しかも夫の提案する店は大概バイキングとか、今の世の中じゃ気になる形態の店ばかり。バイキングてことは、疲れているのに自分で用意しなきゃいけないわけで。でもおそらくそんな食事がしたくてわざわざやってきた夫の機嫌を損ねるのも面倒なので従う。ピークタイムじゃないのが救い。少しでも食べたら気持ちも落ち着いて、子の遊びやすいサンダルが思い切って買えるくらい値下がっているか、近くの靴流通センターで確認しながら、買う決心はできずに帰路につく。

今日も8時にベランダに出てみる。はじめはビルの後ろに花火の端っこが飛び出して夜空が少し明るくみえるくらいだけど8時6分頃になると大きく上がるのがわかった。ドカンときれいに見えるよりも、どこか遠くに感じる夏がちょうど良い。

 

8/14

なんだか最近、疲れ果てて一日がどうはじまってどう終わりを迎えたのかも覚えてない。

夫が税務署やら区役所やら行っているので終わったところで合流しようかと昼過ぎに阿佐ヶ谷へ買い物へ。途中で寝てしまい、駐輪場の側に停車して休憩。寝起きは泣き出したりするけど、寝る前にうわごとのように言っていたコーラを買ってまずは落ち着かせる。掘り出しものはないか、しまむらを見るけど収穫なし。夫が終わってやってきた。子がカキ氷を食べたいというのをごまかしながら商店街を進み続けて結局サンマルクに入ろうかとなってしまう。ドアが開いて、空席が無いくらい混んでいるのが目に入ってこれから判断しようという瞬間にはもう店員さんがやってきて、3名様ですね?と確認するなり、「あ、え、」となってるこちらの間合いは丸無視で、もう飲食が済んでいるお客さんを見つけ出したら何やら声をかけて、席を立たせてまで場所を用意してくれてしまった。こんな世の中でみっちり席が埋まっているなかに、さぁ座れと笑顔で押しつけてくることほどの嫌がらせは無いと心から思った。終始不機嫌なまま早々と店を出る。失敗したテンションのまま来た道を戻っていると、何やら活気のある新しくできたケバブ屋。オープンセールで半額。よく見かけるケバブ屋はたいがい狭小店舗だけれど、そこは厨房もまぁまぁ広く、調理しているカウンターの窓は全開で、そこから伺えるなかの活気からすでに美味しそうに見える。そしてトルコ人?中東の方の呼び込み接客の滑らかさはなんだろう、少しでも聞く耳をもってしまったらもうその気になってしまう。普段買うようなものではなく、こんなキッカケがないと食べないからせっかくだしと前向きになって先程の失敗から気を持ち直す。ソースが5種類くらいから選べるのもあまり見たことがないスタイルだった。帰って自転車を停めたら、このマンションで一番親近感あるママに会う。彼女は高円寺の八百屋さん。店は休みだけど雑務があるから子は保育園に行かせてお迎えにいくところだという。少し立ち話。同い年の子の成長のこと、家族のこと、近所の話、これからの引っ越しのこと。会話から家族の在り方を垣間見ると、やっぱり共働きだとお互いが対等だなと思う。なんなら子どもの世話の多くを担わされることがあるだけ、母親の方が尊重されておかしくない。彼女もきっと色んな人の話を聞いて感じているのか、専業主婦だと旦那さんがそんなつもりで言ったわけじゃないことでも自分で思い詰めちゃうようなことになったりするっていうよねと理解を示すものの、そんな綺麗事じゃないよと思った。「そんなつもりじゃない」わけない。よく子育てに休みは無いとかいうけど、それだけを専門にしていると、さらに少しの手抜きも楽も、自分の食の好みすらも許されないんだなと、夫のこないだの朝食についての発言で実感した。夫は「時間の有無以前に、関心があるかないか」を問題として、関心があれば必然的にそれ相応にこなすはずだろうと、関心の薄い私を責めているようだけど、でも実際私も通勤していたりで時間がなければ無関心を正当化できるわけで。ポテサラおじさんや冷凍餃子夫にも、共働きの母親であれば反論もできるけど、何もしていない私達はそれを言われようものなら自分を恥じて口をつぐむしかなくなる。社会に生きていないというのは自由なようで自由を奪われている。気づきながらもどうにもできないでいる。このママとはついにLINE交換して一歩近づく。スマホを出したらちょうど夫から、また今から出かけるからとLINEがきていて急いで部屋に帰る。

8時にまた花火。「としまえん、近いねぇ」とあらためて声に出す。閉園と聞いてからそれまでに行っときたいねと話していたけど、閉園騒ぎでまた集まる人の多さを思ってなかなか行動にできないでいた。前にママ友が自転車で全然行けるって言っていたけど電動自転車だからとすると、私はいいけどそれについてくる夫はどうなるかなと思うも、そうなんだよね新宿より近いってやまちゃんも言ってた、と夫。やまちゃんの馬力は夫と同じようなものだからそれはもう間違いなく行けるやつだ。自転車で行けるというだけでストレスは半減以下。あとは予約が問題。

金曜ロードショーはトトロ。もうセリフを暗記して劇ができるくらい観ている。

 

8/15

夫が朝から仕事で新宿。何か買うものあるかというので、墨絵のパンを頼む。新宿メトロ食堂街が閉館するとの情報をみたばかりだった。もうしばらく訪れていない新宿西口。駅の一部みたいな小田急の一部みたいな、新宿のあちこちが新しくなっていくなかで、あんな絶妙な造りのままここまで耐えてこれているから、今さら建て替えるなんて信じられない。地上に出られそうで地上がない、昔々は戸惑ったものだった。長いこと丸の内線沿線に住んできて、誕生日のケーキやちょっとしたお土産を買いたい時に、最後の最後でここがあったと高野フルーツパーラーには救われたし、蕎麦屋では立ち食いもした。パーコー麺も食べたと思う。墨繪のパンを知ってからは西口を通った時の特別なパンになったし、チラシがまた良くて、文字とか絵とか理想的に素敵で冷蔵庫に貼ったりしていた。なんだかじめっとした場所なのにご婦人達が並んでいたりするのを見てレストランに憧れた。夫は気がついたら自分の後ろに行列ができてたよ、といって指定したパンはちゃんと買ってきてくれた。種類はだいたい頭に入ってる。定番だろうけど、いちじくのパンとチョコパンがお気に入り。

夕方、絵本の返却だけ。高円寺のデコクレープの店のデコソフトクリームを買ってみたいとのことで行くも、アイスが終わってしまって買えず。近くまで来たし夫もいるからごっちゃんのところへ行こうとなってテンションを持ち直す。北中通りは子はもう庭のように一人でずんずん歩いて行ってしまう。ごっちゃんはクイズ遊びに付き合ってくれちゃうから子が調子に乗る。適当に切り上げてイオンリカー。ビール憧れが強い子にルートビアを勧めてみる。シュガーラッシュでヴァネロペとラルフが乾杯してるやつだよ、というと飲む気満々になって、ひと口飲んで何も言えなくなっていた。中通りルートビア飲み飲み歩く子に行き交う人が振り返る。もう夜だしこのまま近くまで行ったらとしまえんの花火がみえるんじゃないか、とまずは野方を目指すことにした。途中でごはんも食べてもうすぐ8時。行けるとこまで行ってみようと自転車を走らせて練馬まで踏み入れた8時過ぎも、全く花火の気配を感じないまま7分が過ぎる。やっぱりへたに近くにいたら見えないのかもね、うちの距離だからこそ見えたのかもと話しながら引き返す。練馬の環七沿いにテラス席の雰囲気が良い感じの店があった。ピザを窯で焼いていて美味しそう、バーベキューもできるらしい。こんな店に無性に惹かれてしまう蒸し暑い夜。花火はなかったけど少し浮かれた気持ちで帰る。中野のセントラルパーク前の道に差し掛かかると、公園内に提灯が飾られ少し賑わっているのが見える。子は寝てしまったけどなかを通ってみると、甚平やら浴衣を着た子どももいて、ヨーヨーを手にしていたり祭りの気配がある。毎年この辺りでやっている盆踊りが今年は配信で実施とのことだったけど、そこでも何やらやっていたようだった。明日確認してみよう。

 

8/16

ようやく自分で花火の情報をネットをみて、昨夜のとしまえんは花火があがっていなかったことを知る。そしてサイトには「パーク内からしか見えないようになっているので駅や地域周辺で溜まらないようにしてください」と書かれている。それだけどうちからは見えている。やっぱり近過ぎると見えないということなのだろうか。

昼間、夫が扇風機を壊す。もう古くて元々調子が悪かった。持ち上げた瞬間クビが取れてしまったらしい。もう一台あるけどそれでは足りない。蒸し暑くてひと雨降りそうな気候。昼過ぎに急いで夫がドンキに買いに行く。子と高円寺へ、昨日食べれなかったアイスをもう一度見に行くけどまだ仕入れられていないとのこと。サーティーワンに誘う。コツコツためているだけあってクーポンで少し特別にも出来る。自転車に座って食べながらセントラルパークへ。夫も中野へやってきた。盆踊り自体は建物内のホールで行われていて、外にはその音が流されている。いつも通りの献灯提灯と、規模は縮小された飲食の屋台が並ぶ。野外だけどエリアは柵で仕切られて、そちら側に入るのには検温して住所氏名を記入。そうして入るとヨーヨー釣りや射的なんかをこじんまりとやっていたのでヨーヨー釣りをさせてあげる。やっぱりこれがないと夏らしさに欠ける、と思って躍起になってしまうのは子より自分のほうだともいえる。子はピカピカ光るグッズを欲しがってそれも買う。浴衣を着ている女の子達をみて、自分も着たかったなぁと呟いていたのが辛くなってしまってせめてもで光るアイテムを。また公園全体で遊んでいると雨が降り出したので、雨宿りよりも猛ダッシュで帰宅して一日が終了。

 

8/17

朝から出先で夫がとしまえんをチェックしたらしくて25日ならあるけど?と連絡してくる。もうそんな先になってしまうのか。気づけば盆休みも終わっている。でも25日からは園も始まってしまう。あり得ない。自分もとしまえんのサイトを確認してみるも、何も知らずに見るとタイプが色々あって混乱。よくよく読み込みながら予約サイトを開くと、25日前でも全然余裕がある種類もある。この一週間で決めなきゃならないけど、預かり保育も入れているし、夏休み期間のスタンプを集めているお話し会もある。園に提出する文集の原稿作りもしなきゃならない。何より仕事の原稿もダメだしされていて直さなきゃならないし。あれこれ思い浮かべながら予約サイトをいったりきたりしている間に売り切れが出ている。焦ってひとまず仕方なしに空きがあった預かり保育の日で予約キープ。夫に確認して今度は登園前日に変更して最初の予約を即キャンセル。でも園がはじまる前日ってどうなんだろうかと、保護者会もあるから自分がしんどいなと思って諦めきれずにまだサイトを見続けていると、室内遊び場だけのチケットもある。それだけは週末も含め毎日のようにチケットに余裕がある。余計に分からない。これがどれだけ「としまえん」であるのか。もう電話で問い合わせることにしたけど、電話がまぁ繋がらない。いまも遊びたくて騒ぐ子を言い聞かせて昼過ぎ、掛け直しボタンを押し続けること76回、ようやく繋がる。おじいちゃんのような人が出る。こんな終わり間際の時期なのに丁寧に教えてくれた。その話でいけば、さっそく本当に今からでも遊びに行けそうだけど。夫に連絡すると明日には予定合わせられるというのでまずは3人で行くために明日に予約。ひとつ確実になって子も落ち着いてくれた。

夕方、少し天気が悪い。室内で子がバタバタしようものなら、下に人が居ないと分かっていてもつい即座に注意してしまう。その煩さには私自身が鬱陶しく感じていたからみたい。せっかく人が居ないのだから今のうちに伸び伸びさせてあげよう。でも雨が降るかもしれないからその前ならまた家の脇で道路に絵を描いて遊ぶのがいい。何日も残されることになるのはちょっとバツが悪い。お絵描きをしているとマンションのママがやってきて、としまえんの話をする。そこのお宅は年パスを持つくらい常連。チケット取る前に相談すればよかったけど、いま少し分かったところで話を聞くからやっと理解ができるのかも。やっぱりプールのために行っていたようなものらしい。あまり長いことは遊んでいられないと言って、最近もプールに行って午前中だけだというのにこんがり焼けて帰ってきていた。我が子の歳には室内遊び場で本当に充分だよ暑いし、とお墨付きをいただき明日に挑む。実は私も昔はとしまえんに行ったことが何度かある。おばあちゃんの家が西武線だったし、いとこはその先の西武線沿線の埼玉だったから、としまえんと西武園はよく行った遊園地だという記憶だけはある。としまえんに最後に行ったのは従姉と中学生だか高校生だかの頃。その頃は混雑とか行列とか、それがあったのかすら全く覚えにないくらい気にしてなかったと思うけど、私はいつからこんなに待つことが苦痛な人間になったのだろう。大規模な人の流れがしんどくて、AIR JAMにはもううんざりしていた気がする。でもメタモルフォーゼは大丈夫だったような。音楽イベントと混同することではないかもだけど。とにかく子どもが明日を楽しみにできていて良かった。お絵かきを終えて帰ろうと大通りに目をやると、信号待ちの車の列にコロナ感染者を輸送しているらしい車をはじめて目撃。運転席の防護服の人をみると緊張感高まる。そのままファミリーマート。はじめてファミペイを使ってみる。いつものお兄さんが「色々貰えたりしますよ。はじめは大体炭酸水」とのこと。今までクレジットのTカードで支払いをしていたけど、ポイントを貯めるのと支払いと、レジの人に伝えながら二回差し込みをしなきゃいけなくて、カードを出して現金払いの従来のやり方よりはマシかもしれないけど、店員さんとのタイミングを合わせてカード差し込みとか、なんとなく厄介にも感じていた。カード利用のスマートさが足りない。でもファミペイはポイント付与も支払いも一度で済む。これは良い。

決して涼しくはないけど、風鈴がよく鳴る風が強い日。

 

8/18

さて、待ちに待ったとしまえん。暑さ対策を万全にしていざ。荻窪に行くのと同じような感覚で精神的に距離を感じて体が強張るけど、ひとたび走ればぐんぐん進める。練馬までは何度も自転車で行ったことがあり道はわかっている。知ってるところまで辿り着いて、この先かと思っていたらもう着いていた。近い!こんなに近くに遊園地があったとは、なぜ今まで来ないでしまったのか。駅前はこじんまりとした街並みで雰囲気も良い。ネット予約制だからなのかサクサクと入れる。ごみごみして歩きにくいといった印象もまるでなく、室内遊び場で半日を過ごすくらい子はそこで大満足。大人の希望でなんとかエルドラドに乗るくらい。あとはゲームコーナーで遊んだり動物の触れ合いをしたり。歩きながら、「ここはめーちゃんの夢の世界なの!」と言ってしまうほど子は気に入ったようだった。隣接するトイザらスも閉店する。すでにすっからかん状態の売り場に足を踏み入れたことで寂しくなってしまったけど、ウーモが残っていてそれを買えたから良し。平日は花火もなく夜7時まで。自転車だと帰りを気にしなくていいだけに、物足りなさを感じながら後にする。こんなにお手軽なら花火のある日にまた来れるかもしれない。

帰り道、練馬の細い通りを夫に続いて道を走っていると民家の間にポツンと煌々としている建物があって焼き鳥の旗がみえる。通り過ぎる瞬間にもう美味しそうと勘づく。客人がまた良くて、なんというか地元のホンモノといった、先輩後輩関係っぽい男性3人が大きな袋で持ち帰っていくところだった。少し先で夫が止まってこちらを振り返っているから、「みた?美味しそう」というと夫もそう思っていたらしくて、「みた!買おう!」といって引き返す。おばさん二人が待っている。種類は4種類くらいしかない。飲み屋とかではなく、焼き鳥の専門店のよう。店構えといい手書きのお品書きといい焼いてるおじさんといい、美味しい雰囲気が漂っていて期待が高まる。夫が並んでいる間、前にいた犬を連れたおばさんと話したらしくて、自分の店の客に美味しいと教えられてはじめて来た、とのことだったらしい。軽く興奮しながら帰宅。開けてみると大きくぶつ切りにされた肉。タレだけどこってりした焼き鳥ではなく、いかにも肉!といったシンプルな感じ。飽きないで食べられる焼き鳥なのかな。あとは安いってことだろうか。大興奮した割にはかもしれない。それか私にはまだ分からない域。

 

8/19

図書館のお話し会。もう図書館の職員だけでなく、以前のようにボランティアの方が読んでくれるようになってる。劇団員かというくらい話し方がプロっぽく、今にも踊り出してしまいそうなおばさんがいた。長いこと通っているけど初見の方。皆んなが話に引き込まれておとなしく聞いていた。また来て欲しい。

薬局にスーパーに買い物して帰り。夕飯の用意をやりきった夜6時過ぎ、夫が外に出ていて、異常に涼しいよ、出てくれば、とのこと。夜の散歩する?と子に聞くと出るというので光るリングをして外に出る。高円寺で夫と落ち合うと、全サイズ150円をやっているマックのポテトを買うかと言って子を甘やかす。夕飯は出来ているのに。でもせっかくだからこないだ知った都の子育てパスポートというのを見せて、これで何がどうなるか聞くと、ハッピーセットが割引になるとのことだった。それならそれは後日にして、ポテトと私はヨーグルト味のマックシェイクを買う。三平で惣菜。夫も三平の惣菜を気に入っていた。この上の100円ショップのシルクが9月で閉店する。少し先にはキャンドゥがあるけど、これはこれで好きだった。高円寺のなかでは広い店だったし、100円ショップなのに商店街の商品券が使える店として穴場だった。つい何日か前にそこで働くお兄さんの休日っぽいところを環七で見かけたけど、覚えてしまうくらい、あの人シルク歴長かったな。

夜、ママ友から道でばったり会ったと、知り合いの子の写真。よくよく見てみると豊島園のTシャツを着ている。グッズのことを思い出して検索。可愛い。次に行ったら買う。

 

8/20

預かり保育。お弁当、といってもおにぎりかサンドイッチと決められているが、そのお昼ごはんも園で食べたいというので昨日時間の変更をお願いしてある。おにぎりを持たせて登園。赤白帽子の赤が基本の形になっているけど子はいつも白を表にしたがる。赤はキツい色だから白がいいの、とのこと。園に着いてやっぱり皆んな赤で被っているし、正直白が表だと汚れが酷いと落ちにくいから、もう一度変えなくていいの?と投げかけてみるも意思は固くそのまま。八百屋など買い物を済ませておく。週末に子と二人でとしまえんに行こうと思っていたけど、夫の演奏の話が無くなったらしく仕事の予定をそっちに差し替えられることになって、明日にとしまえんをまた3人分予約、以前に取った登園前日分をキャンセル。このチケットならばギリギリまでやりくりしながら取れるんじゃないのかと少し期待する。でも明日なら花火もあるし、これでお終いになっても悔いはない。

 

8/21

張り切って準備。前回の反省点を踏まえて今日はおにぎりを用意していく。室内遊び場には休憩スペースがあって、そこで食事をしている人は多かった。今日も暑い。行きしな少し道を変えてみると、大きなタコ遊具の公園も発見。私がこのタコ遊具を探していた。ここにいたのか。そこでも遊びたいところだけど今日は先を急ぐ。近くに美味しそうなカレー屋も発見。でも今日は夜にとしまえん内のカレー屋と私は決めている。練馬、また来よう。

前回通りに遊んでおにぎりも食べて、どうにか屋外に出た時にはエルドラドは一周囲んでさらに折り返すほどの行列。諦めて前回出来なかった他の遊びや子ども向け乗り物で時間いっぱい遊ぶ。としまえんのタオルもお土産に買った。8時の花火に備えて7時くらいにカレー屋。購入する時は並ぶけれど、店内はゆったり。味も価格も遊園地内とは思えない出来栄え。お子さまカレーもチャツネ感が良い。大大満足。8時近くなって店を出ると、花火待機でたくさんの人が座ってる。ということはそこが観覧スポットなのだろうからそこに混じる。8時。花火が上がった瞬間。どこからか子ども達がウワーッともっと前へ前へ駆け出していく。その光景にさらに胸が高ぶる。「行こう!」と私と子も、もっと近くへと走る。すごい!すごい!と子がずっと叫んでいる。密集するわけでもなく、サイクロンのレールの下から、ド迫力で花火を感じる。これが家のベランダから見えていた花火なのか。あの花火の本来の姿がみえたことにも感動が止まらない。そして思ったよりずっと低い。これがうちから見えているとは。勾配を感じながら自転車で来たけど、うちの方が高台ということがわかる。いつのまにか夫も隣りまできていた。6分で激しく打ち上がるとかどんな色の花火なのか、すでにポイントは心得ているので、周りにいる人ほど私達の感嘆は少ない。それでも煙たいほどの距離に終始興奮しっ放し。7分、短いようだけど充分だった。見られて良かった。どこか遠くに感じていた夏の思い出を、自分の手で確かに掴めた感じ。もう暗くなって終了したはずなのに四方に向かって歩く人や、まだ路上パフォーマンスを見物している人もいて、前回の子どもの言葉を借りればまさに夢の世界のよう。出口に近いところで最後のアトラクションといった感じで輪投げをやっていた。ぐるっと円形の台にスタッフは二人だけで忙しない。隙をみて夫も参加。一回100円で私もやろうかなと財布を探している間に「時間なので今やってる方で最後にしまーす」の掛け声。とそのタイミングで夫が最後の輪を投げてしまった。ああっ、とアヒルに引っかかった輪をみてガッカリしていると、少し離れたところにいた女性グループが、「あっ、誰か入ってるよ、あれセーフだよ!入ってますよ!セーフ!セーフ!」と私達に気付いて声をあげてくれる。私達がほんとに?と戸惑っているとスタッフの人が「大丈夫ですよ〜、おめでとうございまーす」と近づいてきてくれて、向こうの女性達も良かった良かったといった感じに去っていった。最後のゲットした客となって景品を選ぶ。これが人気なんですよ〜、ほんとこれ可愛い、おすすめ!とディズニーの絵柄の光るリングを見せてくれる。他の景品についても教えてくれるけど、ミニオンズよりも何よりも、このディズニー物をイチ押ししてくるお姉さん。としまえんのこの何でもありな世界が居心地よい。良さを知ったいま無くなってしまうのだから本当に残念でならないけど。実は今日に限って光るリングを持ってきていて、落としてしまったところだったし、ちょうど良かったねと、リングを選んでお姉さんも満足そうに見送ってくれた。エルドラド、もう一回乗りたかったけど、子どもが楽しむの優先でやりきったと思う。

 

8/22

いつも通りだったら高円寺の阿波おどりの日だろうか。東京だけでなく世の中の祭りごとが全て中止になっているから、皮肉なものでいつもこの時期不在になりがちな夫もここにいる。この夏は何度も「ほんとだったらこんなことがある時で、あんなことしてる」と、私と子がいつも夏はどう過ごしていたかを夫に話すことになった。それくらい夏は家族より母子で過ごす地域の思い出が多い。またひとつ社会との繋がりがなくなってしまったようで侘しさもある。

王様のブランチで紹介されるようなお店はどこも随分としっかり席ごとの仕切りをしてるものなんだなぁと思いながら観ていたけど、どうやらそれはテレビ側の持ち込みの仕切りのようだった。今の私は味より何より空間ばかり気になっている。ブックコーナーで原田ひ香さんの「口福のレシピ」が紹介されていて、原田さんが「家族に料理を出す時に、例えば焦げていない方とか少しでも良く出来たキレイな方を、大きい方を差し出す。自然にそうしてしまうのが愛情だと思う」みたいなことを話していた。確かに自分もそうしてしまう。無自覚な愛情として搾取されているんだと思うと少し悔しい気がした。

午後、中野で過ごす。いつも通りブロードウェイ、今日は4階まで。まんだらけのぷらすちっく館を覚えた。あとは、まちおか、ドンキ、クレアーズに、マックでナゲットを買って帰り。夫が花火をやらせてあげたいと言い出して、そういえば今年はやっていなかったなと思い出した。正直この辺りでやる花火は人目を気にして没頭できないし、私はそんなに楽しいとは思えない。今日ドンキで千円くらいだった、それより安ければやってもいいと思うけど、と話す。夜に雷。雨は無く、音だけが鳴り響いていた。

 

8/23

朝から夫と子が新宿へ、映画2分の1の魔法を観にいった。子が公開延期になる前からずっとずっと楽しみにしていた。うちは派手に出掛けることはなくて、こうした小さな消費、無駄遣いを繰り返しているなと思う。私は二人が居ない隙にもう一度食べてみたかったマックのハワイアンパンケーキを買いに行ったり買い物したりしようかと思っていたけど、出て少し走ったら雨が強く降ってきたので諦めて帰宅。昼前には夫と子も寄り道せず帰ってきた。映画は話がどうこうよりも、とにかくずっと観たかったものが観れて満足といった様子。

ラスト約一週間のとしまえんは屋内施設チケットでもさすがにもう終了になっていた。少し期待していたのもあってガッカリ。

夜、8時だ、と言って私はベランダに出る。ベランダ花火は私が一番みている。少しだけ体をズラさないと観づらいから子どもにみせるのは難しい。6分の高く上がるやつだけ少し観にくる。今日はなんかよく観える。毎回観てるとわかる。花火に適した気候らしい。終わり頃夫がフラフラと花火を探しに行った模様。セブンに1300円であったと連絡がくる。もう時期が過ぎちゃったからなかなか無いよ、とまで言ってくる。どっかで300円くらいで売ってたんだよな〜、どこだったかなぁスーパーかなぁ、と色々名前をだして時間稼ぎ。反応が無くなったと思ったら帰ってきた。1300円で買ってこなくて良かった。スーパーもいくつか見てきたけど無かったと言われる。

 

8/24

今日で夏休み終わり。何がしたい?と聞いてみると魚釣りがしたいと。前回こんなに楽しめるならまた来ようねと本気でそう思って言ってたけど、日々なんだかんだで過ぎていた。今日は魚釣りして公園で遊ぶ。まだまだ暑い。せいびばしの掛かる一本道は特別ジリジリする気がする。魚が釣れたら私に針を外せるか少し心配していたら、それまでには夫もやってきた。平日早い時間の魚釣りは長閑でのんびりしている反面、釣り堀のなかの魚は大量に勢いよく群がっていた。タモだけですくえてしまいそうなほど。次は近くの遊具の公園へ。小学生が駆け回る隙をついてそこそこ遊べる。ドンキに行こうと夫。近いようで実は全然、走りだしてから同意して失敗したなと私は思いつつ。子は寝てしまいつつ。起こして店内に入るとすぐ花火が目に飛び込んだ。99円の3種類くらいしか入っていない花火があって、もう全然これでいい。たいして量は出来ないんだし。ここのドンキにきたらまたおもちゃが目についてしまう。悩みに悩んでどろんこペッツというおもちゃを買ってみる。泥を洗い流すと動物のフィギュアが出てくるらしい。買い物を済ませて帰り道がてらに今度は島忠前の公園へ。歳の近い男の子二人に子もなんとなく混ざれてしまって楽しくなってきている。夫が寄って行こうかと言ったくせに自分は帰らなきゃならないと早々に退散。滑り台の陰で遊ぶ姿をぼんやり見つめ続けて時間がくるのを待つ。周りのお母さんもそんな感じだった。皆んなと同じ遊びから少し移動したのをきっかけに帰りを促す。汗がすごい。今日はもう帰って即お風呂にしよう。そう思いながら、最後のミッション、サントクの塗り絵を提出しに行く。スーパーでたまにあるイベントで店内に飾られるやつ。きちんとラミネートして貼ってくれるらしい。ペロペロキャンディをひとつと、週末にやる抽選会の引き換え券をもらう。これで全て完了。もう汗でドロドロ。どろんこペッツを洗えるから子も納得の早めのお風呂。ほんとに泥が付いてる。洗い流すとなかなか可愛いフィギュア。20代の私だったら買い漁っていたかも。

一日が終わった。と思いきや、夕飯の後に夫が仕上げに花火をしに行こうと言い出した。この辺りでは花火は禁止されていて、中野区だと小さな花火ならば良いとされている。去年までは車の往来が激しい大きな通り沿いの公園でやっていたけど、人もいるし明るくて、私はそれがいまいちに思っていた。そこは最終手段にするとして、裏道から他の公園を見繕いながら行く。最初に狙っていた公園は民家過ぎると夫に言われて却下。ならばあそこはどうだとライブハウスのムーンステップの裏手の公園まで来た。そこそこ暗いし広くて良さげ。ショボい花火だと思っていても意外と煙がたつ。結局キョロキョロしながら素早く終えて退散。マンションに着いたらお馴染みの同じ階のおばさんが帰ってきたところで、中野区まで花火をしに行った話をすると、昔はこの脇道でもやってたんだけど、と昔の話にもなる。そして例のとしまえんの花火を屋上から皆んなで見たという話。一度でいいから屋上に出てみたくてと夫が言うと、おばさんは鍵あるよ。貸そうか、と鍵束から外そうとしてくる。昔は皆んな持たされていたらしい。布団なんかは屋上で干せるようになっていると。私達が入居する時にはもう屋上はあるけど使えないとされていて、たまに撮影なんかで使用貸し出しをしている。なんと。鍵を持っている住人がいるとは。それじゃあいつかお願いします、でも一緒にいきましょうと夫。ビール持ってね、とおばさん。

 

8/25

登園。全学年で保護者会。密集。でももう仕方ない気がしてる。保護者の総会もあってまぁまぁ長時間。午後までの保育は再開するけどお弁当はおにぎりかサンドイッチのみとされる。二学期の予定の説明。保護者参加のあれこれは廃止される。運動会の親の競技参加は無し。クリスマス礼拝のコーラスも無い。礼拝、去年はまだ気づかぬインフルエンザの最中でなんとなく朦朧としていて、万全な参加が出来なかったから次回こそはと思っていたのでこれは少しがっかり。先生が園の片付けをして食器を処分しようと思うので必要な人はよければどうぞ、と。集会終了後に皿が置かれたケースに群がるママ達。やっぱり皆んな貰えるとか好きだよね。今年の文集はまさにこのことを書いた私。コロナ禍の断捨離でうちがゲットした物について。ここも貰わないわけにはいかない。白い皿を三枚。降園時に委員会作業。なぜこれは許されるのか、保育室内での絵本整理作業が早速開始になった。

クィーンズ伊勢丹の子どものお買い物企画がそろそろかもと思って行ってみると、敬老の日の絵の企画。今年は無いのかまだなのかと思いながら店内をまわる。クィーンズ伊勢丹は見慣れた価格の物を見つけるのが難儀なくらい基本的には良質で高めの物ばかり。同じものでも基本の定価だから高く感じる。滅多にこないけど来たら来たで雰囲気にのまれて、値がはっても良さそうな物を買いたくもなる。実際ヤクルト1000が売っていて、営業所でなくここにもあったかと嬉しくなって買ってしまった。そのあと日常的な食べ物を近所で買い物。晩ご飯時、テレビを観ていると火曜サプライズでやしま。やしまには思い出がある。何度と移転をしているようだけど、おもちゃを詰め込んだ内装は変わらず続けているみたい。おとうさんはもう引退しているんだろうか。おとうさんとおかあさんには私が渋谷で働いていたころ仲良くしてもらっていた。宇田川町の雑居ビルの地下にあったやしま。そのすぐ上の雑貨屋さんに働きだした私が、まだその場所に不慣れだったとき、一番初めに声をかけてくれたご近所さんがおとうさんだった。こんな怪しい店の私に声をかけてくれるなんてと、こちらこそ戸惑ったものだけど、こんな渋谷の真ん中で数々のツワモノ相手に商売していただけあって、実はおとうさんこそ風変わりな人だったなと思う。この関係が一番にあったからこそ、私はその後近所の他たくさんの人とも堂々と交流ができたのかもしれない。今でもその一人一人の顔までしっかり思い出せる。自分がどんな顔してそこにいたかは全く記憶にないのだけど。やしまのおとうさんが話してくれたこともよく覚えてる。常連さんに合わせていくうちに量が多くなってしまったこと、皆んな何曜日に何を食べると決めているから、そのルーティンのなかに入ってしまえばこっちのものだという話、古いおもちゃはもちろん良いけど、新しいものと組み合わせるのがまた良いといって、変に通ぶった物ばかりでなく自分の眼で選んで楽しい物を買っていた。私のバイト先がなくなる最後の時には、うどんを包んでくれて、もうこれは昔ので今は使ってないんだけどと、先代のイラストが描かれた紙を添えてくれた。おとうさんはよく、「今日はあのぅー松本、ダウンタウンの松本が来てたの」とかも話してきて、こっちはもう渋谷に松ちゃんでいちいち興奮しないよ?と思っていたけど、数年後に明治公園のフリマで、やしまの例の先代のイラストが描かれたFTCのコラボTシャツが売ってるのをみて、こなれた小洒落た若者に「あ、やしま知ってます?ヤバいすよねー」と言われて、あぁ本当にカリスマショップだったんじゃん、とこれこそ興奮した。こうして渋谷で出会った人、全てに物語があった。渋谷の宇田川町の、ただの風景のなかに生きていた私の話。

 

8/26

今日は朝からアンケートの人がやってくる。先日いつものおばさんじゃない人から電話があって、そんなことは前にもあったから今回は違う人が担当なんだと思いながらとりあえず受け付けた。朝、やってきたのは身体の大きな、おばさんに比べたらまだまだ若手の女性。会うなり山田さんは?と聞くと、それが引退なされたんですよー、と言われて自分でも思いのほか大きな声が出た。もう少なくとも15年の付き合いなのに。何も言わずに?それをお伝えできないのが私どもの仕事の辛いところなんですよー、と返される。引越した時にはケーキを買ってきてくれたし、子供が生まれた時にはおむつを買ってきてくれた。編み物が趣味でマフラーを編んできてくれたこともあった。いつもあっちにこっちにの移動距離を嘆いて、たまに他の担当のしわ寄せをくって愚痴をこぼしてることもあったけど、それでもその仕事を務めることに誇りと喜びがあって、生き生きしているおばさんだった。実際、新しい人の手際をみてると山田のおばさんは相当なプロだったんだなと分かる。この近くに住んでいるのは知っている。またどこか街で会うことがあれば声を掛けたい。今日は自分で記入する分がないので、いつもより安い図書カード。でもこれで子どもに本を買ってあげられるのが楽しみだ。

今日は図書館のあと近くの公園にお友達と移動。蚊がすごくて落ち着かない。まだまだ暑い。山口もえがコロナになったといって、爆笑問題の田中はテレビやラジオ、レギュラー番組に電話出演して話していたけど結局田中も陽性。市中感染だ職場だ夜の街だと、その時々注意されてきたけど、家庭内感染というワードで今さら騒ぎ立てて、そんなのはじめのはじめから一番あり得てる経路なのに変な感じ。コロナで他に騒ぎたてるようなテーマが無くなったのだろうか。それなら良いことでもあるけど、家に自分の他に人がいる立場だとずっとずっと倍に怖がっているよ。私は「杉並 感染」でどこでも検索し続けているけど、いつまでたっても「杉並」のあとの「か」の入力で先頭に「感染」と出てこないから、そんなにも人は気にしないのかとショックを受けている。ちなみに杉並のあとの「か」で出てくる一番は観光。なんで。ツイッターのCOVID-19のジャンルで有名人の感染状況はいちいちあげられているけど、この田中と同時期に感染したはずのつるの剛士はあがってこない。なんで。

 

8/27

午前保育の帰りのタイミングで雨。即帰宅。夕方、高円寺の薬局スーパーに買い物。園でも外遊びばかりなこともあって、もう8月も終わりだけどこの夏4本目の日焼け止め。暑いからまだしばらく外の水遊びが続くと思う。薬局をぐるっとしてると子が「きて!みて!」と何かがあったらしく店内をあっちでもないこっちでもないと何かを探してぐるぐる周りだした。そんな広い店でも什器の配列がおかしな店でもない。そのなかを何度も行ったり来たりしているから、店員さんも何があったんだと気にしてくれてしまう。内緒にして私を驚かせたかったようだけど、もういいから口でしっかり説明をしてと言い続けてようやく口を開き、「コッシーの、沼の」で、下痢止め薬のところに付いてたサバンナ高橋だなと、すぐに発見できた。よく気づいたねーと言われたくて自力で探していたと思われる。こんなくだらない無駄な時間に付き合える余裕を持ち続けていられることが私の一番の望み。

なぜか子が夫と銭湯の話になっていて、行きたいとなるとこれは私が行くしかない。子が男湯を嫌悪しているわけでないなら、それでいいのかもしれないけど、そっちに入りたいと言ってるわけでもない。これは女の子のものとか、男の子に対して自分とは違うとか、性別をもとにして決めつけることをしないでほしい、対等であってほしいと常々思っているけど、その思いの強さから結局私が仕切って連れだってしまうから、いつも通りに女女で組む形にはなってしまう。銭湯となるとそんな精神論だけを突き通せる場所とも違うし、私も銭湯が絶対嫌だというわけでもないんだから、あえて夫に託すことでもない。私からすれば銭湯ほど同性に会いたくない場所はないと今も思っているけど、湯沸し器が故障して行かざるをえなかった時に数日通うことになったものの、自分が気を揉むほど知り合いに遭遇するようなことはない世界だった。時間帯がほぼ決まっていたのもあるだろうけど、毎回同じおばあさんしか居なかった。今はそれより感染が気になる。「銭湯 感染」で調べまくるけど、問題にはなっていない。気をつけるべきは浴場じゃなく脱衣所とのこと。一応全く気にせず行けるわけじゃないから、言うことを聞いてね、それでも行くんだね?と、相変わらず子には何度確認してもブレないようなので8時くらいに家を出る。せめてもで「お父さんも一緒だったら壁の向こうにお父さんて呼んだら聞こえるんだよ」という、父がそちら側にいることの楽しみを設定して3人で行く。じつに半年ぶりくらいに来たけど、やっぱり前にもいたおばあさんが数人いた。おばあさんと目があったのか、子は見られているのを意識しているようにおとなしく、でも嬉しそうにニコニコしている。湯温は前と同じだけど夏だからかとても熱く感じる。少し入って一度あがって水を飲み、壁越しにお父さん呼んでみな、というとはじめ遠慮がちに小さな声で呟いてから今度は大きく「お父さん」と呼ぶ。「はーい」と返ってきて満足そう。出てからの脱衣所ではソロリソロリと後始末をして足早に出る。銭湯、行ったら気持ち良いことくらい私だって分かってる。でもお風呂に問題があって必要になったり、こうして子の強い希望があったりでもしなけりゃ、銭湯なんて贅沢は私には選択できない。

 

8/28

園後、公園遊び。次の日が休みだから金曜日はわりと存分にお友達と遊ばせてあげる。

まだ暑い夕方、家の脇道に出て遊ぶ。今度は自転車。近所を一周。その途中のカフェの前でマンションの知り合いコージ君に遭遇。元々夫の知り合いで、偶然私達が同じマンションに越してきたところからの付き合い。カフェで仕事をしていたらしい。そんな話をしながら一緒に帰る。そのまま生活の話で立ち話。そこに夫がやってきて、また夫にも関係のある仕事の話に。子がカキ氷を食べに行きたいというので私達は退散しようとしたら、今度はそちらの奥さんと子供達がやってきて、子も再び遊ぶテンションに。久しぶりにコージ君家族とワイワイした。それで子も今日は満足におしまい。

安倍晋三が辞任を決める。だからって急には何が変わるでもないだろうなという気しかしない。パフォーマンスでもいいから、せめてコロナの対応くらいはズバッとキメてもらえたらいいけど。

今夜も花火。金土日の花火、で翌日月曜で閉園だから多分その日も花火があるはず。4日間連続花火。夫がとしまえん前まで観に行く?というが子が今日はもう疲れていそうなので無し。

夫が「そういえば三平も閉店するってね」と、え?上の100円ショップでしょ?いや、三平って書いてたと、貼り紙の写真を共有してくる。こないだまでシルクが閉店すると書かれていたお知らせと全く同じ形式だけど、確かに三平ストア閉店となっている。これはショックというより衝撃。私が東京で生活をはじめた10代から、ここにはスーパーだと認識している。昔、菓子パンコーナーで味噌パンが売っているのを発見して、みそパンなんて下北沢のアンゼリカでしか知らなかったから物珍しさに私が買ってハマって、友人達の間でブームになって、皆んな高円寺の北側でバイト中でも、わざわざ三平に買いに来たりしていた。次に高円寺界隈にやってきた時にはもう味噌パンの姿はなかったけれど、三平の少し古臭い印象は変わらずで、そこが他と違って良かったのに。この地域で子育てするようになってからは、三平はこの辺りで鮮魚が一番と皆が口を揃えて言っていて、また評価が上がったところだったのに。残念。

夜の金曜ロードショー借りぐらしのアリエッティ。子も最後までばっちり観る。ハロウィンはアリエッティにしようかなとか言い出す。しかしハロウィンイベントも無さそうだな。

 

8/29

園から貰った皿が思いのほか使いやすい。サイズもちょうどよく便利。もっと貰えばよかった。

午後、コメダにカキ氷を食べに行く。コメダのカキ氷が凄いらしいと夫が言い続けていて、昨日も行けず今日ようやくその時がきた。二人で行く。コメダはもうコロナ前のペースを取り戻していて、名前を書いて待つほどになっていた。夫に「混んでる」と一言報告。私はどうせならサンモールにある甘味処で昔ながらのカキ氷を食べさせたかった。子が赤ちゃんの時、抱っこ紐やベビーカーのなかで寝た隙にひとりで何度かそこで休憩した。また行きたい。カウンター席で横並びと言われるけど、隣りとは仕切りもあってボックス席より断然良い。どうせ子どもといたらゆったりすることもなく飲み食いしたらさっさと出ることになる。コロナによって店の構造や座席位置が本当になによりも気になるようになった。それでも子がただのイチゴカキ氷を食べたいと言い出して、それはソフトクリーム練乳入りの方じゃなきゃ並んでまでコメダに来た意味ないじゃんと思って、ソフトクリームありを推す。

夕方6時過ぎ、夫が帰ってきたところで今日こそ花火を観に行こうと準備。入場ゲート外にあるカレー屋で晩ご飯を食べるつもりでもあり。なかに入れるわけでもなく行くんだと思うと早稲田通り辺りでしんどくなる。子は「これってとしまえんに行く道だよねぇ」と、少し期待しちゃってるんじゃないかと思うと尚更。そんな山場を越えて練馬まで行ってしまうと、もう着いてしまう。すでに園外周辺には人がたむろっている。やっぱり園内からしか見えない仕様なわけ無さそう。交通整理担当らしいパークの人も立っているけど、厳しく追い払うようなことは一切ない。カレー屋の屋外席は仮テーブルが出されていて座る余裕はあり。それでもそこに勝手に自分の荷物を広げて飲みながら花火待機している人もいて自由すぎる。いや自由どころかどこまでが店の客なのかも分からないくらいカオス。私達は注文するも外国人の店員さんの反応が弱く、ちゃんとオーダーが通っているんだか怪しみつつそこに座って待つ。今から花火だというのにそれを待たずして退場してくる人もいるものだった。もう食事は花火前に間に合わないようだった。荷物をそこに置いてもっと花火が見えそうな位置に移動。園内のゲート前にも園外にも人が、程よい距離をとりながらたくさん集まって上を見つめている。花火が上がった。パーク内にいる時のような興奮はないけど、キレイによく見える。7分間、終わると皆んな拍手していた。これがコロナ以前だったら近くの人とハイタッチでもしてるんだろうなという空気。遠くの花火はもとから儚さを受け入れてるけど、近くの花火は彩られた空と終わった今とその差が余計に寂しくなる。席に戻るとカレー屋は落ち着いていて、なぜか子どものカレーだけ注文できていてそれだけ食べさせる。パーク内と同じカレー屋のようなんだけど、中のほうが断然よかった。こちらの店はカレーよりサイドメニューが豊富でそれがメインだったのかもしれない。どちらにしてもどっちも無くなる。ネットを見ても現地でも、閉店を惜しむ人は多数。私達は帰り道にある前にみつけたもう一つのカレー屋でテイクアウトをすることに。練馬は民家に突然こんな雰囲気のよい店が現れる。持ち帰ったカレーは独特で美味しい。大当たり。

 

8/30

今日も暑い。午後の西陽がキツい。スーパーのぬり絵の抽選にいく。前の子が兄弟でいくつかクジを引いていて二等だ三等だ、とカントリーマァムなんかのファミリーパックを用意されている。子がジトッとその様子を見ながら並んでいると横から別の店員さんがやってきて、お待たせしましたと別のくじ引き箱を差し出してくれた。引けるのは一枚、それがなんと一等。「はーい、おめでとうございます」と店員さんが差し出してきたのは一等とハンコの押された茶封筒。ここで使える商品券500円分です、と言われるけど子どもには紙切れ一枚は少しパッとせず。これでいつも欲しがるお肉のサンドイッチ、まい泉カツサンド、やっと買えるよ、と言うとぱぁっと顔が明るくなった。そのまま今度はクィーンズ伊勢丹敬老の日の絵を提出に行く。去年の写真を確認したらお買い物企画は9月みたいだった。絵はまたラミネートして貼ってくれるらしいので後で見にくるとして、商店街をぶらぶら。夫とも合流して北口までぶらぶら。子が寝てしまったので自転車は夫が見張ってOKストアで買いものしようと寄ることにすると、小学生の娘がいる知り合いに遭遇。一緒に店に入る。小学生ともなると注意をしてれば静かにするべきところも分かってきているし、休みに遠出している人もいたと話したり、今日の夕飯について話していたけど私が冷凍食品を覗いている間に知り合いの姿がなくなった。夕飯はピーマンの肉詰めだと言ってたから、肉か?野菜か?ともう一度うろついて確認するけど見当たらないのでレジに。OKは入り口から鮮魚までは一方向にしか流れることができないからそこを買い逃すと野菜まで戻るのはかなり面倒くさい。数年前改装するときにそんな導線も変わるのかと思いきや、中は全くかわり映えなくて何を改装したんだかさっぱり分からない。店を出たところでさっきの知り合いが自転車で去っていくのがみえた。夫と少し話して逆に待ってくれていたようだけど帰ったと。それより子が起きてお菓子を食べている。起きて泣いたといって与えたらしいけど、洗っていない手で物を食べてはいけないとあれだけキツく言っているのに。イライラ。

夜の花火、夫が最上階の10階の外階段に行ってみようと言って、3人でソロリソロリ出てみる。すると6階のうちよりずっと見通しがいい。今でこれなら昔に住人が皆んな屋上で観たというのも頷ける。と思っていたらどこからか声がする。一番端の家の窓からかと思ったけど、部屋は真っ暗でどうやら屋上に人がいる。花火をみているのが分かる。子どもの声もする。誰かいるねと夫と聞き耳もたてつつ、花火を堪能。また静かに帰る。現に屋上に出ている人がいた。誰だ誰だと考察がはじまる。

 

8/31

委員会作業。午前保育のうち作業がはいると、家が遠い人なんかは帰っていられなくなる。逆に近い私は行ったり来たりでバタバタする。園の絵本を管理する委員会は、学校の図書係りと同じで地味な雰囲気が出てしまう。だけど私は嫌いじゃない。花形はやっぱりバザーなんかを切り盛りする委員会。うちの園はDIY好きな、個性出してくるタイプが必ずいるような園だから、クリエイティブな委員会として、それが大変とされているのに人気で、イケてる人が集まるイメージ。そこをいくと絵本管理はまさに縁の下の力持ち。今の委員長がまたいかにも地味の代表のイイ味があって、なぜか手首にいつもサポーターを巻いているところとか、前年も同じ図書だったのだけど当時の委員長が連絡はグループLINEにしないかと提案してきた時に断固やらないと言い切っていたところとか、地味に反してクセが強いところが好き。私はこのタイプともわりと話ができるからよく委員会内の予定、計画の話を持ちかけられる。思えば高校生の時もそうだった。ヤンキーかマイルドヤンキーしかいないような文化レベルの低い田舎から少し離れた高校に通って、場所としてはもっと田舎だったけど、ようやくヤンキーでなくともオシャレとか音楽とか共有して楽しめるような仲間に出会えた。まぁまぁ学力が高い学校だったけど、それでも結局ほとんどはギャルとヤンキーの間のようなノリが第一線の高校生だった。時代も時代だったし。でも私はそんな子らと付き合っていた一方で、規則通りの見た目の地味で漫画好きな、いかにもオタク女子とも交流していた。ちなみに、そんなオタク女子の根底にも言葉遣いだったりある程度ヤンキー的なものはある。それが北関東。はじめは一見華やかチーム側の私に「え、何…」みたいになってたけど、岡崎京子の話をすると「なななななんで!知ってたの〜〜?!」と高揚して、それからたまに話す仲になった。彼女達にだけ私がcutieに投稿して貰った岡崎京子イラストの葉書を見せたし、魚喃キリコの漫画の貸し借りなんかもした。やっぱり私はその頃から誰彼とも当たり障りなく付き合える性質だったのかも。さて、そんな委員会も終わり一旦帰ってすぐに迎え。園後は公園遊び。最近はセミがよく落ちている。どんなに夏休みが短くても夏は同じく終わる。

夕方突然、アリエッティの洗濯バサミを買いに行きたい絶対欲しい、と子。ジブリの店で見たことあるけど高いんだよなと思いながら、まんだらけジブリもあるのを思い出してサイトをみると今も売られている模様。安くはないけど、どんぐり共和国で買うよりはもちろん安い。買えるかもと言ってブロードウェイに急ぐ。平日のブロードウェイのひと気のなさに不安と寂しさが込み上げてくるけど、15年前はこんなものだったような気もする。まんだらけのミクロ館にアリエッティのせんたくばさみの洗濯バサミはあった。大きいよと何度も言うけどそれでも買って今付けるという。メルカリの相場もこんなものだったから、いずれ買うとすれば今でも同じ。買ってその場で無理やりつける。気に入った物ならシールすらも、顔に貼ってでも身につけたい欲がすごい。少し重たいかもといいながらも地下まで行って肉やら日用品やら買い物。

夜、8時少し前から屋上に続く階段のところで待機して、誰か来ないか待ち構えてみる。誰も姿を現さず。昨日のは誰だったのか。仕方なくまた10階の外階段へ。私は高いところが苦手。古い鉄格子、怖い。子の手をぎゅっと握って遠くの花火に集中する。もう夜風は寒い。本当にピタリと、としまえんの終わりに夏も終わったと感じた。